「中高年専門パーソナルトレーナー」に見るストックビジネス化のヒント
LIMO / 2020年2月22日 20時20分
「中高年専門パーソナルトレーナー」に見るストックビジネス化のヒント
私には、より長く現役で働き、健康に生きられるよう「現役生命延長」をサポートしてくれる健康面のメンターがいます。そのメンターとは、枝光聖人トレーナーです。
枝光氏はパーソナルトレーナー業界では草分け的存在。彼が経営する中高年専門パーソナルトレーニングジム・心身健康倶楽部は、週刊ポスト2020年1月31日号で大手のトレーニングジム3社と並んで紹介される(https://www.shinshinkenkou.com/blog-azamino/azamino-blog/6699)ほどです。
その枝光トレーナーのもとに通うようになって4年目。最初は70キロを1、2回しか上げられなかったベンチプレスも、毎回100キロはいけるようになって、調子がいいと115キロにチャレンジしています。
最近もこんな会話がありました。
枝光:「大竹さん、100キロはもう大丈夫ですね」
私:「本当ですか!? たしかにこの間、2日で16時間立ちっぱなしで講義をして感じたのですが、疲れにくくなったんですよ」
20代からスポーツクラブ通いは3カ月と続かず、のべ5回も入会と退会を繰り返していた私がここまで変化できたということに、大きな価値を感じています。
そこで今回は、パーソナルトレーニングジムを、ストックビジネスを構築するための「ストック思考」で解読してみます。
パーソナルトレーニングジムとマッサージ店を比較してみる
ここで一つ質問です。皆さんはどうしてこんなにマッサージ店が増えたんだろうと思ったことありませんか?
マッサージサロンの市場規模は平成18年時点で2,153億円(出典:日本能率協会研究所「MDB市場情報レポート(マッサージサロン)(https://www.jmar-bi.com/report/00940I.html)」)。最近ではこの業界のことをリラクゼーションビジネスといいますが、ボディケア、リフレクソロジーとして2004年ころからブームになりました。
皆さんご存知のクイックマッサージは10分1000円が相場です。クイックマッサージは店舗も小さく出店コストもそれほどかからない。つまり参入障壁が低いので一気に数が増え、都心部では過当競争化していますね。
利用者は7:3の割合で女性が多いことから、普及の背景にはPC作業が増えたことなど、特に女性の働く環境が影響しているといわれています。
どうしてマッサージの話をしたかというと、パーソナルトレーニングジムの市場や特性を考えるとき、マシンジムより価格帯が近く、同じように1対1で施術するマッサージとの比較による気づきが多かったからです。
パーソナルトレーニングのことは知っていても経験した人はまだそう多くありません。だから価格を比較する機会もないし、比較するとしてもマシン中心の一般のスポーツジムとの比較になるでしょう。
一方、私はパーソナルトレーニングを丸3年続ける中で、あえて比較するならマッサージだと思ったわけです。
マイナスからゼロか、マイナスからプラスか
私が注目するのは、マッサージはマイナスからゼロのビジネス、パーソナルトレーニングはマイナスからプラスのビジネスということ。
マッサージは健康な状態から肩こりなどで不調(マイナス)になるから利用し、コリをほぐしてもと(ゼロ)に戻します。治れば通わなくなり、また不調になると来店する。
こういう場合、お客が店を再度訪れる指標は購買頻度で表現します。また、ストックビジネスではこのように良くなってやめるのを「卒業モデル」といいます。
ジムのトレーニングはというと、続ければ次第に筋肉も増え体力もつき、より健康体になっていきます。そして、一度改善した体の状態を維持しようと考えたときには、継続するという行為になります。
つまり、マイナスからゼロへの改善に取り組むと、改善することがゴールになり改善ができたら終了で、バイバイ。その時の支払いはスポットになるのでフロービジネスの要素が強くなります。
一方で、劣化していくものを防ぐには定期的なメンテナンスが必要です。だから定期的に通ってケアをする必要があるのですが、これだと出費が固定化されるので出費の負担感が継続率を左右します。
どちらがストック性が高いかといえば「劣化を防ぐ方」なので、マッサージよりもトレーニングジムのはずなのですが、「続かない人」が意外にも多い。 ストックビジネスがなかなか構築できない壁が存在します。
私が気になっているのはここです。 ここにビジネスヒントがあります。 本来は継続性が生まれやすい分野でありストックビジネスの要素が強いはずなのに、なぜかトレーニングが継続しない。
ではどうすれば継続するのか。継続さえすれば成果が出るので肉体は改善されて、疲れにくくなります。でもそうなる前になぜか継続できない人が多い。
ここで注目なのが「パーソナルトレーナー」の存在。前述の心身健康倶楽部のコンセプトにヒントがありそうです。
パーソナルトレーナーの価値
心身健康倶楽部は、中高年専門パーソナルトレーニングジムと謳っています。その目的は「現役生命延長」。長寿社会、定年後の健康寿命の長さが大切な人生100年時代の課題にピッタリですね。
そして、マシンではなくパーソナルトレーナーが「現役生命延長」にコミットする。ここに価値があるのですが、実はこのコンセプトは、私が3年前にストック思考でアドバイスしたことをふまえてできたものなのです。
普通のジムでは筋肉を付けることやダイエットが目的になりますが、中高年の潜在意識の中で本当に長期的に欲しいものは何か? それを実感しやすいコンセプトは何か? そこをとことん追求することがストックビジネス化のポイント。
肝心なのは、ストックビジネスになるということは「定額をもらうこと」ではなく、「そのサービスを受けている人が毎回、毎月、毎年、その価値を実感できている状態を作ること」なのです。
冒頭に記した私の実感…「本当ですか!? たしかにこの間、2日で16時間立ちっぱなしで講義をして感じたのですが、疲れにくくなったんですよ」。これを、皆さんのビジネスがストックビジネスになるヒントとしていただければ幸いです。
今回の記事の参考になるので、興味のある方はこちらの動画もご覧ください。「ストック成功の秘訣!パートナーになれ!(https://www.youtube.com/watch?v=caJOOnvsz_w)」(5分5秒)
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