夢のマイホーム「先輩として」親からのアドバイス。どのくらい尊重すべき？

新しく自分たちの家を購入することは、本来とてもワクワクするものです。しかし、土地の選定や間取り、内装といった細かなものにまで自分たち以外の人間が口出ししてきたら、それは少々テンションが下がってしまいますよね。

人生で最も大きな買い物ともいえる住宅選び。そこには「助言」を与えたい人たちがどうしても集まってきてしまうようです。

その家、誰のもの？

住宅の購入は、その家に住む夫婦や子供たちの意向を十分にくみ取り行われるものです。しかし、多くの場合両方の親たちが「先輩として」アドバイスをくれるのですが、それはときとして、本人たちの意向を無視して進んでしまうことがあります。

・「一軒家を建てる予定だったのですが、旦那の実家でその話をしたら大反対にあいました。理由は『将来こっちに帰ってくるときに売りにくいから』だそうです。義母は長男である夫に帰ってきて欲しいらしく『購入するのであれば売りやすい駅前のマンションにしたら？会社にも行きやすいでしょ』と譲りません。子供の学校のことや、私の生活のことなどは一切頭にないんだなと思いました」

・「子供が三人いるため、私の実家近くに家を購入し、何かあったら助けてもらおうと夫と話し合っていました。しかし、土地を買う直前になって旦那の両親から待ったがかかりました。理由は『婿に出したわけではない』とのこと。うちの両親もそんなつもりはないし、一緒に暮らすなんて一言も言っていないのに…。『近所に購入＝私の家族とべったり』となるのが面白くなかったみたいです」

・「義父は地元の付き合いが多い人で、住宅を購入するといったところ『じゃあ〇〇さんに頼もう！』と勝手に業者さんを選んできてしまいました。腕はいいかもしれないけれど、とても私たちで支払えるような価格帯の会社ではなく、夫からやんわり断ってもらったところ義父は激怒。勝手に動いておいて…」

子供の意向を無視し、自分たちの気持ちがどうしても出てしまう人がたくさんいるようです。

いい嫁でいたいけれど…

一軒家を購入予定のSさんご夫婦。夫の両親は普段から優しく、嫁であるSさんのことも大切に思ってくれる人たちでした。しかし、家の購入の話になった途端、自分たちの理想をどんどん提案してきたといいます。

「義両親は自分たちの経験で失敗したところや取り入れたほうがいいところなど、たくさん提案してくれました。しかし、それは30年以上前の住宅をベースにした意見でした。今は当時と違った生活スタイルや設計が主流なのでそちらを取り入れたいと思っていても、あんなに一生懸命私たちのことを考えてくれる義両親に断るのは難しくて…」

普段良好な関係だからこそ、ハッキリと断ることができなかったというSさん。今まで、近所でも評判のいい嫁としてやってきたSさんとしては、自分の意見を通さず義両親の納得のいくものにしてしまったほうが楽なのでは、と思ったそうです。

「そんなとき、実姉に言われました。『あんた、それいい嫁じゃなくて都合のいい嫁になってるよ』と。その一言で目が覚めたというか。揉め事を避けたいばかりに、相手の言いなりになるのは違う。そう思えました」

その後、Sさんは自分の夢であった家づくりがしたいことや、義両親の提案から思いついたことなどを夫と二人で丁寧に説明。Sさんの気持ちを理解した義両親は、静かに応援してくれたといいます。

ローンを支払っていくのは二人

また、住宅を購入する場合、資金の大半を払っていくのは夫婦二人です。中には両家から多少の援助を受けている場合もあるでしょう。そういった場合は、それらに応じ、意見を取り入れる必要もあるかもしれません。

ただ、何十年と続くローンを支払っていくのは購入したお二人ですよね。親たちのときとは金利も違うし、金額や経済状況も異なっています。住宅以外に車のローンがある人や奨学金を抱える人、子供の教育費など、かかる費用は本当にさまざまです。

そういったものを夫婦で理解し、自分たちがどのように返済していくかを理解することも大切なのではないでしょうか。

まとめ

「夢のマイホーム」なんて言葉があるように、一生に一度の大きな買い物となる住宅の購入。外野の心配してくれる気持ちもわかりますが、一番大切にしなくてはならないのはやはり「住む人の意見」ではないでしょうか。

せっかく思い切った買い物をするのであれば、共に住む人たちが気持ちの良いものにしたいですよね。この家は誰のためのものなのか。それをしっかり夫婦で話し合い、後悔しない住宅選びをぜひ行ってください。