ガラガラヘビ、がじゃいも、パプリカ…子どもが大好きな歌はママたちの子育て思い出曲

1月22日、とんねるずの楽曲全152曲が、Spotify、Apple Musicなどのサブスクリプション/ダウンロード音楽サービスで配信がスタートしました。そのうち、30歳の筆者が今でも口ずさむことができるのが「ガラガラヘビがやってくる」と「がじゃいも」。

自分の最も古い記憶と言っても過言ではない2歳か3歳くらいの頃、筆者はテレビでこの曲が流れるたびに大騒ぎしていたことをぼんやりと覚えています。そしてその30年弱前の思い出が、筆者以上に鮮明に刻まれているのは、その様子をそばで見ていた母でした。

今でも母が覚えている、あの時筆者が夢中になっていた2曲

1992年～1993年頃のこと。当時大人気だった「とんねるずのみなさんのおかげです」（フジテレビ）のオープニングで流れていたのが「ガラガラヘビがやってくる」と「がじゃいも」でした。キャッチ―なメロディやわかりやすい歌詞に加え、クレイアニメの映像付きだったために、筆者だけでなく多くの子どもをひきつけていたでしょう。

当時の筆者は、それまで他の遊びをしていたのに「ガラガラヘビがやってくる」と「がじゃいも」がかかるとその瞬間におもしろいようにパっと動きを止め、じーっとテレビを見つめていたそうです。21時から放送されていた番組だったので、いつもは20時頃に寝ていた筆者でしたが、同番組の放送曜日だけは特別に21時過ぎまで起きていることが許され、オープニングだけ見てから布団に入っていたのだとか。

音楽に乗って体をゆらゆらして踊ったり「甘くてすっばいぞ～」「おでん、肉じゃが、こふきいも～」など特定の部分を一生懸命に歌ったりしていた筆者。その様子は30年弱経った今でも母の脳裏に残っているようで、ふとした時に母の方から「あなたはあれが本当に大好きだったよね。あの2曲を聴くと、一番子育てで大変だったあの時期を思い出すわ」としみじみ言われることもあります。

数年後、「パプリカ」を聴いたら何を思い出すのか

7歳の長女、4歳の次女、そして2歳の筆者を子育てしていた当時の母にとって、イヤイヤ期真っ只中の筆者がこの2曲を聴くためにテレビに夢中になっていた時間が、貴重な休息タイムだったのかもしれません。筆者がただ「懐かしいな～」と感じるこの2曲も、母にとっては子育ての思い出の曲なのでしょう。

そして大人になった今でも思い出話として親子で共有できるような曲があることは、実はとても嬉しいことなのだと、自分が子育てする側になって感じます。

筆者の1歳半になる息子は、昨年大ヒットしたFoorinの「パプリカ」が今なお大好き。まだ言葉もしっかり話せないものの必死で歌おうとし、手をお花の形にして踊ろうとする今の息子の姿を、筆者はこの先何年経っても「パプリカ」を聴くたびに思い出すのだと思います。子育ての手がかからなくなる十何年か後に「パプリカ」を聴いたら、「あの時の私は、毎日必死に子育てしていた」と苦しさや楽しさを懐かしんで涙してしまうかもしれません。

その時に、子育て真っ只中で大変だった過去の自分を褒めてあげられるように、「あの時は大変だったけどやり切った」と胸を張れるように……。今、毎日のように息子と聴いている「パプリカ」を数十年後の自分はどんな気持ちで聴くことになるのだろうかと、ぼんやりと考えてしまうのです。

子どもに人気の曲は、今この時代のすべての親と共有できる永遠の思い出

今、未就学児を子育てしている友達と会うと、たいてい「子どもって本当にパプリカ好きだよね！」「保育園でも大流行してるよね」という話で盛り上がります。「パプリカ」を聴きすぎて子ども以上に歌って踊れてしまう友達も少なくありません。「パプリカ」がくれた経験と思い出は、今この時代に日本で一生懸命子育てしているすべての親と共有できる特別な財産なのだなと改めて感じています。

子どもたちに大人気の曲というのは単なる一時の流行り廃りではなく、子育て当事者の親にとっては永遠の存在なのかもしれません。そして「だんご3兄弟」や「おさかな天国」など、数年ごとにそうした曲が登場してくれることで、同時代に子育てをしていた人たちの思い出をつなげてくれます。2020年はどんな曲が子どもたちを夢中にさせ、親たちの子育ての思い出となってくれるのでしょうか。