「インバウンド激減危機」は桜の開花時期に本格化? 新型肺炎が花見観光に与える打撃
LIMO / 2020年2月24日 11時0分
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「インバウンド激減危機」は桜の開花時期に本格化? 新型肺炎が花見観光に与える打撃
まだ2月だというのに例年にない暖かな日が続いています。そこで気になるのが桜(=ソメイヨシノ)の開花時期です。異常とも言える暖冬で今年の桜の開花予想はどうでしょうか。
ウェザーマップが公表する「さくら開花予想2020」によれば、今年は平年より大幅に早く咲く見込みで、記録的に早くなるところもあるようです。
東京と福岡の開花予想は3月21日、もうあと1か月
現時点での主な地域の開花予想日は、以下の通りです(2月20日時点)。カッコ内は昨年2019年の開花日を表しています。
福岡 3月15日(3月21日)
高知 3月17日(3月22日)
大阪 3月19日(3月27日)
名古屋 3月17日(3月22日)
東京 3月15日(3月21日)
新潟 3月27日(4月5日)
仙台 3月27日(4月5日)
札幌 4月24日(4月24日)
これだけを見ても、全国的な開花予想が相当に早まっていることがわかります。福岡と東京の3月15日は、現在では最も早い開花予想になっています。ちなみに、昨年全国で一番早い開花となった主要都市は、長崎の3月20日でした(沖縄地域を除く)。
訪日外国人観光客へ急速に人気が高まる「お花見」
ところで、日本伝統の春の行事である「お花見」は、近年は外国人にも大人気となっています。実際、欧米地域や一部アジア地域からの訪日観光客数の推移を見ると、3月と4月の訪日客の増加トレンドが強まっており、とりわけ、4月の増加が顕著になっています。
具体的に見てみましょう。以下に示すのは各地域からの訪日観光客数で、1年間(12カ月)に占める4月の構成比の2012年→2019年での変化、及び、同じ7年間における4月の平均増加率です。なお、カッコ内は年間合計(1~12月の平均増加率です。
欧州 9.9%→12.1%、+17.7%増(+14.4%増)
北米 9.1%→10.0%、+15.5%増(+13.9%増)
オセアニア 8.6%→11.2%、+21.3%増(+16.7%増)
アジア 9.3%→8.8%、+21.8%増(+22.8%増)
このように、欧米やオセアニア(主に豪州)からの訪日観光客数は、明らかに4月が他の月以上の大幅増加となっていることがわかります。この4月の大幅増加トレンドの理由は様々あるかもしれませんが、最大の牽引役の1つが「お花見」だということは容易に推測できましょう。
実際、日本の満開となった桜を見に行く観光ツアーは増加の一途を辿っています。これら地域の外国人は、日本の桜の開花時期が気になっているかもしれません。
一方で、訪日観光客で最大構成比(約86%)を誇るアジア地域では、この傾向が強くは見られていません。しかしながら、アジア諸国からの訪日観光客の傾向を見ると、4月は最需要月の1つ(残りは7月と12月)です。彼らの目的の1つが「お花見」であることも確かと言えましょう。
COVID-19の影響で外国人観光客は大激減へ
さて、そのインバウンド最大需要の1つでもある「お花見」ですが、今年は新型ウイルス肺炎(COVID-19)の影響により、大変厳しい状況に陥っています。
前述した開花予想に基づけば、満開のお花見シーズンは3月下旬~4月初旬となります。しかしながら、この時期にCOVID-19の影響が消失している可能性は極めて低いと言わざるを得ません。消失どころか、緩和されている可能性も低いでしょう。
そもそも、このお花見シーズンに訪日する外国人は、遅くとも2月中旬にはホテルや航空チケットの予約を入れるのが普通です。そうです、まさしく、本来ならば今現在が予約受付の最盛期なのです。この時期に予約を取らないならば、仮に、COVID-19の影響が奇跡的に消失したとしても、訪日は困難だと思われます。
“インバウンド激減危機”は桜の開花とともに本格化する
先般、中国の春節休暇による訪日観光客が激減して、日本国内のホテルなど宿泊施設、観光バス、飲食店等の様々な方面に多大な影響が出ました。小規模事業者の中には、経営危機に陥ったところも少なくないと聞きます。
しかし、訪日観光客の統計データから見れば、お花見シーズンの激減の影響の方がもっと大きいことが容易に推察できます。
決して不安を煽るわけではありませんが、2月上旬(春節休暇)のインバウンド激減はまだ“序の口”だと考えられます。“インバウンド激減危機”が本格化するのは、春の訪れを感じる桜の開花がその合図になると言えましょう。
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