3人の女性が「おひとりさま」になったワケ~「生活」「お金」「家」の不安の考え方~
LIMO / 2020年2月12日 19時15分
![3人の女性が「おひとりさま」になったワケ~「生活」「お金」「家」の不安の考え方~](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_15926_0-small.jpg)
3人の女性が「おひとりさま」になったワケ~「生活」「お金」「家」の不安の考え方~
「おひとりさま」――もともとは飲食店などを一人で訪れる顧客をこう呼びましたが、最近は「結婚しない人生を選んだ人」をさすポジティブな意味合いが定着した感があります。
「おひとりさま」を自ら選ぶ人も増えている一方、「結果的に『おひとりさま』になっていた」という人も。
ここでは3人の女性がなぜ「おひとりさま」になったのか、その理由をご紹介し、「おひとりさま」の不安の解消方法について考えていきます。
「おひとりさま」ってどれくらいいるの?
集英社の「情報・知識&オピニオン imidas(https://imidas.jp/ryuko/detail/N-05-1-609-06.html)」によると、ジャーナリストの故・岩下久美子さんが、「おひとりさま向上委員会(1999年設立)」で「一人の時間を楽しむ自立した女性のあり方」として「おひとりさま」を提唱して以来、ポピュラーになったようです。
まず、下のグラフをごらんください。(グラフ「50歳時の未婚割合の推移」参照)
拡大する(/mwimgs/3/b/-/img_3bffee38834dc41b02d31c22d630d90344325.png)
50歳時の未婚割合の推移(国立社会保障・人口問題研究所の資料をもとに編集部作成)
このデータによると、2015年、50歳の時に結婚歴が一度もない人の割合は女性で14.06%、男性で23.37%。1990年以降、男性のほうが高い傾向は変わりませんが、男女ともに右肩上がりです。
背景には、仕事を持つ女性が増えたことなどが考えられますが、女性には女性特有の不安がつきもの。特にお金の面で不安を抱える人が多い印象があります。男性に比べて収入が低い傾向があるうえ長寿なのですから当然です。
次は、「気づいたらおひとりさまに…」という、3人の女性の経験談です。
ケースバイケースで見た「私がおひとりさまになったワケ」
「理想が高すぎて婚活に失敗」Aさん(42歳)の場合
「専業主婦願望があり、『結婚相手は年収1,000万円くらい』と考えていました。ルックスにはこだわっていないし、分相応のつもりでしたが…なぜか相手は見つかりません。
友人に相談すると、『理想が高すぎる』と言われました。『今どき共働きが主流だし、それじゃ結婚できないよ』と。
これがフツーだと思っていた結婚観が、実は世間とはズレていたのだと気づいた頃にはすでに手遅れでした…」
「価値観の違いで離婚」Bさん(36歳)の場合
「大学時代のサークルで知り合った彼は趣味が全く同じでした。この人となら楽しい毎日が送れると思いました。しかし結婚してみたら生活スタイルも金銭感覚も正反対。
決定打となったのは子どものこと。私はすぐにでも欲しかったのに、夫はいらないと考えていたのですね。
結婚には同じ生活観が大事だとわかり、話し合って離婚しました。他人と生活を共にするということが見えていない私には、まだ再婚など考えられません」
「親離れ・子離れができなくて…」Cさん(50歳)の場合
「父が早くに亡くなり、母との2人暮らしが長かった私。社会人になって一度は実家を出たものの、母が心配で戻ってきました。
彼氏がいた時期もありましたが、その度母は『結婚したら寂しくなる』と泣き言をもらす始末。結局彼氏も離れていきました。
最近母が亡くなりました。仕事と介護の両立はハードでしたが、後悔はしていません。
でも気が付けばもう50歳。もうおひとりさま決定なのでしょうね…」
「おひとりさま」女性が早めに準備を始めたい、3つの大切なコト
事情は人それぞれですが、一人で生きていくことになった女性たち。夫や子どもがいない生活は、気楽な部分がある反面、不安も多いはず。そこで、安心に老後を迎えるために、今からできることを考えていきましょう。
LIFE~老後はどのように過ごしたいのかをイメージする~
まずは、今後の自分の生活をイメージしてみましょう。漠然としたものではなく、毎日の生活を具体的に思い浮かべると計画を立てやすいです。
住居費がかからない実家などでのんびりと生活するなら、今より安い生活費も大丈夫かもしれません。しかし、住宅購入や海外旅行を考えていたり、遠い将来に施設への入所などを考えたりしているなら、それなりの資金が必要です。
MONEY~この先の必要額をシュミレーションする~
まず、今の生活と照らし合わせ老後の生活費の予想を立てます。その上で何歳ごろまで生きるかをイメージすれば、およその必要額がわかります。
総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支(https://www.stat.go.jp/data/kakei/2018np/gaikyo/pdf/gk02.pdf)」によると、高齢単身無職世帯(60歳以上の単身無職世帯)の可処分所得は月11万933円、消費支出は月14万9,603円となっています。
毎月3万8,000円が赤字となりますので、年間約46万円の貯蓄があると安心でしょう。65歳で定年退職する場合は、90歳までなら約1,160万円、100歳までを想定すると約1,600万円の貯蓄が必要だと考えておいた方が良いでしょう。
次は「貯め方」。一番無難なのは銀行などへの預貯金でしょう。給与天引きなどを利用した先取り貯金で、若いうちからコツコツ貯める習慣をつけましょう。
また、投資・運用でお金を育てるという方法もアリでしょう。株や投資信託などは、リスクはあるものの、普通の預貯金よりも大きく利益を出せる可能性も。iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)などの税制優遇はビギナー向けといえますので、貯蓄の方法として検討してみてもよいですね。
「自己投資」で自分の内面を磨くことも、長い目で見るとプラスになる可能性があります。資格習得やジム通いなどは、長い目で見るとキャリアアップや健康維持に繋がったり、そこでの人脈が孤独を乗り切るきっかけとなったりするかもしれません。
HOME~老後の「住まい」を考える~
そして、生活の基盤となる「住居」。
持ち家や実家であった場合、リフォーム代を確保しておく必要があります。「1人で住んでいるのに、部屋数が多くて掃除が行き届かない」と維持・管理に苦労してしまう場合は、1人住まいに合った住宅を探しておくのも良いでしょう。
賃貸暮らしの場合は、高齢になってからの物件住宅探しは、家賃滞納や孤独死などを懸念され、入居審査に通りにくいという話をよく耳にします。そのため、おひとりさまを覚悟したのであれば早めに老後の住居を確保しておくのも良いでしょう。小さめの間取りなら分譲マンションなどに手が届きやすいかもしれません。
また、今後は賃貸でもシニア向けのサービスが充実している住まいがもっと出てくる可能性もあります。ただ高齢者人口は今後も増加傾向であることが予想されていますので、入居するのに苦労しないように早めに情報収集をすると良いでしょう。
収入や貯蓄額と相談しながら、理想の住まい探しをしたいですね。
まとめ
「結婚願望はあるけれど…」という人だけでなく、自ら生涯独身を選ぶ女性も増えている時代。「おひとりさま」の人生を少し心細く感じるときもあるかもしれませんが、それ以上に一人だからこそ味わえる楽しみや充実感もあるはずです。
若いうちから老後を見据えた準備を始めましょう。
【参考】
「おひとりさま(https://imidas.jp/ryuko/detail/N-05-1-609-06.html)」集英社「情報・知識&オピニオン imidas」 時事用語事典
「家計調査報告(家計収支編)Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支(https://www.stat.go.jp/data/kakei/2018np/gaikyo/pdf/gk02.pdf)」総務省統計局
人口統計資料集「性別,50歳時の未婚割合,有配偶割合,死別割合および離別割合:1920~2015年」(http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/P_Detail2019.asp?fname=T06-23.htm&title1=%87Y%81D%8C%8B%8D%A5%81E%97%A3%8D%A5%81E%94z%8B%F4%8A%D6%8CW%95%CA%90l%8C%FB&title2=%95%5C%82U%81%7C23+%90%AB%95%CA%2C50%8D%CE%8E%9E%82%CC%96%A2%8D%A5%8A%84%8D%87%2C%97L%94z%8B%F4%8A%84%8D%87%2C%8E%80%95%CA%8A%84%8D%87%82%A8%82%E6%82%D1%97%A3%95%CA%8A%84%8D%87%81F1920%81%602015%94N)国立社会保障・人口問題研究所
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
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