人数制限がある「卒業式」だけではない…祖父母の過干渉問題
LIMO / 2020年3月6日 12時15分
人数制限がある「卒業式」だけではない…祖父母の過干渉問題
卒業式の季節となりましたが、残念ながら新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で縮小や中止が相次いでいます。親が今までの子育てをじっくり振り返れるはずの卒業式ですが、卒業式に参列する気満々の祖父母も時折います。参列できる保護者の人数制限がある卒業式は、祖父母にその旨を伝えるのも気が重いと思います。卒業式にとどまらず、孫育てに加担しすぎる祖父母の過干渉問題、果たしてどんな悩みがあるのでしょうか。
Aさんの場合:進学
子供の進路について、夫婦間で意見が一致しない家庭は案外多いものです。A子さん夫婦もその家庭の1つです。中学校から大学まで私立に通ったA子さんの旦那と、中学高校大学がオール公立だったA子さんの意見は合いません。夫婦で中学受験をするかしないかを相談していたところにA子さんの義父から注文が入りました。
「旦那の父が『お金は出してやるから私立中学に行け』だってさ…」子供は中学受験することになりました。受験校は旦那の出身校です。A子さんは、自分が通っていた中学校が学区内ということもあり、母校に通わせたいという思いがありましたが、旦那と義父で合意がなされ、A子さんの意見は聞き入れてもらえませんでした。
それ以前に、中学校に通うのはA子さんの子供です。そもそも本人の気持ちは一体どこに反映されているのでしょうか?
Bさんの場合:習い事
Bさんの父親は、学生時代は水泳部に所属し、国民体育大会(国体)に出るほどの成績のよさでした。Bさんの子供が保育園に入ると、さかんに「スイミングを習わせろ」とプッシュしてきます。Bさんの子供は保育園に通っていて、平日は親子ともタイトなスケジュールです。
のびのび育ってほしいし、休みの日は親子でゆっくりしたいので、習い事を詰め込みたくないのが本音です。仕方なく週1回のスイミングに通わせましたが、それでもBさんの父親は納得がいかない様子。「週1日じゃ、伸びないだろう!」と回数を増やすよう迫ります。
フルタイムで働いているBさんにとって、週1回スイミングに子供を連れて行くだけでも大仕事です。離れて暮らしているBさんの父親は、日々のスケジュールがどれだけタイトなのか?を知りません。気持ちばかり先行して、指示だけ出されるのは苦痛だとBさんは嘆いていました。
C子さんの場合:保育園
C子さんは、実の親と近居をしています。C子さんの母は、ずっと専業主婦で家族の世話をしてきた「良妻賢母」を絵に描いたような人です。C子さんは、働き始める時に実母から言われた「Aちゃん、保育園かわいそう…」という一言が引っかかっているそうです。
C子さんの実家は比較的所得の高い人が多い地域です。C子さんが子供のころ、近所のおばさんたちの井戸端会議で「Bちゃんは、保育園に通っているそうよ、かわいそうに」とウワサしているのを聞いたことがあります。そんな環境で育ったC子さんは、保育園に子供を預けることで後ろめたさを感じつつも、反面教師な気持ちもあり保育園に子供が0歳の時から預けて仕事をしています。
C子さんのお母さんから「お迎え行こうか?」「ご飯のおかず、持っていこうか?」というLINEがきても頼り切れず、とても複雑な心境だとC子さんは嘆いていました。
「子供も親も笑顔でいられる」を判断材料に
子育ての主体はあくまでも「親」です。子供が悪いことをしたときに責任が生じるもの「親」です。祖父母は代わりに責任を負ってくれません。
そんな祖父母も、昔は自分たちを育ててくれた「親」でした。でも、孫に関してはかわいさ故についつい甘やかしてしまいます。嫌われたくないので、いい顔をし続けます。お金も許せる範囲で出してくれます。ありがたい側面もありますが、時として親の意見の口封じの材料にもなります。「お金をもらっている」ということが「弱み」になるのです。
しかし、子供の親は「自分」です。独立した世帯なのですから、過干渉に「NO」という権利があります。「親がそう言っているからしょうがないか」という判断基準だと、うまくいかなかった時に「親のせい」になってしまいます。それでは親から自立していることになりません。祖父母の過干渉が当たり前で、自分達で判断できなくなっている夫婦がいるのもまた事実です。
自分たちが人の親となった以上、責任を持って判断することが大切です。もちろんアドバイスを受けるのは良いですが、最終的な判断の責任は親にあります。困った時には他人のサポートを受けるかどうかの判断をするのも親です。子供も親も笑顔でいられるためにどうしたらいいか?を判断材料に取捨選択していくことをお勧めします。
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