過干渉の「プチ毒親」に育てられた私…子育てへの影響は?
LIMO / 2020年2月21日 10時45分
![過干渉の「プチ毒親」に育てられた私…子育てへの影響は?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_15965_0-small.jpg)
過干渉の「プチ毒親」に育てられた私…子育てへの影響は?
子どもにとって毒になる親という意味の「毒親」。「毒」の正体は、子どもへの過干渉や暴力、ネグレクト(無視・養育放棄)などです。
自分の親が毒親かどうかなんて、幼い子どもにはわかりません。だんだんと成長するにつれ視野が広がり、「あれ?うちの親って他と違うな」と感じ始めるでしょう。しかしそのときには、毒親の監視下から逃げ出せなくなっている…。今回はそんな毒親について考えていきます。
どんな親が「毒親」なの?
毒親とは、アメリカでグループセラピストやインストラクターなどを務めていたスーザン・フォワードが自著のタイトルとした『毒になる親(原題:Toxic Parents)(http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000193526)』が日本で略して使われるようになった言葉で、子どもに対して過干渉や過剰なコントロール、暴力・暴言、ネグレクトなどをする親を意味します。
中でも、気づかないうちに毒親になってしまいやすいのが、過干渉やコントロールしたがるタイプの毒親。具体的な例を挙げると「子どもの進路を親が決める」「友だち関係に口を出す」「あなたにはこれは無理だからとやめさせる」などです。
子どものためと言いながら、いつの間にかあなたも毒親予備軍になっていたりはしませんか?
振り返ってみれば、筆者の母親も「プチ毒親」でした。過干渉や厳しいコントロールの下で育てられたことが今なら分かります。なにかしようとすると「危ないからダメ」、少し帰宅時間が遅くなると学校に電話をかけられるというようなことが多々ありました。
いつも言われるのは、「あなたのことが心配だから」「あなたは私の言う通りにしていれば幸せになる」という言葉。「うちの親は愛情深いから」「わたしのことを心配してくれているから」と思っていましたが、結局は子どもが親の囲いの中から飛び出さないように管理されていたのです。
幼い頃から過干渉やコントロールにさらされていると、親からいろいろ言われないように、とにかく「良い子」になろうとします。
大学時代、友だちから「親との約束破って外泊してみれば?」と言われたときも「いや、そのあとが面倒だからしない」と返答しました。
面倒というより、毒親の囲いから飛び出る勇気がなかったのです。また親から呪文のように繰り返された言葉が心の深部に潜在し、罪悪感を抱きたくないために大学生になってもなお必死に親の言いつけを守ろうとしていたのかもしれません。
毒親に育てられるとどうなる?
一般的に言われているのは、毒親に育てられると極端に従順になるとか、逆に反抗的になるといったもの。そのほかに自己肯定感が低い、何事も我慢しがち、自分で物事を決められないなどとも言われています。メンタルの不調や良好な人間関係をうまく築けず生きづらさを抱える場合もあります。
筆者の場合は、とにかくプチ毒親の呪縛から逃げようと、社会人になったのを機に家を出て親と距離を作りました。ひとり暮らしをすると宣言してからは毎日喧嘩です。断念するという選択肢も持ちかけられましたが、あきらめず説得することで許可を得たのです。
それまでは子どもと自分は一つの同じ人格であるとまで思っていた母でしたが、物理的な距離をとったことで少しずつ気持ちの面でも子離れができたように思います。
自分が親になって感じた「プチ毒親」の教訓
その後もいろいろと母ともめることはありましたが、今自分が親になって感じることがあります。それは、行き過ぎた愛情表現ではあるけれど、子どものことを必死で守ろうと心配して育ててくれたのだということ。
プチ毒親に育てられたので、自分の子どもには自由にのびのびと育ってほしいという思いがあります。しかし時折、過干渉やコントロール欲求が出てしまうのも事実。そのたびに「今のは本当に子どものためだったかな?」「自分の満足のために押し付けなかったかな?」と自分に問いかけます。
誰しも完璧な親はいないのだからと自分を励まし、一旦立ち止まり修正しつつ、子どもの成長の芽をつぶさないように見守れる親を目指しています。
毒親の影響から脱出するためには
毒親からの影響を脱するための有効手段として、主に3つが考えられます。
距離をおく
友だちや恋人などに親への不満を話す
カウンセリングを受ける
筆者のように、距離をおくことで親の子どもへの依存度が減り、関係が良好になることもあります。また信頼できる人に話すことは、自分のストレスを軽減することにつながります。ただ、信頼できる親しい人だからこそ、話すことに抵抗を感じることがあるかもしれませんね。
その場合は、プロのカウンセリングを受ける方がよいでしょう。これまで見えていなかった問題点がわかり、改善へ向けた冷静な視点からのサポートが得られると思います。
まとめ
過干渉やコントロールをする毒親にならないためには、子どもは自分とは違う人格であること、親は日頃は見守りいざというときに助ける立場なのだということを、頭に刻み込んでおくことが必要なのかもしれません。
また、いつも親が先手を打って子どもを保護していると、子どもが自立できず社会に押しつぶされてしまうことにもなりかねません。大切な子どもだからこそ、親がいなくてもひとりでしっかり生きていけるように育てることが重要ではないでしょうか。
【参考】
NHK・クローズアップ現代「毒親って!? 親子関係どうすれば…(https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4272/index.html)」
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