「私は家事ロボットじゃない!」家出した主婦、激動の3日間
LIMO / 2020年2月23日 21時15分
![「私は家事ロボットじゃない!」家出した主婦、激動の3日間](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_16125_0-small.jpg)
「私は家事ロボットじゃない!」家出した主婦、激動の3日間
家事や育児に疲れて、ふと「どこか遠くに行きたい」と思ってしまうことはありませんか?行くあてがなくても、とにかくここから逃げ出したい……そんな一心で、実際に家出をしたという主婦のSさんにお話をうかがいました。
義父の介護、夫のモラハラ……耐え切れず家を飛び出した
「夫は結婚当初から、家事に非協力的でした。私は専業主婦なので、家事をこなすことは問題ないんですが、夫が決めた細かいルールを守らないと不機嫌になるので、必死に頑張っているうちに少しずつ精神力も体力も消耗していったんです」
そう話してくれたSさん。それでも「夫の収入で生活しているのだから」と、夫のために尽くしてきたそうですが、同居していた義父が認知症と診断された時から、状況は悪化の一途をたどったといいます。
「義父の介護を他人に任せるのはおかしいと言われ、私が面倒を見ると言わざるを得ない状況でした」
これまで必死でこなしてきた家事に加えて、認知症の義父の介護。少し目を離している間に排泄物を壁に塗りつけられ、掃除に時間を取られて食事の準備が間に合わないこともあったそう。それでも夫は「お前は要領が悪いんだ」とSさんをなじるばかりで、ヘルパーやデイケアといったサービスの利用を拒否し続けたのだとか。
時間も体も足りず、家事に手が回らないことが増えると、夫の小言は次第に罵倒に変わっていったといいます。Sさんはどんどん追い詰められてしまったのでしょう。「まるで家事ロボットのように働き続けました。睡眠時間も減って、まともに頭も働かなくなって、自分でもよく分からないうちに家を飛び出していたんです」
所持金1,000円…公園のベンチで泣き続けた夜
「あてがあって家出したわけではありません。とにかく家から離れなくちゃと思ったんです。それ以外に何も考えていませんでした。半日歩き続けて、さすがに疲れてしまい、たまたま見つけた公園で休むことにしたんです」
この時、Sさんの所持品は咄嗟につかんできた財布のみ。Sさんの夫は「主婦に金を持たせると贅沢ばかりする」といって、必要な生活費以外のお金をSさんに渡すことはなかったそうです。そのため、Sさんの財布にはその日の買い物を切り詰めて浮かせた1,000円だけが入っていました。
コンビニでパンを買い、水飲み場の水を飲んで空腹を満たしたSさんでしたが、そんな自分の姿が哀れに思えてたまらず、公園のベンチでただただ泣き続けたのだとか。
夫からの「お前は一人で生きていけない」という呪い
ところがSさんはしばらく泣き続けると、なんだか妙にすっきりした気分になったといいます。「泣きじゃくって気づいたら、暗かった空が明るくなってきたんです。私、小銭しか入ってない財布と体ひとつで、どこだかよく分からない場所で一晩を明かしたんだなって思ったら、急に呪いが解けたような気がしました」
Sさんのいう「呪い」とは、夫が結婚当初から幾度となく口にしてきた「お前は一人で生きていけない」という言葉。夫の庇護がなければ生きていけない、だからこそ理不尽な要求にも従い、どんなことも我慢して完璧な主婦でいなければいけないと思い込んでいたと語るSさん。
「でも、外で一晩明かせるなら何だってできるんじゃないかって。そう思って公園を出てまた歩き出したら、私と同年代の女性がいろんなところで働いているのに気づいたんです。私だって本当は働けるし一人で生きていけるんだって思いました」
放浪してわかった「私の人生は私のもの!」モラハラ夫との決着
その後、結婚以来会うことのなかった古い友人宅を訪ねて事情を話し、一晩泊めてほしいと頼んだSさん。友人はSさんの話を聞いて「もっと早く相談してほしかった」と涙を流し、快く招き入れてくれたといいます。
「友人は引っ越し先が見つかるまで泊っていていいと言ってくれました。一緒にネットで物件を探しながら夜遅くまでおしゃべりしたりして、本当に久しぶりに心から笑えたんです」
翌朝、荷物を取りに自宅に帰ったSさんを夫の罵声が迎えましたが、怖いとは感じなかったそう。
「大声を出して女を支配したつもりになって、哀れな人だなと思いました。前日に用意した、記入済みの離婚届を突き付けて、自分の荷物と結婚前の貯金が入った通帳を持ってもう一度家を出ました。今度は家出じゃなくて、再出発のために」
離婚届を見てSさんの夫は「一人で生きていけると思っているのか」といつもの言葉を吐きかけましたが、Sさんの心は揺らがなかったそう。夫からのモラハラによって、家の中にしか向いていなかった意識が、家出することで外に向き、自分自身の人生を生きたいと思えるようになったのだと、Sさんは晴れやかな表情で語ります。
「でも、もし私と同じような状況で悩んでいる人がいたら、家出をする前に誰かに相談してほしいと思います。たまたま良い方向に転がっただけで、もしかしたらトラブルに巻き込まれていた可能性もありますから……」
家出が良い転機になったSさんですが、やはり安易に家出をすることはおすすめできないといいます。
「DV相談ナビ」に電話すると、DVやモラハラについての相談ができる窓口を紹介してもらうこともできるため、限界まで抱え込まずに相談機関を頼るのも良いでしょう。
参照:「DV相談ナビ(http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/dv_navi/)」(男女共同参画局)
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