学資保険で本当に十分? 子どもにかかる教育資金はどう貯めればいいのか
LIMO / 2020年2月15日 20時20分
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学資保険で本当に十分? 子どもにかかる教育資金はどう貯めればいいのか
最近は子ども一人当たりにかける教育費が高くなりつつある、というニュースを耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。少子化で子どもが少なくなった分、一人の子どもにお金をかける親が増えているということでしょう。
私立に入れたい、あの有名な塾に入れたい、などと考えている人もいると思います。では、子どもにかかる教育資金はどう貯めていけばいいのでしょうか。子どもができたら学資保険、と漠然と思っている人もいると思いますが、それだけで足りるのでしょうか。今回は、教育資金の貯め方と学資保険の活用方法について見ていきます。
学資保険だけでは足りないことも
そもそも、学資保険に入ったからといって、それだけで教育資金は十分なのでしょうか。結論から言えば、十分とは言えないでしょう。理由としては、単純に「受け取れる総額 < 教育資金総額」となることが多いからです。
もちろん学資保険で受け取れる金額を増やすことはできます。しかし、そうすると毎月の保険料がその分高くなります。払込期間が10年だったり14年だったりと、本格的に子どもにお金がかかるようにならないうちに払い込みを終わらせられる学資保険も多いですが、「子どもにお金がかからない時期 = 親も若く所得がまだそれほど多くない時期」でもあります。そのため、保険料があまりに高いと家計の破綻を招きかねません。
また、子どもがすべて公立学校であれば学資保険だけで賄うこともできるかもしれませんが、私立に行けば教育費は跳ね上がります。大学で医学部や薬学部などに進めばさらにお金がかかりますし、進学費用だけでなく部活や塾などのお金もかかってきます。すべてを学資保険で賄おうと考えるのはほぼ不可能に近いと言えるでしょう。
学資保険を使うべき人、使うべきではない人
また、学資保険を使うべき人と、学資保険を使うべきではない人がいます。基本的には、多くの人が「学資保険を使うべき人」、もしくは「学資保険を利用したときのメリットがデメリットを上回ることが多い人」に該当すると思います。
たとえば、学資保険を使うべきではないのは以下のような人です。
すでに子どもの教育資金については準備できている
学資保険以外の方法で運用しようと考えている
毎月の家計がすでに赤字でこれ以上の負担が増やせない
お金は銀行に預ける以外、考えられない
一方、学資保険を使うべきなのは以下のような人です。
自分で毎月教育資金を積み立てていくのが困難
家計が苦しくなったら、貯金からついお金を抜いてしまう
そしてこれ以外の人は、「学資保険のデメリット < メリット」になると思います。
たまに、お金を銀行以外に預けるなんてありえない、何かあるかもしれないから銀行以外は信用できない、という主義の人もいます。そういう人は無理をして学資保険を使う必要はありません。
また、株や投資信託、不動産投資などで教育資金を貯めようと考えている人も学資保険を利用してしまうと投資資金がなくなってしまいます。
ただ、そもそも学資保険のように必要となるタイミングが明確に決まっているお金を、あまりに振れ幅の大きい金融商品の運用で貯めようとするのはちょっと不安が残りますね。マーケットがタイミングよく上昇基調のときであればいいのですが、大不況に陥ってお金が必要なときにお金がない…なんてことになりかねません。
学資保険で貯める意味とは
学資保険で教育資金を貯める一番の意味は、学資保険の貯金機能ではなく、保険機能です。多くの人が学資保険の返戻率を見るのですが、一番の意味はそこではありません。返戻率も確かに大事で、100%を下回る学資保険を利用することはオススメできません。
しかし、学資保険でもっとも大事なのは、保護者に何かあったときにその後の保険料の払い込みが免除されて保険金を受け取れるということです。これは、預金でも株でも投信でも享受できない最大のメリットです。万が一の出来事だからこそ、慎重に備えたいですよね。
また、学資保険で教育資金を貯める場合、生命保険料控除の対象となることもあるため、節税効果を得られることもあるのです。ほかにも保険に加入していると控除対象額上限の関係で、教育資金単体で見ると節税効果がなくなることもありますが、預金の場合は金利に対して20%前後の税金が引かれることを考えると節税効果は魅力的です。
学資保険以外に教育資金を貯める方法
それでもやはり、学資保険以外の方法でも教育資金を貯めておく必要があります。スタンダードに預金で教育資金を貯めるというのもいいでしょう。
ただ、教育資金を貯めるという目的単体で考えるのではなく、「貯金」という大きな枠組みを俯瞰的に見て、「老後資金の貯金」「マイホームのための貯金」「子どもの教育資金のための貯金」などに分類することを考えましょう。すべてを丸めて「貯金」としてお金を貯めようとすると目的意識が持てずにモチベーションが上がらない、本当に必要なタイミングで本当に必要な金額が準備できないなどの事態になるおそれがあります。
できれば、用途別に預金口座を分けたり、貯める手段を変えたりするといいですね。たとえば老後資金なら個人型確定拠出年金のiDeCo、マイホームなら財形住宅貯蓄、教育資金は銀行預金、などと決めてしまうのです。これなら、用途別にお金が貯まる受け皿が異なるので混ざりませんし、iDeCoや財形住宅貯蓄はその用途以外に使えないので必要なタイミングまでに必要な金額を着実に貯めることができます。
最後に、ジュニアNISAを活用する方法もあります。未成年が対象のジュニアNISAでは、年間80万円分の非課税投資枠から得られた譲渡益、分配金・配当金に対して、税金が非課税になります。また、18歳まで払い出しができないので、確実に貯めることができるのも特徴です。
まとめ
ついつい学資保険頼りになってしまう教育資金ですが、いくつかの方法を組み合わせることでより効率よく、節税効果を享受しながら貯めることも可能です。また、教育資金を貯めるということを切り口に、全体的な貯金についても見直してみるチャンスかもしれません。ぜひ今の家計を見直しつつ、将来必要になるお金のことを考えてみてくださいね。
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