自力で老後に備える「おひとりさま女性」の覚悟と3つの準備
LIMO / 2020年2月28日 18時15分
自力で老後に備える「おひとりさま女性」の覚悟と3つの準備
今では「おひとり様」という言葉も一般的となり、「1人カラオケ」や「1人旅行」が人気となるなど、女性の「おひとりさま」も人生の選択肢として当たり前になりつつあります。それでも老いを想像して、どのように備えていったら良いのか不安を抱える「おひとりさま女性」は多いのではないでしょうか。
自分が1人で生きていくとしたら、いくら必要なのか。どうやって用意していったらよいのか。今回は、「おひとりさま女性」の老後のお金について見ていきたいと思います。
「おひとりさまの老後」を意識した女性が行うべき準備とは?
「私は生涯独身で生きていく」と決めたら、今後の人生を考えて、それ相応の備えをする必要があります。女性の「おひとりさま老後」について、不安要素は「お金」「健康」「孤独」だといわれています。その中でもいちばんの不安はやはり「お金」の問題です。
女性のおひとりさまの場合、男性よりも一般的に平均給与が少ないため、年金・退職金もその影響が出てくる可能性が高いからです。実際に、おひとりさまの老後生活を送っている女性の実に7割もの人が「生活が苦しい」と感じているのだとか。退職金の減少傾向や、企業年金の削減など、日本は厳しい現実に直面しています。
自分の老後の姿を想像し、できるだけ早くライフプランを立てて必要な資金を把握していくことが重要になりそうです。「一生涯おひとりさま」の女性が、今からしておくべきことを学んでいきましょう。
[1] 老後に向けた貯蓄
一般的に老後の生活費は「今の生活費×0.7(もしくは0.8)」で計算すると言われています。だいたいの年間の生活費を算出したら、定年退職後に何年生きるかをイメージし、「年間の生活費×イメージした年数」で必要な金額を割り出してみましょう。
特に「あちこち旅行に行きたい」などの希望がある場合、多めに資金準備をしていく必要があります。また、「のんびり暮らせたらな」「歳を取ったら頃合いを見て退職しよう」というような、決して高望みではない場合でも、年金を含めた老後の生活費に不足はないでしょうか。安心して老後を過ごすために、具体的に必要な金額を計算してみましょう。
お金を貯める方法として最も一般的なのは金融機関に貯金する方法ですが、着実に貯めるためにも、勤務先の「財形貯蓄」制度など、給与天引きによる貯蓄を活用してみましょう。株や投資信託で運用する場合、貯金に比べて大きく利益が出る可能性もありますが、同時に元本割れのリスクもあります。
抵抗がなければ、貯蓄の中で枠を決めてチャレンジしてみてはいかがでしょうか。現在、NISAやiDeCoなど、税制優遇のある投資制度も登場しています。とくにボーナスは、貯蓄を一気に増やすチャンス!自分へのご褒美も用意しつつ、貯金用のお金もしっかり確保していきましょう。
[2] 住む場所の確保
女性の「おひとりさま老後」には、住居の確保は非常に大切なポイントとなります。というのも、一般的に高齢者が賃貸物件を探そうとすると、選択肢が限られることが多いからです。親から譲り受けた家がある場合は修繕費用や改築費の捻出を、そうではない場合は、終の棲家を意識した住居探しをしておくと安心です。
一生シングル生活をすると決めた女性の中にはマンションを購入する人もいます。ワンルームマンションでも十分に生活できますし、購入価格も自身の貯蓄と収入で賄えることが多く、防犯面や資産価値、大きな安心感も得られます。実際にマンションを購入してみてどうだったのか、おひとりさま宣言をしているAさんに話を聞いてみました。
「賃貸アパートの気楽さに慣れていましたが、老後を見据えてシングル世帯向けのマンションを購入しました。ローンの支払いは、以前の家賃と同じくらい。『自分の家が手に入った』という安心感は、非常に大きいものです。」
住宅ローンの重圧や固定資産税の支払い、管理等が必要となりますが、賃貸物件でも礼金や更新料が必要となります。トータルで考えると、老後の住まいを確保できるという安心感の方が勝るようです。
[3] 適切な金銭感覚
自分のお金を自由に使える独身の場合、日々の中でついご褒美や贅沢をしてしまいがち。しかし、収入に限界のある老後を想定した場合、正しい金銭感覚を維持するチャレンジも必要となります。家計の枠を決めてコツコツと工夫をしているBさんの事例を見てみましょう。
「いざ年金生活が始まっても今と同じような生活を送れるよう、『月に10万円以内で生活しよう』と心がけています。一人分の食事を作るのは非効率・面倒だと感じる人も多いのですが、あえて自炊メインです。図書館で料理の本を借りてレパートリーも増やしています。服やコスメなどは、欲しいものをリストアップして優先順位をつけておくと無駄使いを防げます。また、お菓子を控えるために、コンビニに立ち寄る回数を減らしてみました。天気の良い休日はウインドウショッピングしながら街歩きをして、健康面と情報収集を両立させています。」
しっかり財布のひもを締めながら、同時に充実した生活ぶりもうかがえるBさん。老後を迎えた瞬間、いきなり生活スタイルや金銭感覚を変えるのは難しいものです。今のうちから贅沢過ぎない生活スタイルを確立させておくと、老後も安定的に過ごせそうですね。
さいごに
おひとりさまの老後生活を安心して迎えるには、多くの備えが求められます。今後の住まいは確保できているか、いまの金銭感覚に問題がないか、老後資金は十分かなど、改めて今の状況を確認してみましょう。
「理想の老後生活」のイメージを膨らませていくと、「老後までにいくら貯めておく必要があるか」「今のうちにどのような環境を整えておくべきか」が掴めてくるはずです。安定して充実した生活は、今の暮らし方の延長線上に必ずありますよ。
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧日本郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
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