60代前半女性の8割弱が「卒婚」肯定派? 卒婚の事前準備やルール決めとは
LIMO / 2020年2月22日 20時15分
60代前半女性の8割弱が「卒婚」肯定派? 卒婚の事前準備やルール決めとは
人生100年時代に突入し、老後の時間はますます長くなっています。子供達が自立し、定年退職を迎えた後のことを考えると、「2人で毎日家で生活するなんて苦痛…」と思ってしまう方もいるかもしれません。
「別に離婚するほどでもないけど、あれこれ干渉されたくない」と考えているなら、”卒婚”という方法もあります。今回は昨年12月にNHKの『あさイチ』で取り上げるなどして話題の卒婚について見ていきます。
卒婚と離婚はどう違うの?
卒婚とは、「離婚はしないけれど必要以上に配偶者に干渉しない」「自分のライフスタイルを自由に楽しむ」という夫婦のあり方です。最近では定年退職をきっかけに卒婚という道を選ぶ熟年夫婦が増えているといいます。
婚姻関係は継続するので、相続権はそのままで、子どもや親戚などに迷惑をかける心配がないことがメリットといえます。また、本人同士が納得しているのであれば家庭内別居という手段も取れるので、離婚ほどの負担もかかりません。
明治安田生活福祉研究所が2018年10月に発表した調査「人生100年時代の結婚に関する意識と実態(https://www.myri.co.jp/research/report/pdf/myilw_report_2018_04.pdf)」(全国の40~64歳の男女12,000人を対象)によると、60代前半の男性の61.4%、女性の78.7%が卒婚を「良い」「どちらかと言えば良い」と感じているそうです。
ただし、配偶者からDVを受けていたり、モラハラで精神的な苦痛が発生しているという場合は、離婚を選ぶ方が良いかもしれません。自分の置かれた状況を踏まえ、必要であれば子供や親戚などにも相談して離婚すべきなのか、卒婚で充分なのかを考える必要があるでしょう。
卒婚は老後資金の心配も少ない
先ほどの調査では、定年退職後に「離婚したい」と考えたことがある人は、子どもがいる既婚男性19.6%、子どもがいない既婚男性11.1%、子どもがいる既婚女性28.1%、子どもがいない既婚女性13.3%という結果でした。
しかし、実際に行動に移すのは勇気がいるものです。離婚後に年金分割できたとしても、一人暮らしをするのであれば老後資金が十分に確保できない不安が残ります。
別々の家を用意することになればその分の費用もかかります。もし、「お互い自分の人生を楽しみたい」という程度なら、卒婚の方が経済的には安心と言えそうです。
卒婚の事前準備とルール決めはどうする?
卒婚は、それぞれに収入があり、家事分担などもできていた夫婦ならスムーズに進めやすいでしょう。
しかし、料理や掃除などを妻に任せきりにしていた夫は、卒婚後は家事に困ることになりそうですし、妻が専業主婦だった場合は生活費を十分にもらえなくなる可能性もあり注意が必要です。
夫側は、料理や掃除に自信がないのであれば卒婚前に練習をする必要がありますし、身の回りの事を妻に任せきりにしていたのであれば大切なものの所在や事務手続きの方法をきちんと確認しておくことが大切です。
「どうしてもできない」ということであれば家事代行サービスを依頼するなどの準備をしておいた方が良いかもしれません。
妻側は、配偶者に生活費を出してもらうのならば、離婚をするときのようにあらかじめ財産分与をしておいた方が良いでしょう。
「家事をしないのに生活費を渡したくない」と言われる可能性もあるので、動ける内から「貯蓄をする」「仕事を見つける」などの準備をしておくと安心です。
また、同居を続けるのであれば、ゴミ出しや共有部の掃除などの家事分担についてもあらかじめしておくと卒婚後の生活で揉めることが少なくなるかと思われます。
さらに、いくらお互いを干渉しないとはいえ、何も言わずに何日も家を開けるとなれば心配させてしまうかもしれません。どこに行くとまでは言わずとも「いつ帰ってくるという報告はする」というような決め事をしておいた方がお互い気持ち良く生活できるのではないでしょうか。
おわりに
「子供が自立したら離婚をしたい」「定年退職を機に離婚したい」と思っても、現実的に熟年離婚を考えると相応の経済的負担がかかります。
それならば、婚姻関係は続けながらお互いを干渉しない「卒婚」をと考えている夫婦が多くなっているのが実情なのでしょう。もし卒婚を考えるのであれば、事前にきちんとルールを決め、トラブルなく暮らせるようにしてくださいね。
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