「多様性を認める=ワガママが通る」ではない! 子どもに教えるべき多様性とは?
LIMO / 2020年2月22日 19時45分
「多様性を認める=ワガママが通る」ではない! 子どもに教えるべき多様性とは?
親が我が子に対する願いのひとつ、それが「多様性を認められる寛容な心を持ってほしい」というもの。いろいろな人たちの価値観や生き様を受け入れることができ、同時に本人も受け入れてもらって、豊かな人生を歩んでほしい。
「みんなちがって、みんないい」の精神で生きることができたなら、それは素晴らしいこと。それは確かにそうなのですが…。
多様性っていったい何?
まずは「多様性」というの言葉の意味を今一度確認してみましょう。手元にある『大辞泉』には、多様性とは「色々な種類や傾向のものがあること。変化に富むこと」とあります。
働き方の多様性、価値観の多様性、多様性が求められる社会…さまざまな場面で目にする「多様性」という言葉。はっきりとした意味はわからなくても、「違う価値観を持つ相手のことも尊重できるようになってほしい」という意味で「多様性を受け入れられる子どもになってほしい」と考えている方は多いのではないでしょうか。
「さまざまな価値観を認められる」ということは、自分の価値観も認めることができるということ。つまり、自分の存在も他人の存在も肯定できる、他者への偏見や差別がない寛容な心を持つことです。
アンデルセン童話の「みにくいアヒルの子」のように、子どもたちのいじめも「みんなとちょっと違う…」をきっかけに始まることが多い、と聞きます。
「あの子だけカバンの形が違う」
「あの子だけ先生にたくさん褒められている」
「あの子だけちょっと話し方が違う」…
大人から見ると取るに足らないことでも、当の子どもたちにとっては大問題なのでしょう。
現に筆者の知り合いでも「みんなの輪に入れないといじめにつながるから、子どもたちの間で話題になっているYouTubeを見せたり、みんなが持っているゲームは買い与えたりしている」という人がいて、「そこまでしなければならないのか」と驚いたことがあります。
その点、子どもたちが多様性を尊重することができれば、そのようないじめや差別はなくなり、みんな安心して暮らすことができるでしょう。
それって本当に「多様性」なの?
しかし、中には「多様性を受け入れよう」という考えを自分の都合のいいように解釈して、子育ての中で実践している人がいるようです。
小学校5年生の男の子の母、Aさんがこんなエピソードを話してくれました。
──息子の同級生に、結構自由な子育てをしているお家があって…。その子はうちの息子のことが大好きらしく、休日には朝の8時から我が家に遊びに来て、夜はいくら促しても「うちは大丈夫だから」と遅くまで帰ろうとしない。いい加減腹が立ってその子のお家に「うちは門限が5時なんです。なので5時には息子さんも帰っていただきます」と伝えたら「うちには門限がないんです。でも息子はお宅のお子さんと遊びたがっているから、もう少し遅くまで遊ばせてあげてほしい」という返答!
「いえ、5時の門限を守ってもらいたいので、息子さんにも5時には帰ってもらいたい。朝も我が家のリズムがあるので、せめて遊びに来るのは10時以降にしてほしい。それが守れないのなら遊ばせることはできません」と強く伝えたら、そんな難しく考えなくても…いろいろな家族のルールがあるのだから、多様性を受け入れるべき、みたいなことを言われて…。思わず「多様性」という言葉の意味を調べましたよ──
また、別のお母さんからはこんなエピソードも。
──小6の娘のクラスに絶対宿題をしてこない子がいるらしいんです。その子いわく「学校の宿題よりも塾の勉強のほうが意味があるからって、両親が言っている」って。確かにその子は成績優秀。でも、「価値観は人それぞれだ」って子どもが言っていたと聞くと、なんだか釈然としなくて…。これは価値観云々より、ただのワガママでは?と思ってしまう私は古い人間なんですかね?──
まとめ
「多様性」という言葉を都合よく解釈してしまうと、自分の価値観を他人に押し付けるだけ…つまり「ワガママ」になってしまいます。
「多様性を認める」ということは、決して「自分の価値観を他人に押し付けてもいい」ということではなく、自分とは異なる価値観の人を「あぁ、そういう考え方の人もいるんだ」と認め、時には譲り合ってお互いが納得できる着地点を見つけることだと思うのです。
子どもが学校にいる間であれば、まず「学校生活でのルール」という基本を踏まえ、その上でいろいろな意見や考え方に触れ、自分の経験や視野を広めていくことが大切なのではないでしょうか。「多様性」という言葉がひとり歩きし、無秩序や不寛容の隠れミノになってしまうことのないように、と心から願う筆者でした。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ホスピス医が語る「人生最後の日」に人が望むもの 「この世を去る」前に気持ちの変化が訪れる
東洋経済オンライン / 2024年9月15日 16時0分
-
子どもの部活やスポーツはどこまで頑張らせる? 「勝利至上主義」の世界で生きる子を支えるには
東洋経済オンライン / 2024年9月14日 9時0分
-
小4息子が不登校に…「心配より信頼を」追い詰められた母子を救ったカウンセラーの言葉に反響の声が続出の漫画『子どもが不登校になったのでいろんな人に頼ってみた。』作者インタビュー
集英社オンライン / 2024年8月31日 11時0分
-
「子どもができないのも、お前に問題がある!」うまくいかない事は、すべて妻のせいにするモラハラ夫
OTONA SALONE / 2024年8月30日 18時0分
-
「完璧な年下妻」と結ばれた彼が別れを選んだ理由 2つの離婚例で見る「夫婦にとって大切なもの」
東洋経済オンライン / 2024年8月29日 13時0分
ランキング
-
1ペーパードライバーの “迷惑運転行為”に、走行距離30万km超のゴールド免許所持者が怒りの告発
日刊SPA! / 2024年9月15日 15時52分
-
2ダウンタウン浜田雅功の“くちびる寿司”を食べてみた ユニークな見た目に笑ってしまう
オトナンサー / 2024年9月20日 23時10分
-
3東京都、018サポートで新たに134人への重複支給発覚 マイナ申請の照合設定に誤り
産経ニュース / 2024年9月20日 19時47分
-
4超一流パティシエも"満場一致"の大絶賛。「完璧」「これは本物」ローソンで食べるべき絶品スイーツとは。
東京バーゲンマニア / 2024年9月17日 18時46分
-
5メルカリで「マイナス評価」が1つでもあったら売れなくなる? 購入を敬遠される可能性も……
オールアバウト / 2024年9月20日 20時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください