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改めて問い直す「気候変動」は何が問題なのか

LIMO / 2020年2月29日 20時20分

改めて問い直す「気候変動」は何が問題なのか

改めて問い直す「気候変動」は何が問題なのか

2020年1月21日~24日の4日間にわたってスイス・ダボスにて世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)が開催されました。テーマは「ステークホルダーがつくる、持続可能で結束した世界」。様々なトピックが取り上げられる中、2015年9月の国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)、同年12月に国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)で採択されたパリ協定の両方に共通する「気候変動」対策は大きな目玉の一つとなりました。

持続的な開発目標(SDGs)「13 気候変動に具体的な対策を」

温暖化する地球、想定されるシナリオとその影響

まず、国連の下部組織にあたる「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が2014年に公表した『IPCC第5次評価報告書(AR5)』によると、「気候システムの温暖化には疑う余地はない」、その上で「人間の影響が20世紀半ば以降に観測された温暖化の支配的な要因であった可能性が極めて高い(95%以上)」とのことです。

世界の平均気温は1880~2012年の過去42年間で0.85℃上昇しました。この気温上昇の半分以上は人間の活動による温室効果ガス濃度の増加等が原因とされています。人間の活動によって増加した主な温室効果ガスには、二酸化炭素(CO2)、メタン、一酸化窒素、フロン類等があり、その大半を化石燃料由来、森林減少や土地利用変化などによるCO2が占めています。

それではこのまま進むとどのような事態が生じてしまうのでしょうか。想定される最悪のケース、高位参照シナリオ(2100年における温室効果ガス排出量の最大排出量相当の予測に基づいたシナリオ)の場合、世界の平均気温は、1986~2005年の平均値を0.0℃とおくと、2081~2100年に最大4.8℃上昇すると予測されています。

この気温上昇が具体的にどのような影響を与えるか、世界の平均気温の上昇幅に応じて見ていきましょう。+1.0℃未満では暑熱や洪水など異常気象による被害の増加が懸念されます。これはもう現実に起こっていることです。

+1.0℃以上では、サンゴ礁や北極の海氷などのシステムに高いリスク、またマラリアなど熱帯の感染症の拡大。+2.0℃以上になると、作物の生産高が地域的に減少、また利用可能な水の減少が心配されます。

+3.0℃以上では、広範囲にわたって生物の多様性に損失が生じ、また大規模に氷床が消失して海面水位の上昇が懸念されます。そして、+4.0℃以上になると、多様な種の絶滅リスクが高まり、世界の食糧生産が危険に晒されるおそれがあります。

気候変動、温暖化を食い止めるために

この気候変動、地球温暖化を食い止めるためには、気温上昇の主たる要因の一つである人間の活動による温室効果ガスの排出削減の対策を講じることが必要不可欠です。具体的には、省エネルギー対策や再生可能エネルギーの普及拡大などが挙げられます。

ここで冒頭でも取り上げた2015年12月に国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)で採択されたパリ協定が話に上ります。パリ協定とは、2020年1月に本格実施された、1997年12月に採択された京都議定書に代わる温暖化対策の枠組みのことです。

このパリ協定では、世界共通の長期目標として「世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2.0℃未満に抑え、1.5℃未満を目指す。そのために、可能な限り早期に世界の温室効果ガス排出量を頭打ちにし、21世紀後半には温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる」ことが掲げられています。

パリ協定の最大の特徴の一つとして挙げられるのが、「加盟国すべてが自国の温室効果ガス削減目標の作成、提出および維持する義務、当該削減目標を達成するための国内対策をとる義務を負っている」ことです。ちなみに、日本は「2030年までに2013年比で温室効果ガス排出量を26.0%(2005年比では25.4%、1990年比では18.0%)削減する」としています。

気候変動対策にあたって日本の最大の問題点とは

このパリ協定における日本の目標は一部で「目標数字が低すぎるのではないか?」との声もあります。しかし、たとえばEUは2030年までに温室効果ガス排出量を2005年比で35.0%削減するとしていますが、2013年比では24.0%の削減に過ぎません。適正な比較をすれば日本の目標は他の加盟国に遜色ないことがわかります。

それよりも日本の最大の問題点といえるのは、そもそも国内全体においてこういった気候変動対策に対する関心が低いことにあるのではないでしょうか。

たとえば、SAP Qualtricsが行った世界人口の約76%を占める30ヵ国で10,500人以上の回答者を対象とした最新の調査によると、「環境保護は経済成長を鈍化させても優先すべきである」に日本で同意したのはわずかに20%。同意者の割合の多い上位5ヵ国を見るとインド58%、トルコ54%、バングラデシュ46%、英国44%、アルゼンチン42%と日本の倍以上の数字が並んでおり、またパリ協定からの離脱を表明している米国で33%と日本よりも10%以上高い数字になっています。

もちろん、上記の結果だけで一括りにして日本を批判するつもりはありません。ただ、前半部分でお伝えしたように気候変動、温暖化は地球規模で喫緊の課題であるだけに、当社としては少しでも日本国内の関心が高まるようにしていきたいと考えております。

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