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家族のために「非正規雇用」にした母親、「何も変わらない」父親。共働き夫婦間の格差とは

LIMO / 2020年1月23日 20時45分

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家族のために「非正規雇用」にした母親、「何も変わらない」父親。共働き夫婦間の格差とは

女性が社会に出て仕事をするのが珍しくなくなった今、産休や育休などの制度も整えられています。とはいえ、まだまだ男性との格差があるのも事実でしょう。今回は仕事で夫婦の格差に悩む女性の声を紹介していきます。

共働き世帯は専業主婦世帯の2倍以上

労働政策研究・研修機構の「専業主婦世帯(男性雇用者と無業の妻からなる世帯)と共働き世帯(雇用者の共働き世帯)(https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0212.html)」の資料によると、2018年の専業主婦世帯は600万世帯、共働き世帯は1219万世帯となっています。共働きの家庭が専業主婦家庭の2倍以上で、共働きが主流を占めるようになっています。

これだけ共働きが増えているとはいえ、女性が仕事を続ける中で、男性である夫との「格差」を感じる場面も多いようです。

以前と同じく仕事ができる夫が羨ましい

Cさんは、職場結婚。ご主人とは部署が違うので、結婚をしても同じ会社で働いていました。結婚後1年で妊娠・出産しましたが、好きだった仕事は続けようと決めていました。そのため妊娠したときから、0歳児保育のある保育園の空き状況を入念に調べて、産休明けすぐに時短勤務で復帰したのです。

しかし、男性中心で残業が当たり前といった職場だったため、夕方以降に打ち合わせが設定されるなど、Cさんのやる気はあるのに周囲と同じように仕事ができません。最初のうちこそ「Cさんに関わる仕事はCさんの勤務時間内に」という気遣いで仕事が回されましたが、次第に誰かの補佐や、簡単な資料作成の仕事ばかりになっていきました。いわゆる「マミートラック」の状態に陥ってしまったのです。

Cさんのご主人が同じ職場だったのも災いしました。Cさんはどうしても外せない仕事がある時は、ご主人と交代で子どものお迎えや病気に対応するつもりでした。でも会社側は、当時管理職だったご主人が仕事を抜ける方が損失が大きいと判断していました。そのためCさんの仕事を軽くすることで、夫妻が一緒の職場で働くことができるようにと配慮してしまったのです。

今とてもモチベーションが落ちています。あんなに仕事が好きだったのですが、最近は面白くなくて…。正直、父親になっても普通に仕事ができる夫がうらやましいです」と話すCさん。夫婦の格差というのは、「以前と変わらず仕事をしたいけれどできない」というとことにもあるようです。

自分で決めたことが夫婦の格差を生んでしまうことも

Mさんは子どもが年少児になったのを機に、それまで勤めていたIT企業を退職し、自宅近所で事務職のパートに就くことにしました。産休と育休を経て復帰はしたものの、同業者である夫は子どものお迎えや病気の時の対応がほぼできず、肉体的精神的に限界を感じるようになったからです。パート先は、子持ちの女性が多いこともあり、育児には理解のある職場です。正社員時代に比べれば収入は落ちますが、家庭との両立はしやすいだろうと思い決心しました。

でも実際パートが始まってみると、自宅近くで通勤時間はカットされるものの、仕事が終わった後に子どものお迎えや家のことをして…という一連の作業の大変さは変わりません。それどころか、以前はごみ捨てと休日の掃除ぐらいはやっていた夫が、正社員じゃない仕事なら余裕もあるだろうといわんばかりに、全く何もしなくなってしまいました

少しは家事や育児に余裕が出るだろうと踏んでいたMさん。でも変わらない状況に「以前のように家事を分担してもらえないか」と相談したところ、「収入が減ったんだから、お前が家事や育児を多くやるのは当たり前だろう」と言われてしまいました。どうやら夫にとって正社員時代は同等の立場ですが、非正規雇用は下ということのようです

「なんだか夫にがっかりしました。自分で決めたことなので、正社員の座を捨てたことは後悔していませんが、夫の中では私は対等ではないということなのですよね」とMさんは深いため息をつきます。家庭のことを考えて行動したことが、逆に夫婦の格差を生んでしまうこともあるようです。

子どもの成長にあわせて生活スタイルを変える妻

中学生と高校生のお子さんがいるAさんは、現在フリーランスとして在宅で仕事をしています。収入としては夫の3分の2というところでしょうか。もちろん扶養からははずれています。しかしここまでになるには、それなりの苦労もしてきました。

「子どもの成長によって、仕事ができない時間はまちまちなんです。小さいうちは、子どもが家にいれば目を離せなくなります。小学生になれば、四六時中そばにいる必要はなくなりますが、病気になれば病院に連れて行かないといけません。それに完全には手が離れません。中学生・高校生はほとんど手はかかりませんが、部活の送迎や応援で休日がつぶれるのもしばしば。塾や習い事に通わせれば帰りが夜遅くなりますし、心配ですから送迎をしたくなります。それらに合わせながら早朝、日中、夜間と仕事の時間を調整して、家事炊事もやって、10数年乗り切ってきました」と話すAさん。

「夫ですか?まあ、自分の部屋の掃除と夕食の温めぐらいはするようになりましたが、基本的に生活スタイルは変わっていないと思いますよ。朝6時に起きて朝食をとり7時に家を出る。仕事をしてまっすぐ帰る時もあれば、気が向いたら趣味のジムに寄る時もある。子どもが小さい時からそんな感じです」

子供が成長しても生活スタイルが全く変わらない夫と、臨機応変に生活スタイルを変えて乗り切る妻。こういうところにも、夫婦の「格差」はあるのかもしれません。

まとめ

病気やケガからの復帰とは違い妊娠出産後の職場復帰の場合、子どもの状況によっては、夫婦どちらかが思うように働くことができなくなります。でもそうなるのは母親であって当たり前…という風潮があるのも事実でしょう。社会的にも育児をメインに行うのは母親という考えはなくなっていません。こういった考えも、仕事における夫婦の間の格差を生む一要因なのかもしれませんね。

【参考】
「早わかり グラフでみる長期労働統計」独立行政法人 労働政策研究・研修機構

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