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「とるだけ育休」じゃ困る! 夫の手が必要なのはむしろ保育園入園後だった…

LIMO / 2020年2月2日 10時45分

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「とるだけ育休」じゃ困る! 夫の手が必要なのはむしろ保育園入園後だった…

妻・滝川クリステルさんとの間に長男をもうけた小泉進次郎氏。滝川さんの出産前から「第1子の誕生後、3カ月の間に合計で2週間分、育児休暇を取得する」と“育休取得宣言”をして注目を集めていました。1月29日の参院予算委員会では自らオムツ替えやミルク作りを担当していることを述べ、育休取得の重要性について改めて発言しました。

一方で、進次郎氏の育休取得については筆者は「必要ある?」と複雑な思いを抱きました。政治家と比較は決してできませんが、中小企業の管理職で毎日が激務労働の夫を持つ共働きワンオペ妻の立場からその見解を述べます。

産後半年間、必要と感じなかった夫の手伝い

筆者は一昨年に第一子を出産。里帰り出産ではなかったものの、夫が育休を取れるはずもなかったので、筆者を案じた実母が退院後1週間ほど泊まりで手伝いに来てくれました。産褥期の間を思い返してみると、完全母乳だった筆者は息子が空腹になれば授乳をし、ウンチやおしっこをすればオムツを替え、グズったら抱っこをし、息子が昼寝をしている隙に自らも仮眠を取るというサイクルで過ごす日々。

実母には育児に関して特に手伝ってもらう必要がなかったので、簡単な掃除や料理、買い物を頼んだり、筆者の「赤ちゃん以外の話し相手が欲しい!」というフラストレーションを解消してもらっていました。

実母が実家に帰り、家族3人暮らしとなっても何も変わらず仕事に励んでいた夫。ワンオペ育児の大変さを実感し、夫に育児参加を求めつつも筆者はそこまで夫の手が必要になるタイミングはなく、「仕事を一生懸命してくれているのだからもう仕方ない。保育園に入れるまでは1人で頑張ろう」と孤軍奮闘できていたのです。

こうした、「ワンオペだけど夫の手がなくてもなんとかなる」という感覚は、息子がハイハイを始めていよいよ目が離せなくなってきた生後半年過ぎくらいまで続きました。

ミルクか母乳か、子どもの性質によっても状況は変わる

なぜそう思えていたのか、今振り返ると完全母乳でミルク不要だったからというのが大きな要因でしょう。当時、完全ミルクだった友達からは「うちは夜勤(夜中に起きて夜泣き対応をしたりミルクを作って授乳したりすることの意味)を交代でやっているから睡眠不足にならずに助かってるよ」という話も聞いていました。

羨ましいなと思いつつも、完全母乳の場合はやはり乳児期は母親がつきっきりでお世話をしなくてはいけないからと、諦めがついていました。これがミルクを飲ませていたならば、「母乳じゃないんだから手伝って当然なのに」と思っていたかもしれません。

また息子は生まれた直後から比較的大人しく、いわゆる“育てやすい”タイプの子どもでした。母乳もガブガブ飲み、吐き戻しや下痢といったこちらが不安になる様子を見せることもほとんどなく、お腹いっぱいになったらすぐにスヤスヤ眠り、グズっても抱っこをすればそのうち泣き止み、毎日の夜泣きも3時間~4時間おきだったので筆者自身の睡眠時間も確保できていました。

そうした息子の性質もあって、「夫が家にいないともうダメだ!」という状態まで追い詰められる瞬間がなかったのかもしれません。

もちろん産後のワンオペ育児は本当に大変。できることなら育休を取ってもらって夫にも育児を手伝ってもらうことがベストです。

しかし、その中身を紐解いてみると、“産後における夫の必要度”は母乳なのかミルクなのか、子どもの生活リズムや睡眠時間、個人差などが多分に影響するものなのだろうと思います。また筆者は、子育てスタートタイミングに約10日間というほどよい日数を実母が手伝ってくれたからというのもあるでしょう。

夫に育児に集中してほしいのは保育園入園後の今

むしろ、筆者が本当に夫に育児時間を割いてほしいのは今です。保育園に入れてからほぼ毎日そう思っています。

18時にお迎えに行ってから21時に寝かしつけるまでの怒涛のタイムスケジュールをこなす平日、熱が出てお迎え要請の電話が来た時に筆者に代わって仕事を切り上げてお迎えに行ってほしいとき、たまの土日には自分が羽根を伸ばして友達とランチするため数時間でいいから子どものお世話をしてほしいとき…。

相変わらず激務な夫は息子が1歳半になった今でも保育園の送迎はもちろん、休みの日に息子を数時間預けることさえできません。なぜなら1年半のワンオペ育児生活によって、息子はすっかり「ママじゃなきゃダメ」状態になっているからです。ワンオペ育児の大変さは、子どもが大きくなればなるほどダイレクトに母親に響いてくるものなのでしょう。今こそ夫に「息子の母離れ」を目指して育児に集中してもらいたいところですが、希望は薄いです。

そして筆者のように、「夫には育休を取って生後数カ月間だけがっつりと育児に関わるよりも、保育園に入れた後こそ早く家に帰れたり、お迎え要請の時に早退してくれたりする方が助かる」という妻は少なくないのではないでしょうか。

「育休」のみに焦点が当たると、“とっただけ育休”に?

先日、ママ向けアプリ「ママリ」を提供するコネヒト株式会社が行った調査では、育休中の夫の32.3%が1日あたりの育児時間が2時間以下だったとして、“とるだけ育休”というワードが注目を集めました。一方、政府は2020年までに男性の育休取得率を13%とすることを目標としています。まるで「男性の育児=育休」とでも言わんばかりに育休にのみ焦点が当てられていることには少し疑問を抱いています。

男性が育休を取ることや育休中の育児時間を伸ばすことはとても大事であることは間違いありません。しかし、そもそも育休を取ることで育児の大変さを理解できるとはあまり思えません。育児とは乳児期だけではないからです。

育休期間だけ育児を頑張って、育休が明ければまた仕事や趣味に没頭して育児参加しないケースもあり得るはず。会社側からは男性育休の実績作りとして利用され、自分自身も「俺は育休をとったから育児をしたんだ!」という、その後の育児放棄の免罪符となる“とっただけ育休”になりかねないのではないかと危惧してしまいます。

小泉進次郎氏も“とっただけ育休”にならないように、育休明けの育児参加をどのように発信していくのか期待したいところです。

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