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新型コロナウイルス感染拡大が生む差別~日本人への”もう1つのリスク”とは

LIMO / 2020年2月5日 20時40分

新型コロナウイルス感染拡大が生む差別~日本人への”もう1つのリスク”とは

新型コロナウイルス感染拡大が生む差別~日本人への”もう1つのリスク”とは

中国共産党は2月3日、拡大する新型コロナウイルス感染症について、自らの対応に誤りがあったと初めて認めた。

これまでに感染者は中国国内で1万7000人を超え、死者数は361人に増えており、2002年から2003年に流行したSARSによる死者数349人をついに超えることになった。

感染拡大が止まらないことから、オーストラリアやニュージーランド、米国、フィリピン、シンガポール、モンゴルは、中国からの全面入国拒否(自国民は除く)を決定し、北朝鮮やロシア、ベトナムやインドネシアなどは中国と結ぶ鉄道や航空便を停止している。

世界各地で顕在化する中国人、アジア系への排斥

今回の感染拡大は各国で新たな対立を生んでいる。

東南アジアのベトナムでは、「中国人は来るな」、「中国人の入店はお断り」など、中国人の来店を拒否する張り紙を出す店も一部で見られ、押し寄せる経済力と南シナの問題で反中感情が多いベトナムでは、新型コロナがこれまでの対立に拍車を掛ける恐れがある。

韓国では、旅行で訪れる中国人に対する警戒心が市民の間で拡がり、中国人の入国を停止するべきだとして、既に市民60万人以上の「中国人入国禁止」を求める署名が大統領府に集まったという。韓国政府は2日、関係閣僚会議を開催し、今月4日から湖北省に滞在してきた外国人の入国を禁止する決定を下した。

昨年6月以降、北京や香港政府への抗議デモが続く香港では、今回のことが新たな反発の起爆剤となる恐れがある。市民の間では、新型コロナウイルスに対する香港政府への不満が広がっており、深センとの国境を完全に封鎖し、中国人の流入を停止せよ!と求める香港人の声が高まっている。背景には、香港の高度な医療を求めて、中国人が押し寄せてくるという警戒感があるという。

そして、フランスでは、アジア系への差別や嫌がらせが増えているという。パリなどでは、「お前は感染している」、「近づくな」といった罵声や嫌がらせも発生し、現地に住む中国系フランス人への風当たりも強まっているという。

日本人にとっての”もう1つのリスク”

新型コロナウイルスの感染拡大は新たな対立を生んでいる。だが、日本人へのリスクという視点から考えると、アジア系への差別や暴力は大きな問題だろう。

同じアジア系であれば、日本人か中国人、韓国人を区別できることは多い。しかし、非アジアの世界、たとえば、アフリカや欧州の人々がそれを見分けることができるだろうか。

現地の多くの人の判断材料は、おそらく、髪の毛が黒い、目が黒い、肌が黄色いくらいであろう。同じアジア系ということで意図的ではないにしても、現地に滞在する日本人が差別や暴力に巻き込まれる可能性もあることには注意が必要だ。

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