シニア世代の大きな負担「孫出費」…孫を喜ばせながら支出を抑える工夫とは
LIMO / 2020年2月3日 19時15分
シニア世代の大きな負担「孫出費」…孫を喜ばせながら支出を抑える工夫とは
誰もが決して余裕があるとは言い切れない老後。それでも子どもや孫のためを思って、様々な支援をしているシニアの方も多いと思います。とはいえ、孫支出をできるだけ抑えたいのも事実でしょう。そこでこの記事では、シニアが出費を抑えるためのポイントを紹介していきます。
シニアは孫のためにいくら使っている?
孫の年齢とともに増加傾向になる「孫関連の支出」ですが、どのくらい支出しているのでしょうか。ソニー生命保険株式会社の『シニアの生活意識調査2019(https://www.sonylife.co.jp/company/news/2019/nr_190904.html#sec2)』によると、50~70代のうち約3割(311人)が「1年間に孫のための出費をした」という結果に。年間の支出額で最も多かったのは「5万円~10万円未満」で、平均金額は約13万1000円となりました。2018年は約12万8000円だったので、年々増加していることも分かっています。
《主な出費(複数回答)》
1位:「おこづかい・お年玉・お祝い金」(78.3%)
2位:「一緒に外食」(47.8%)
3位:「おもちゃ・ゲーム」(38.3%)
4位:「本・絵本」(27.3%)
5位:「一緒に旅行・レジャー」(25.8%)
また内閣府の調査『平成28年 高齢者の経済・生活環境に関する調査結果(概要版)(https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h28/sougou/gaiyo/index.html)』でも、19.8%が子や孫のための出費が「大きな割合を占める支出」と考えており、11.2%が「負担を感じている」と回答しています。現役を引退したシニア世代の子・孫のサポートが長期化した場合、老後の資金に影響が出てくることもあると推測できます。
帰省の時期は出費の連続!? シニア世代の本音とは
孫に会えるのは年に数回というシニアの場合、会えて嬉しい半面、孫たち一家のお世話や出費で負担も大きくなります。外食やお小遣い、時期によってはクリスマスプレゼントやお年玉、ランドセルやお祝いの話題も出るでしょう。出費が増える帰省を受け入れる祖父母たちの本音を聞いてみました。
・「年末年始になると、息子3人が孫たちを連れて帰省します。孫は計6人。お年玉に加えて、食費も年々上がっていきます。入学や卒業を控えた孫には早めのお祝いを渡すことも。1年間で最も支出が増える時期です」
・「普段仕事で忙しい娘は、帰省してくると孫を私たちに預けて出かけます。リフレッシュさせてあげたいし、孫は可愛いのですが…。小さい子の体力はすさまじく、遊び相手になるのも一苦労。食事やケガなど見守るのも大変で、かなり疲れます。孫の食物アレルギーのことも注意しながらのお世話です」
元気な孫のお世話はシニア世代には大きな負担でしょう。金銭面だけでなく、体力面や気遣いなどでもダメージが大きいようです。
また、「お年玉」などのお祝い金についても、孫の年齢により年々上がっていくことでしょう。「お年玉」の“相場”については、住信SBIネット銀行株式会社が実施した調査『お年玉に関する意識調査 2020(https://www.netbk.co.jp/contents/resources/pdf/enq_191220.pdf)』によると、小学校低学年で 3000円、小学校高学年で 5000円、中学生は 5000 円あるいは1万円、支出予定の総額は平均で 2万6642 円という結果が出ました。孫の人数が増えるほど出費も増えますし、高齢となっていくシニア世代にとって年々負担が増えていくという辛さが分かります。
帰省時は笑顔で受け入れつつも、辛かった、苦労があったという場合は、娘・息子たちに正直に伝えてみてはいかがでしょうか。祖父母のエネルギーにも限界があります。健康面・体力面の心配を伝えておくことも親子のつながりですし、何より次回に向けた対策にもなりますね。
孫を喜ばせつつ出費を抑える工夫とは?
孫が喜んでくれるならと、ついお金を出してしまう人も多いのではないでしょうか。しかし次々にお金をかけていると、負担も大きくなるばかり。出費を上手に抑えつつ、孫たちに喜んでもらうにはどうすればいいのでしょうか。皆さんの工夫の声を集めてみました。次回の帰省に向けて備えていきましょう。
外食をやめて自宅で楽しく食事をする
・「以前まで、帰省中は好きなものを食べさせようと、ほとんど外食で済ませていました。滞在中はいつも数万円単位の出費に。最近は食材を買い込んでおき、自宅で焼き肉を楽しむことにしています。みんなが喜ぶようなデザートを用意しておくのがポイントです。ホームパーティーのようで満腹感もあり、孫たちも大喜び。外食と比べるとトータルで約半分の金額で済むようになりました」
孫が家で楽しめるようにする
・「帰省の時期が近づくと、孫たちが喜びそうなアニメのDVDをレンタルしておいたり、家族全員で楽しめるようなボードゲームも用意します」
・「意外に重要なのがWi-Fiです。設定しておくと孫たちの不満も少なくなります。ネット環境が悪いと、外出をせがまれますよね。自分たちの勉強にもなるため、地元のケーブルテレビ局で契約し、自分もパソコンを始めてみました」
洋服ではなく小物をプレゼント
・「孫に似合いそうな服を見つけて購入しておいたところ、サイズや好みに合わないことが。そのため好きなキャラクターを聞き出して小物を購入するようにしました。小物類は結構高めですが、洋服よりも使いまわしが効くようで重宝されましたよ。
まとめ
孫への出費は成長とともに増えていくので、高齢家庭にとっては大きな負担になってしまいます。とはいえお祝いやお年玉の金額を減らすのも心苦しいので、帰省シーズンに向けて娘・息子と打ち合わせをしたり、孫が好きなものをピンポイントで用意しておくなど支出を抑える工夫をしてみましょう。それでも帰省時は孫に会える数少ない大切な機会です。写真をたっぷり撮ったり、たくさん話をしたり、有意義な時間を過ごせるといいですね。
【参考】 『シニアの生活意識調査2019』ソニー生命保険株式会社 『平成28年 高齢者の経済・生活環境に関する調査結果(概要版)』内閣府 『お年玉に関する意識調査2020』住信SBIネット銀行株式会社
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