「お小遣いがなくなった!」その時子供はどうする?「稼ぐ力」を養う「お金の教育」とは
LIMO / 2020年2月20日 19時15分
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「お小遣いがなくなった!」その時子供はどうする?「稼ぐ力」を養う「お金の教育」とは
子どものお小遣い事情は家庭によって差があるため、「何歳ならいくら渡すべき」とは一概に言い切れません。お小遣い制の導入を検討している家庭では、渡すタイミングや金額をどうすべきか悩む点も多いでしょう。
そこで今回は、子どものお小遣いに関するデータや渡し方のポイントを、マネー教育の面から考えていきましょう。すでにお小遣いを渡している方も、この先はどれくらい渡すことになるのか、渡す際のコツはどんな点か、などをチェックしてみてくださいね。
お小遣いの平均額は?
お小遣いに関する悩みの代表は、「いくら渡すべきか」「年齢によって金額を変えるべきか」といった内容でしょう。そこで、金融広報中央委員会が2015年12月~2016年3月に調査した「子どものくらしとお金に関する調査」(第3回)(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/kodomo_chosa/2015/) から子どものお小遣いの平均額(月1回の場合)をみてみましょう。
・小学校低学年 1,004円(中央値500円)
・小学校中学年 864円(中央値500円)
・小学校高学年 1,085円(中央値1,000円)
・中学生 2,536円(中央値2,000円)
・高校生 5,114円(中央値5,000円)
小学生のうちはせいぜい1,000円程度でおさまっていますが、中学生以上になると一気に金額が上がっています。教育費の負担が増える時期でもあるため、家計のやりくりが必要になってくるでしょう。
定額制にするメリットは?
先ほどのデータは、月に1回決まった額を渡している場合の平均額です。しかし、なかには渡すタイミングを定めず、必要に応じてその都度渡している家庭もあります。では、どちらの方法を選んでいる家庭が多いのでしょうか。
先ほどと同じ調査の結果によると、「月に1回定額を渡す」と回答している割合は、小学校低学年が13.4%、中学年が32.1%、高学年が45.0%となっています。学年が上がるごとに、定額制を導入している家庭が増えている様子がうかがえますね。
毎月一定の金額を渡すことで得られるメリットは、「家計の管理がしやすい」といった親側の事情だけではありません。子どもにとっても、お金の価値を学べるきっかけになるのです。
たとえば、「このおもちゃはお小遣いの1カ月分だ」「いま使い過ぎると、後で欲しいものが買えなくなる」とお金を大切に使う意識を養うことができます。両親の給料日と同じ日に設定しておき、「今日はパパも会社から給料をもらうよ」「1カ月働いてもらったお金だよ」などと伝えるのもいいですね。
また、「3カ月間貯金してゲームソフトを買おう」などと計画性を育むこともできます。貯金をする意味や、目標をクリアした達成感も学べるでしょう。
お小遣いが不足した時こそ、「稼ぐ力」「金融リテラシー」を養うとき
前述の「子どものくらしとお金に関する調査」(第3回)(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/kodomo_chosa/2015/) では、「お小遣いが不足した経験について」も調査しています。「ある」と回答した子どもは、小学生低学年・中学年が4割強、小学生高学年が約5割、中学生・高校生で5~6割となっています。多くの子どもが「お小遣いの不足」を経験しているようです。
その対応については、小学生と中学生・高校生では異なります。小学生は「買いたいものを、がまんする」が5割を超えており、次いで「お手伝いをして、「お小遣い」をもらう」が2割弱となっています。
一方、中学生・高校生は「次の「お小遣い」までがまんし、節約する」が3~4割でもっとも多く、次いで「貯めておいた「お小遣い」やお年玉などのお金を使う」が1~2割となっています。
低年齢の子どもは「がまんし、お手伝いをして稼ぐ」子どもが多いのに対して、中高生は「節約し、貯蓄を取り崩す」ことが多いようですね。
定額制のお小遣いにすると、確かに我慢や節約、貯蓄については学ぶ機会がありますが、「自ら稼ぐ」「借金をしてみる」という行為までには至らない子供が多いのかもしれません。
「お金がない」と思ったら、家の中で自分ができること、家族が困っていることを見つけ、「稼ぎだす力」を養うことも時には必要かもしれません。
また「借金」も家の中で体験させてあげるのも、お金の教育には必要だといえます。お金を返すのが遅れると利子がつき、どんどん金額が膨れ上がってしまう経験は、社会人になってからも役に立つでしょう。
まとめ
キャッシュレス化が急速に進み、子供たちはお金の価値や貯金の意味をイメージしにくくなっているのではないでしょうか。だからこそ、実際に現金を手にして、自分で使い方を考えて行動する体験が大切です。
もし衝動買いや無駄遣いをしそうだと感じたら、そっと「それは本当に欲しいもの?」「次のお小遣い日までにお金が足りなくなっちゃうよ」などと声をかけてあげるのもいいですね。
たとえ使い方を失敗したとしても、「次からは慎重に考えよう」と学ぶきっかけになるはず。また、お小遣いについての話題をきっかけにして、家族がお金についてオープンに話し合うことができれば、お金に対する意識はさらに高まるのではないでしょうか。
正しい金銭感覚は、お金やモノの大切さだけではなく、社会のしくみなどを知るためにとても大切です。お小遣い制度をうまく活用して、楽しいマネー教育をしていきましょう!
【参考】
「子どものくらしとお金に関する調査」(第3回)(https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/kodomo_chosa/2015/)金融広報中央委員会(知るぽると)
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