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タピオカブームもピーク越え?「今年の一皿、受賞後は失速」パターンとは

LIMO / 2020年1月18日 8時20分

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タピオカブームもピーク越え?「今年の一皿、受賞後は失速」パターンとは

2019年の「今年の一皿」はタピオカに決定

毎年、ぐるなび総研の主催で「今年の一皿」という食文化の表彰が行われています。これは、優れた日本の食文化を人々の共通の遺産として記録に残し、保護・継承するためにその年の世相を反映し象徴する食を表彰するものです。早い話、“フード・オブ・ザ・イヤー”という位置付けでしょうか。

毎年、それなりに注目を集めて発表されますが、昨年(2019年)の「今年の一皿」はタピオカが受賞しました。昨年のタピオカブームに関しては、改めて説明するまでもなく、ブームを超えて社会現象にまで発展したと言ってもいいでしょう。

乱立状態のタピオカドリンク店

2018年後半から徐々に顕著となったタピオカ人気は、2019年に入って一気に大ブレイクしました。

大都市圏にはタピオカドリンク店が数多くオープンし、乱立状態とも言える状況です。実際、東京には昨年5月時点で300店以上あると言われ、とりわけ、原宿から表参道・青山にかけては約40店舗がしのぎを削っていました。現在は40店舗どころか、兼業店を合わせると70~80店舗あるとも言われています。

修学旅行で上京する女子高校生には聖地化しているようで、お台場に行くのは流行遅れという話があるのも納得できます。さらに、その後は、地方の中堅都市にもタピオカドリンク店がオープンする状況で、昨年の流行語大賞に「タピる」も堂々ノミネートされました。

とにかく、若年層を中心に大ブームになっているのは間違いありません。このタピオカブームはまだまだ続くのでしょうか?

改めて、過去の「今年の一皿」を振り返ってみよう

ところで、「今年の一皿」の表彰が始まったのは2014年からです。その後、現在の賞区分(今年の一皿、準大賞、ノミネートの3つ)になる2018年まで、毎年区分の変更(特別賞など)がありましたが、大賞(=今年の一皿)が1つだけ選出されることは変わっていません。まずは、過去の「今年の一皿」を振り返ってみましょう。

2014年:ジビエ料理

2015年:おにぎらず

2016年:パクチー料理

2017年:鶏むね肉料理

2018年:鯖(サバ)

2019年:タピオカ

いかがでしょうか。どのくらい覚えていましたか? “そう言えば、そんな料理もあったな”と懐かしがる人も多いでしょうし、“え、そんな料理がヒットしたかな?”と、ほとんど忘れてしまった人もいるでしょう。

ただ、これら受賞料理は、その年を代表する人気グルメだったことは事実です。どれもネットの世界で大きな話題となり、これらを扱う料理店や販売店では一時的に品不足になったものも少なくありません。

しかし、現在はどうでしょうか。いわゆる“一発屋”で既に現存しなくなったものはないようですが、2015年受賞の「おにぎらず」はそれに近いものがあります。また、これら大賞受賞の料理は、まさしく、その年がピークで、それ以降は明らかに下降線を辿っているものが多いと言えましょう。

好意的な言い方をすれば、その後に安定した、広く認知されたとも言えますが、少なくとも、大賞受賞を契機に爆発的な市場拡大へ繋がっているとは言い難いものがあります。

「サバ」や「鶏むね肉」は一時的に品不足状態となったが…

例えば、わずか1年強前に2018年「今年の一皿」を受賞した「鯖」を思い返してみましょう。2018年、鯖はEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などの必須脂肪酸を多く含み、健康効果も期待できるということで大ブームとなり、スーパーなどで缶詰(通称:鯖缶)が一時的に深刻な品不足となりました。

また、鯖バーガーや鯖しゃぶなども人気を集め、専門店も登場したくらいです。くどいようですが、これは今からわずか1年少し前の話です。

また、その前年(2017年)の大賞を受賞した「鶏むね肉料理」も同様です。「むね肉」の高たんぱく・低脂肪の特性に注目が集まり、抗疲労効果や抗酸化作用があるイミダゾールジペプチドが豊富に含まれる「むね肉」の機能性が評価され、女性を中心に一大ブームとなりました。

鶏むね肉と野菜のサラダは、オフィス街のランチ時には売り切れ続出で、スーパーなどでも品不足となったのは記憶に新しいところです。

受賞時をピークに下降線を辿るパターンが続く

2016年に大ブームとなった「パクチー料理」も、依然として根強いファンはいるものの、一体どこに行ってしまったのかと思うくらい見かけなくなりました。2014年の「ジビエ料理」も定着しつつある中で、昨今の豚インフルエンザ問題(注:野生のイノシシが感染源と言われています)などで今一つパッとしないのが実情でしょう。

こうして振り返ると、やはり「今年の一皿」受賞がピークとなり、その後は沈静化した、あるいは、急速に下降していったことが分かります。

確かに、その年を代表する料理を表彰するわけですから、次の年にブームが終わるのは当然なのかもしれません。しかし、“山高ければ谷深し”となっているものが少なからず見られるのは、残念の一言に尽きます。食文化の本筋から外れている気がするのは筆者だけでしょうか。

タピオカはジンクスを破れるか?

さて、タピオカはどうなるでしょうか。ご多分に漏れず、社会現象とまで言われたブームは去るのでしょうか。

1つ気になるのは、過去の受賞料理の多くは、「健康」や「美容」に何らかの形で関するものだったことです。「健康」「美容」は女性を中心に、昔から関心が非常に高いテーマですが、一時のブームで終わるものが多々ありました。食品で言えば、青汁やホルモン料理などがそうですし、健康器具も買ってそのまま放置という人が多いと思われます。

その点、タピオカは健康や美容に大きな関連性はないようです。そうすると、過去の事例に反してタピオカブームはまだまだ拡大するのでしょうか? 今後の推移を見守りたいと思います。

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