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欧米の極右テロ、日本人にもリスクになりうる排斥感情の強まり

LIMO / 2020年2月28日 20時35分

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欧米の極右テロ、日本人にもリスクになりうる排斥感情の強まり

極右テログループが跋扈するドイツ

ドイツを再び極右テロが襲った。

フランクフルトから東に20キロほどしか離れていない西部ヘッセン州の都市ハーナウで2月19日夜、シーシャバー(水タバコを喫煙する店)2カ所を狙った銃撃テロ事件があり、これまでに9人が死亡。死亡者の多くは、トルコ人やクルド系ドイツ人だった。

つまり、中東やアフリカからやってきた移民・難民を狙っていたということだ。犯人は1件目のシーシャバーを襲撃したのち、車で2件目のシーシャバーに移動し、そこでも銃を無差別に乱射した。

犯人はその後、自宅で母とともに遺体で発見された。自殺したとみられる。

ドイツ警察は2月15日にも、移民・難民の受け入れに賛成する政治家やイスラム教徒などを標的とするテロを計画していたとして、極右テログループのメンバー12人を各地で逮捕した。

12人はSNSなどで連絡を取り合うことで極右的なテロ組織を作り、豊富な資金や人脈を用いて組織の規模を拡大しようとしていたとされる。また、同組織は移民などに対し寛容な政策を取り続ける政府やドイツの民主主義体制そのものを打倒する目標を掲げていたという。

欧米各国で強まる”白人至上主義的”テロの脅威

しかし、ドイツだけでなく、米国や英国、フランスなど欧米各国では、イスラム過激派以上に極右テロへの警戒が強まっている。

19日の事件で、犯人の男は40代の白人のドイツ人(トビアス・R容疑者)で、事件前に移民や難民の排斥などを訴える人種差別的な動画やメッセージを残していたことから、地元警察はテロ事件として捜査している。

この男は動画の中で、イスラエルやエジプト、モロッコ、トルコ、イラン、インド、パキスタン、ベトナム、フィリピンなどの国々は破壊されなければならないと述べ、ゼノフォビア(外国人嫌い)的な考えを強調した。

しかし、今回の事件は、近年欧米世界で頻発する極右テロ、白人至上主義テロの1つに過ぎない。

この種のテロが大きな話題になったのは、昨年3月に発生したニュージーランド・クライストチャーチモスク銃撃テロ事件だ。

このテロでは、オーストラリア人のブレントン・タラント容疑者が金曜礼拝中のイスラム教徒が集まるモスクを襲撃し、イスラム教徒50人以上が殺害された。

同容疑者は、ドイツのテロの容疑者のように動画やメッセージをネット上に公開し、“白人の世界は移民難民に侵略されている”など白人至上主義的な考えを強調し、欧米世界の同調者、信奉者たちに攻撃を呼び掛けた。

これ以降、米国やノルウェーなどでも同様のテロ事件が発生している。

近年欧米世界で頻発するこの種のテロは、“反ユダヤ”、“反イスラム”、“反移民・難民”など、容疑者により重視するところは異なっても、“白人優位”、“排斥主義”という根本的なところは同じであり、ネットやSNSを通じて連絡を取り合い、ネットワークを構築し、連帯感や一体感など共同体意識を高めている。

新型コロナ感染拡大にも見られる排斥の動き

こういったテロの脅威では、邦人への直接的なリスクが高いわけではない。しかし、今回のドイツのテロ事件では、反ユダヤ、反イスラム、反移民・難民に加え、少なからずゼノフォビア的な意識も感じられた。要は、テロの対象となる標的の範囲が拡大されているのである。

昨今のコロナの問題にもあるように、各国における排斥的な流れは捉えておく必要があろう。

参考:『【新型コロナ】“日本は感染源国”というイメージ拡散の懸念~海外にいる日本人が標的になるリスク(https://limo.media/articles/-/16044)』

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