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暗転した叔父一家の日常…家庭を一人で支える叔母の今後は?

LIMO / 2020年2月28日 10時45分

暗転した叔父一家の日常…家庭を一人で支える叔母の今後は?

暗転した叔父一家の日常…家庭を一人で支える叔母の今後は?

一見何の変哲もない家族でも、実は深い悩みを抱えている──ということは、意外と多いもの。あなたが知らないだけで、すぐ近くに大変な日々を過ごしている家庭が存在しているかもしれません。

今回は、筆者のごく身近な存在であった叔父一家にスポットを当てます。子どものころからよく知っているこの家族の実情を知ったときには、たいへん驚きました。自分の親族はみんなそこそこ平穏に暮らしているのだろう、という思い込みが大きく崩れた瞬間でした。

ごく普通の家族だった叔父一家

今回お話しする叔父の一家ですが、筆者が子どもだったころは、別段変わったところも感じられないふつうの家族でした。

夏休みや冬休みには、両家の子どもたちが集まってお泊りをしたり、BBQ大会を開いたり。お正月には両家勢ぞろいするのが恒例で、大人たちはお酒を飲みながら、子どもたちは外で凧揚げなどをしてそれぞれ楽しんでいました。他にも親戚がいましたが、特に叔父一家とは仲が良く、何かあればいつも一緒に過ごしていたような気がします。

筆者が中学生くらいになると、習い事と部活の両立で忙しくなり、会う機会は減っていきましたが、それでも年に数回は顔を合わせ、近況報告などをしあっていたものです。小さいころから一緒にいる時間が長かったせいか、会う機会が減っていっても、気心の知れた親密な距離感をずっと同じように感じていました。

しかしある日、叔父一家に深刻な問題が起きていることを、祖母との何気ないおしゃべりから突然知らされることになるのです。

叔父は家にひきこもり、長男は不登校に

筆者のうちでは、両親が共働きなこともあり、幼いころから身の回りの世話をメインでしてくれていたのは祖母でした。叔父一家の子どもたちが学校の長期休みで筆者宅にいるときも、食事の準備から身の回りの世話まですべて祖母がしてくれていました。そのため、筆者の家族も叔父の家族も、祖母には誰一人として頭が上がりませんでした。

しかし、誰もが頼りにしていた祖母が体調を崩しがちになり、入退院を繰り返すようになったころ、まるでそれが悪運の兆しででもあるかのように、叔父一家に暗雲が漂い始めたのでした。

叔父は仕事と趣味に一途な人でしたが、昔から職を転々とする“癖”がありました。一流企業に勤めていたにもかかわらず、上司の考え方や物の言い方などにいちいち腹を立て、そのたびに反抗的な態度を取っては仕事を辞める…。こんなことを繰り返すので、もともと家族は不安定な日々を送っていました。

それがこのころから叔父は次の求職活動さえせず、趣味へ没頭してしまうように。趣味以外のことでは家からも出ず、明らかに様子がおかしくなっていったのだそうです。趣味に取り組めていたこともあってまわりも気づかなかったのですが、のちに「うつ病」であると医師から診断され、しばらくすると自宅から出ることもできなくなり、収入はゼロになってしまいました。

時を同じくして、叔父の長男が大学受験に失敗。父と同じ大学に入ろうと一浪して予備校へ通い翌年に再受験したものの、希望通りの大学には入学できず。挫折感からか、わずか数カ月で不登校になってしまったのです。

長男は大学へ行けなくなったことを実の父親に告白できず、バレないよう日中は外で時間をつぶす日々を送っていたそう。実は長男がまだ幼かったころ、叔父は子どもたちと過ごす時間も犠牲にして趣味に熱中していました。長男は父との間に信頼関係をうまく築くことができず、自分が抱える困難を伝えられなかったのかもしれません。

そのまま4年の月日が過ぎ、その間に祖母は病気のため死去。祖母の葬儀には揃って現れた叔父一家でしたが、葬儀前後も会話はほとんどなく、こちらが困ってしまうほどでした。

叔父は息子が第一志望の大学を無事に合格したと、本気で思っている様子でした。家庭内のコミュニケーションはゼロ。筆者が一緒に楽しい時間を過ごし、親しんでいた叔父一家の面影は、そこにはありませんでした。

一馬力で家庭を支える叔母の将来が心配

叔父が最後に会社を辞めてから、収入を得ているのは叔母たった一人。長男は無就学から無就業へと移行したまま今日に至っています。一家には長女もいるのですが、その子は家庭が破綻しはじめたころ、まだ学生。生活費だけでなく学費もすべて叔母が工面して、無事、社会人として送り出しました。

正社員ではなく、契約社員として働きながら、カツカツの状態で家庭を支えている叔母。毎日自宅に帰ると、まともに会話すらできない叔父を相手しなければならず、筆者が簡単に想像できるような過酷さではなかったと思います。

叔母も年をとり、体力的にもキツくなっていると弱音を吐くことが増え、心配でしかたがありません。

「当たり前の日常」の脆さ

──自分だったらどうするだろう? もし、自分が同じような状況に直面したら、叔母のように気丈にがんばれるだろうか?

その答えは、安穏とした毎日の中でいくら考えても出せるものではないでしょう。表から見えていないだけで、こんな風にギリギリの状況で戦っている家庭が、実はたくさんあるのだと思います。

当たり前のように感じている日常は、いとも簡単に当たり前でなくなってしまう。そのことを忘れずにいようと思うのでした。

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