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専業主婦と兼業主婦の生涯年収差は2億円?あなたの出産後の選択は…

LIMO / 2020年1月21日 19時15分

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専業主婦と兼業主婦の生涯年収差は2億円?あなたの出産後の選択は…

出産をきっかけに仕事を辞めるか、続けるべきか」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。経済的な面だけを考えれば、仕事を辞めないほうがお得かもしれませんが、人生で大切にしたいことは人によって異なります。

とはいえ、自分の選択が家族の将来に大きな影響を与えてしまうこともあります。とくに、無計画に仕事を辞めてしまうのはリスキーと言わざるを得ません。

専業主婦vs兼業主婦!生涯年収の差は2億円?

はじめに、厚生労働省が管轄する労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2018 ―労働統計加工指標集―(https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/kako/2018/documents/useful2018_21_p312-356.pdf)」をもとに、女性の生涯年収をご紹介します。

学校卒業後、フルタイムの正社員を60 歳まで続けた場合、大卒・大学院卒女性の生涯賃金(退職金を含めない)は、2016年時点で約 2 億 2,000万円になります。一方、同じ条件でフルタイムの非正社員(正社員以外)を続けた場合の生涯年収は約1 億2,000万円です。

仕事を辞めるタイミングによっても生涯年収は変わってきますが、就職してすぐに結婚・出産して専業主婦を60歳まで続けた場合、正社員女性と比べると2億円以上、非正社員と比べても1億円以上の差がつくことになります。

過半数の女性が出産後も仕事を続ける

つぎに、出産後も仕事を続ける女性が実際にどの程度いるのかについて見ていきましょう。

内閣府共同参画局の「『共同参画』2019年5月号(http://www.gender.go.jp/public/kyodosankaku/2019/201905/201905_02.html)」によると、出産前に仕事に就いていた女性のうち、2010~2014年の期間に第一子出産によって退職した人の割合は46.9%です。就職を継続する人の割合は増加傾向にあり、最新のデータでは53.1%と過半数を占めるまでになっています。

女性が仕事を持つことに対する社会的な意識も変わってきています。内閣府共同参画局の「男女共同参画白書 令和元年版(http://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r01/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-02-05.html)」によると、2016年時点で「子どもができても、ずっと職業を続けるほうがよい」という選択肢を選んだ人の割合は、女性の55.3%、男性の52.9%に上ります。

子どもが大きくなってから再就職したい

この調査で、2番目に大きな割合を占めたのが「子どもが大きくなったら再び職業を持つほうが良い」という意見です。女性の28.0%、男性の24.3%がこれを選んでいます。

育児をしながら働き続けるためには、家族や周囲の協力が不可欠です。子どもが病気になったときに頼れる人がいない場合、「手がかからなくなったら再就職をする」というのが現実的な選択肢になってしまいがちです。

一方、「せめて、子どもが幼い時期だけでもそばにいたい」と考える人も少なくありません。子どもと一緒に過ごせる貴重な時間を楽しみたい、大切にしたいと思う気持ちに共感できる人も多いことでしょう。

ところが、いったん正社員を辞めた人が再び正社員に戻るのは想像以上に大変です。子育て中に国家資格を取得した女性が、SNS上にあげた「『ブランクがあるから』という理由で採用試験に落ちた」という投稿は多くの人に衝撃を与えました。

子育て100%が息苦しい人も

ワンオペ育児の現状は過酷です。朝から晩まで家事や育児をしていると、たまには一人で息抜きしたいと感じることもあるでしょう。「産休が明けたら、すぐに仕事に戻りたい」「仕事をしていたほうが、メリハリがついて子どもにも優しくできる」と考える人もいます。

幼児教育・保育の無償化で浮かび上がった不公平感とは

2019年から幼児教育・保育の無償化制度がスタートしました。ところが、実際に制度が始まってみると、さまざまな問題が浮かび上がってきたのです。

無償化制度をフルで利用できるのは共働き世帯

幼児教育・保育の無償化制度は、保育の必要性が認められた世帯、つまり原則的に共働き世帯が対象です。

・3~5歳まで:月額3万7,000円まで無償化
・0~2歳までの住民税非課税世帯:月額4万2,000万円まで無償化

専業主婦(夫)世帯では、認可外保育園と幼稚園の預かり保育が無償化の対象外です。

認可保育園に落ちると無償化の対象外に

問題は、「認可保育園に子どもを預けられないと働きたくても働けない」ママがいるにもかかわらず、「認可保育園に預けないと、無償化の対象にならない」ことです。

また、専業主婦(夫)世帯は幼稚園の預かり保育が無償化の対象外なので、少しだけ息抜きをしたい場合にはお金が必要です。

ママたちの置かれている状況はさまざまですが、制度の対象になる人とならない人がいることに不公平感を感じる人は少なくありません。

幼児教育・保育無償化で収入に差がつく?

幼児教育・保育が無償化されたことで、「働かなくても生活に余裕はあるが、無償なら子どもを預けて働こうかな」と考える人も出てくると予想されています。ライバルが増えるため、働かないと生活できない世帯に、就職や保育園探しの面でしわ寄せが及ぶ可能性もあるのです。

制度の恩恵を受けて世帯収入が増える人がいる一方で、働きたくても働けない人も増えて、ますます格差が広がるのではないかと懸念する声も聞かれます。

こうした状況のなか、あなたは出産後どんな選択肢を選びますか。

離職する前に、現状をしっかり把握して将来のプランを立てたうえで、進むべき道を決める必要がありそうです。

【参考】
「ユースフル労働統計2018 ―労働統計加工指標集―」労働政策研究・研修機構
「『共同参画』2019年5月号」内閣府共同参画局
「男女共同参画白書 令和元年版」内閣府共同参画局
「幼稚園、保育所、認定こども園等の無償化について(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/outline/pdf/free_ed-setsumei2.pdf)」内閣府

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