キャッシュレスのポイント還元、若い人の「キャッシュレスデビュー」を促した?気をつけたい「ポイント還元」のワナ
LIMO / 2020年1月25日 19時15分
キャッシュレスのポイント還元、若い人の「キャッシュレスデビュー」を促した?気をつけたい「ポイント還元」のワナ
2019年10月に施行された消費増税に合わせて、買い物の際にキャッシュレス決済を選択すると最大5%分のポイント還元が受けられる制度が導入されました。今年6月までの期間限定ですが、これを機に日々の買い物でキャッシュレス決済を選択するようになった人も多いのではないでしょうか。
一方で、「現金払いよりも『お金を使っている感』が薄くて、ついつい使い過ぎてしまいそう」などといった理由からキャッシュレス決済は利用していない、という人も少なからずいるようです。
また「ポイント還元」だから、「ついつい買いすぎてしまった…」という人も。今回は、キャッシュレス決済の特徴や「ポイント還元」がキャッシュレス決済をする人に与えた影響などについてご紹介します。
キャッシュレス決済はお金を使い過ぎる?
キャッシュレス決済を頻繁に利用している人は、どのような点にメリットを感じているのでしょうか?
先述のポイント還元を受けられるほかにも、ATMで現金を引き出す手間が省けて手数料もかからないことや、財布の中身をいちいち確認せずともスマートフォンでサクッと支払いを済ませられること、支払い方法によってはクレジットカード会社やQRコード決済サイトなどでお得に「ポイントの二重取り」もできるといった点が挙げられます。
そうしたメリットを知りながらもキャッシュレス決済に抵抗を感じている人としては、やはり現金払いに比べて「お金を使っている」という実感が持ちづらく、ついつい使い過ぎてしまうのではないか、という不安があると考えられます。「使えば財布の中身が減るとひと目でわかる現金のほうが、使い過ぎないように気をつけるので安心」ということですね。
では、本当にキャッシュレス派の人は、現金派に比べてお金を使い過ぎてしまっているのでしょうか。
「現金派」と「キャッシュレス派」実際に節約上手なのは…?
2019年に発表された「キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査(https://www.global.jcb/ja/press/00000000162792.html)」(JCB調べ)によれば、1年間で増やすことのできた貯蓄額の平均は57.2万円でした。
それをさらに「キャッシュレス派」と「現金派」に分けて見てみると、前者のほうが2.4倍も貯蓄を増やしていることが分かります。
≪1年間の貯蓄増加額の平均≫
・キャッシュレス派 … 83.2万円
・現金派 … 34.2万円
「お金を使った実感が持てないキャッシュレス決済派の人は、ついつい使い過ぎてしまってお金が貯まらなそう」という予測に反して、キャッシュレス派が現金派に大きな差をつけて貯蓄を増やしています。
お金の情報に敏感な人ほど、キャッシュレス決済を上手く活用している
初めは馴染みのないキャッシュレス決済を、「よく分からなくて不安だから利用しない」のではなく、「情報を集めて精査したうえで自分にとってのメリットを理解し、上手く活用していく」という柔軟な姿勢で取り入れていけるような人たちは、日頃からお金に関する意識も高く、「賢い消費者」として節約や貯蓄に成功しているのでしょう。
特に、富裕層と言われる人たちは、常に世の中の動きに敏感です。新しいものへ目を向けて素早く反応する柔軟な姿勢を持ちながら、一時のトレンドに振り回されることなく、しっかりと自分で手綱を握って最大限に活用しようと試みます。
幅広い情報を収集して絶えず自分の知識をアップデートしながら、やると決めたらスピード感を持って行動に移す判断ができることが、小さな成功の積み重ねと、その先のより大きな目標達成へと繋がっているのです。
「キャッシュレス・消費者還元事業」が与えた影響
JCBの「キャッシュレス・消費者還元事業に関する調査2019(https://www.global.jcb/ja/press/00000000162934.html)」によると、キャッシュレス・消費者還元事業の対象店舗でキャッシュレス決済を利用したことがある全国の 20 歳~69 歳の男女1,000 名(全回答者)のうち、「キャッシュレス・消費者還元事業」を機にキャッシュレス決済を開始した人は13.5%となっています。
以前から利用していた人は86.5%となっており、新規利用者は少ないようです。新規利用層を詳しく見ると、20代女性(29.0 %)がもっとも多く、50代男性(6.0%)がもっとも少なくなっているようです。
同調査では全回答者(1,000名)に、「キャッシュレス・消費者還元事業によってポイントが還元されることを考慮して行ったこと」についても質問しています。
「買おうかどうか悩んでいたものを購入した」かについて、「行った」は23.0%、「行っていない」は77.0%となったようです。「行った」と回答した層をくわしくみてみると、20代が34.0%ともっとも高くなっています。
さきほどお伝えしたように、「キャッシュレス・消費者還元事業」を機にキャッシュレス決済を開始した人がもっとも多かった層は20代女性、そして「キャッシュレス・消費者還元事業」で「買おうかどうか悩んでいたものを購入した」のが多かったのも20代。
キャッシュレス決済を開始したばかりの人の中には、「ついつい買ってしまった」という人が多いのかもしれません。「ポイント還元があるから」と過度に期待せず、通常通りの買い物を心がけた方が良さそうです。
また「キャッシュレス・消費者還元事業が始まって利用頻度が増えたお店」については、1位が「コンビニ」(48.7%)、2位が「スーパー」(36.4%)、3位が「ドラッグストア・薬局」(21.7%)となっています。
とくにコンビニは半数近くが増えており、「ついつい買い物してしまう場所」でもあります。今までキャッシュレス決済を利用していた人についても、「ついつい買い物」は気をつけておきたいところですね。
キャッシュレス決済と上手に付き合って節約上手に!
キャッシュレス決済に限らず、誰だって初めてのこと・よく知らないことは不安に感じるものです。しかし、そこで壁を作ってしまうのではなく、世の中の動きやお金についての最新の情報に関心を持ち、自分にとってメリットがあると感じたことは柔軟に取り入れていくという姿勢こそが、節約上手への第一歩と言えるでしょう。
今まで何となく敬遠してきたという人も、ぜひ情報を集めて、自分に合った方法でキャッシュレス決済を活用していけたらいいですね。また、最近キャッシュレス決済デビューした方はとくに、「ポイント還元」にあまり期待せず、「気づいたら得していた」という状態が良いのかもしれません。
【参考】
「キャッシュレス・消費者還元事業について(https://cashless.go.jp/consumer/)」一般社団法人 キャッシュレス推進協会
「キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査(https://www.global.jcb/ja/press/00000000162792.html)」JCB
「キャッシュレス・消費者還元事業に関する調査2019(https://www.global.jcb/ja/press/00000000162934.html)」JCB
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