新型コロナで思いがけず注目を浴びている「リモートワーク」という働き方
LIMO / 2020年3月4日 18時45分
新型コロナで思いがけず注目を浴びている「リモートワーク」という働き方
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴い、一時的に時差通勤やリモートワークの導入を表明する企業が増えています。今回の件で、思いがけずリモートワークを行うことになったという人も多いのではないでしょうか?
今回は、実際にリモートワークを行っている人たちに、そのメリットやデメリット、仕事をする上で気をつけている点について聞いてみました。
メリットだと感じる点は?
・「やはり、『通勤しなくてよいこと』が一番メリットだと感じます。現在、定例ミーティングのために月1~2回出勤日が設けられているのですが、その日は、自宅から会社までの移動に往復80分、社内での移動や準備に20分、また出社前のメイクや着替えにも30分ほどの時間がとられます。毎日通うということを考えれば、その時間で仕事ができるばかりでなく、好きな読書や映画も楽しむ時間も捻出できます。この時間の差は、ものすごく大きいと感じます。」(30代女性、独身)
・「うちはもう子供が大きいので過去の話にはなりますが…。子どもが保育園や幼稚園に行っている間に外で働くとなると、子どもが病気の時の預け先や対応に困る人が多いと思いますが、リモートワークをしていると、仕事には多少影響は出ますが、うちに限っては、そういった悩みはなかったです。調整さえすれば、仕事を休むことなく、子どもを迎えに行くことも、病院に連れていくこともできました。」(40代女性、既婚)
※自身の体験より。
・「会社が試験的にリモートワークを導入したのをきっかけに、週1~2回だけ出社。あとは自宅で作業をするというスタイルで働くようになりました。妻が、結婚前から勤務している会社で、まだ正社員として働いているのですが、子どもの病気のときはもちろん、妻側に負担がかかりやすいPTAや自治会の用事といったものも、夫婦で分担して対応できるので、共働きをするうえでとても助かると思ってくれているようです。」(30代男性、既婚)
やはり、「通勤にかかる時間を有効に使うことができる。」「子どもや家庭の用事に対応しやすい。」といった点が、大きなメリットといえるようです。
デメリットだと感じる点は?
・「銀行の入出金やちょっとした買い物、送迎など、家族にいろんな用事を気軽に頼まれます。手が離せないときは、『忙しい』と説明するようにしているのですが…。夫や子どもには『1日中家にいるから暇』もしくは『家事の合間に、ぱぱっとできる程度の仕事』と思われているみたいです。」(30代女性、既婚)
・「他のメンバーとの連絡手段がメールやチャットといったものになるのですが、込み入った案件など、密なやり取りが必要なときに、文章ではなかなか細かいニュアンスが伝わらず、四苦八苦するときがあります。直接話せば数分で済むのに、というやりとりが、文字だけで伝えるとなると何時間もかかることも…(笑)。
逆に、急いで返事が欲しいのに、相手は作業時間ではないからのか、全然返事をくれないという時もあります。リモートワークでは、お互いが見えない状態でのコミュニケーションの難しさを痛感することが多いですね。」(40代男性、既婚)
・「ずっと自宅にいるので、オンとオフの切り替えがうまくいかないときがあります。なかなか仕事が終わらず、気が付けば、寝ても覚めてもずっと仕事というときも。あと、こちらは店じまい、というつもりでも、他のメンバーが仕事をしていると、どんどん連絡が入ってきてしまって、結局対応せざるを得ないということもあります。通勤していれば、オフィスをでてしまえば業務終了、なんですが…。」(40代女性、既婚)
リモートワークのデメリットとしては、「家族の無理解」や「コミュニケーションの難しさ」といったものがあげられるようです。あと、メリットとして挙げられる「仕事をする時間が調整しやすい。」が裏目に出ると「気が付けば、ずっと仕事をしている。」状態になってしまうという側面もあるようですね。
仕事をする上での工夫は?
最後に、リモートワークを続けるうえで工夫している点がないか、聞いてみました。
・「できるだけ決まった時間に仕事をするようにしています。たとえば9時に開始、13時に昼ご飯、18時には撤収、といった具合。業務終了後は、相手に合わせていると、いつでも対応してもらえると思われてしまいますが、仕事の時間を決めてしまえば、相手も『この時間は仕事をしていないから』とできるだけ配慮してくれます。ちなみに、業務終了後は、夜にウォーキングをしたり、時間をかけて食事を作ったりして息抜きをします。こういう時間も、リモートワークをする上でのモチベーション維持には欠かせないものと思っています。」(30代女性、未婚)
・「自宅ばかりだと、どうしても集中が続かないので、コワーキングスペースや図書館も活用しながら仕事を続けています。」(40代男性、既婚)
・「リモートワークでのコミュニケーションには、『鈍感力』も必要だと思います。要は、、相手の言葉にいちいち反応しないようにするというか…。顔を合わせない、チャットやメールによる文字だけのコミュニケーションでは、相手にそれほどの攻撃心がなかったにしても、強く心に刺さる言葉が返ってくる時があります。また、逆に言葉が足りなさ過ぎて、相手に対して疑心暗鬼に陥ってしまうこともあるんです。でも、これをいちいち気にしていたら、このスタイルでの仕事はやっていけません。結局のところ、ある程度は自分の中で折り合いをつけて、処理できるように、ということなのかもしれません。」(40代女性、既婚)
まとめ
いかがでしたか?「時間が自由になる」「通勤がない」といった点が魅力のリモートワークですが、一方でコミュニケーションやオンオフの切り替えといった課題もあるようです。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)という意外な要因で、一時的な広がりを見せているリモートワークですが、たくさんの人がこういった働き方を経験することで、様々な課題が解決されるきっかけになれば、政府が進める働き方改革も一歩前進するのかもしれませんね。
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