「普通に働いて普通に生活できる世の中に…」日々感じる生きづらさとは?
LIMO / 2020年3月5日 20時20分
「普通に働いて普通に生活できる世の中に…」日々感じる生きづらさとは?
日々の仕事や暮らしの中で、閉塞感やストレスを感じる人も多いのではないでしょうか。日本には日本のよさがあるのはもちろんのことですが、そう言ってばかりいられないのも事実です。今回は、4人のアラサー男女に、今の社会での生きづらさについて聞いてみました。
普通に働けば普通に生活できる世の中になってほしい
まずはウェブ系の企業に勤めるAさん。「普通に働けば普通の生活ができるような世の中に早くなってほしい。残業代がないと生きていけないなんてもう御免」と話します。
Aさんの企業は基本給が低いうえに人手不足でとにかく残業が多いのだと言います。納期に追われて毎日仕事をしていましたが、『働き方改革』の中で残業規制がなされたのだそう。
「残業時間だけ減らせと言って仕事は減らない、納期は延びない。もう社内の人間は疲弊しきっている。しかも給料が低いから残業しないと生活できない。効率よく働けと言うのは簡単だけど、それならそのための環境を作ったり、生産性向上に見合う給料を出してほしい。だったら効率化する動機にもなる」とAさんは言います。
毎日定時で上がったとしても問題なく生活できるのであればいいですが、そうでない会社も多いはず。仕事量が多く、そもそも残業しないとさばききれないという理由に加えて、残業代がないと普通の生活ができないという状況であれば、従業員が今より仕事を効率的に終わらせて早く帰ろうと頑張る気にはならないでしょう。
精神的な余裕がなくて他人にやさしくできない社会
次は現在第1子を抱えるBさん。「電車に乗るたびに精神が擦り切れてしまう」と嘆きます。
「出産前も感じていたけれど、みんな心に余裕がなくて他人にやさしくすることができない状況になってしまっているのが今の日本だと思う。子どもを連れて街中を歩くとき、それをより強く感じるようになった」と話してくれました。
「よくネットにも出ているけれど、電車に小さい子どもを連れて乗るなと言われたり、泣く子どもを抱えていると、あからさまに嫌な顔をされてしまう。保育園ですら、近所の方から『うるさい』と文句を言われると聞いて、悲しくなった。みんな疲れているんだと思う。そんな日本社会はなんとかしないと、と思う」というBさん。
日常の中で、イライラ、キリキリしている人が多いと感じることはあると思います。特に通勤電車でケンカが起こったり、ネットで中傷じみた言葉の応酬があるのは、そういう社会を反映しているのではないでしょうか。
心の余裕がないのは日本人が働きすぎからだと言われることもありますが、それは働き方改革で改善するものなのでしょうか。前出Aさんのように残業しないと生きていけないという人が少なくない日本では、働き方改革で日本全体に余裕が生まれるとは思えない、というのが正直なところではないでしょうか。
「会社に絶対服従」という価値観はなくなってほしい
続いてメーカー勤務のCさんです。「会社の言うことには絶対服従なのが見ていて嫌になる」と嘆きます。
「先日部長に『会社がどんなに非常識なことを言っても、不平不満を飲み込んで従うのが日本の社会人の仕事』って言われた。何それ? そんな仕事なんて勘弁してほしいと思った」とCさんは呆れ顔で笑います。
「組合も、最近はすっかり活動をしなくなっているみたい。会社が圧倒的に強い立場だし、利益優先で労働者の権利は二の次。雇用契約を交わしているのだから、対等な立場であるべきなんだけれど、会社が圧倒的に強い日本の社会って変わらないね」と話してくれました。
男女差別と闘っているのを見るのがツラい
最後は金融機関に勤めるDさん。最近SNSなどを賑わしている「男女差別」や「女性蔑視」の話題がニガテなのだと言います。
「女性の権利を大事にしてほしいという発言をする人が、多くの人たちから叩かれているのを見る。たとえば、男女別姓で、自分の苗字で結婚後も過ごす選択肢を増やしてほしいと言うだけで、めちゃくちゃ叩かれている。結婚後は必ず女性の姓にしてって言っているわけじゃないのに」と嘆きます。
「痴漢や女性専用車両の話もそう。痴漢されるような服を着ている方が悪いとか女性専用車両に乗るやつほどブスとか、容姿のことでアレコレ言われるのも女性のつらさだと感じる」とのこと。
「それは男性の中でもほんの一部で、会社の同僚男性なんかはそんなふうに思っていないだろうと思う。でも、SNSとかニュースメディアとかでそういう内容を見るのが苦手。目を背けたくなる。目を背けちゃいけない問題なんだろうけどね」とため息をついていました。
おわりに
今の日本社会はストレスフルだと感じる人も多いと思います。今回取り上げた不満は、日本社会に余裕がないことが原因の一つなのかもしれません。とげとげしい気持ちに満ちた社会では、性別にかかわらず生きづらくなってしまいます。みんなが快適に、格差なく暮らせる世の中になるといいですね。
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