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「ネット証券の手数料無料化」で、投資ビギナーが誤解しがちな4つのコト

LIMO / 2020年3月8日 19時15分

「ネット証券の手数料無料化」で、投資ビギナーが誤解しがちな4つのコト

「ネット証券の手数料無料化」で、投資ビギナーが誤解しがちな4つのコト

資産運用がさらに身近になった今こそ、株デビューのチャンス

2019年12月から2020年1月にかけて、主要ネット証券が次々と売買手数料の無料化に踏み切りました。NISAやiDeCoなどの認知度も高まり、貯蓄から投資へ目を向ける人が増えた今、個人投資家と証券会社の関係はどのように変わってくるのでしょうか。

今回は投資ビギナーのみなさんが証券会社を選ぶ際のコツなども交えながら、投資デビューに役立つお話をしていきたいと思います。

証券会社への影響は?

証券会社における手数料とは、国内・外国株の現物取引手数料、国内株の信用取引手数料、投資信託の販売手数料をさします。これらをすべて無料、もしくは一定数の取引分を無料にするネット証券が増えています。

ネット証券は手数料収入が無くなるため、ほかの収入源を確保する必要に迫られています。証券会社の手数料以外の主な収入源は、信用取引における貸し付けで生ずる金利・貸株料、信託報酬、情報料、投資一任契約における管理手数料、金融資産に対するアドバイス料、資産運用の成功報酬、自己売買の収益などが挙げられます。

なかでも重要なのは、信託報酬、情報料、投資一任契約における管理手数料など毎月必ず発生する料金です。顧客が売買してもしなくても、利益をあげてもあげなくても収入になります。手数料が安いということだけが売りだったネット証券は、これらの収入を確保しなければいけません。この先数年でビジネスモデルを変換する事ができなければ、ネット証券の再編・統合が始まるでしょう

では、店舗を構え対面で営業している証券会社はどうなるのでしょうか。

手数料無料化は魅力なので、顧客がネット証券に流れる動きは強まるでしょう。
しかし、インターネットに不慣れだったり、豊富な情報量や営業マンのアドバイスに魅力を感じる個人投資家シニア世代の富裕層にまだまだ健在ですから、対面型証券はこの先も一定数の需要があるのではないでしょうか。

貯蓄から投資へと踏み出した人にありがちな勘違い

少額から始められ、さらに節税対策にもなるiDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)は、将来年金の支給額に不安を感じる世代に浸透しつつあるようです貯蓄から投資へとマインドが変わってきたことの表われですね

このような人たちにとって、ネット証券の手数料無料化は、株を始めとする金融商品への投資のハードルを下げることは間違いないでしょう。
そこで、株取引の初心者が陥りやすい投資のミスについて、いくつかの事例をご紹介しましょう。

ケースA「株主優待ばかり気になってしまう」

テレビや雑誌で「有名人の株主優待生活」や「魅力的な優待品」などの特集を見て、「優待」に関心を持った人も多いと思います。自社製品や商品券・割引券、ノベルティーグッズやカタログギフトなど高級プレゼントなど、企業側はあの手この手を使って株主を増やそうとしています。

しかし、株主優待ばかりに気を取られて、肝心の株価を気にせず買ってしまう人もいます。たった1,000円の商品券の優待をもらうために保有したのに、株価が下がって数万円ものマイナスが出てしまったら意味がないですよね。

客観的に見ると、1,000円をゲットするために数万円の損をしていることは合理的ではないとわかるのですが、優待狙いで持ち続けてしまう人が多いのも事実です。

「投資」の本来の意味を忘れないように、優待利回りも考慮していきましょう

ケースB「『持たざるリスク』を信じてしまう」

持たざるリスク――「相場がいいときに何も金融商品を持たないのはチャンスを逃している」という意味でよくテレビや新聞で目にします。しかし、これは個人投資家ではなく機関投資家に関して言われることなのです。

個人投資家には「いつまでに成果を出さなければならない」という期限がありませんよね。
でも、顧客の資産を預かる機関投資家は、常に成果を出し続けなければ商売になりません。

相場が良くほかのファンドが値上がりしているのに、自分のファンドだけ下落しているようだと、顧客は離れ、資金はほかのファンドに流れてしまいます。それを避けるためには1回1回のチャンスを確かにモノにすることが必要。

そこで「持たざるリスク」が意識されるのです。

個人投資家は、毎回すべてのチャンスをモノにする必要はなく、自分が乗れるときにだけ波に乗ればいいだけですし、ダメだと思えばすぐにやめればいいのです。

ケースC「株はキケンだけど、FXならやれるかも」

個人投資家の中でも特に若い人に多いのがこのタイプ。

「FXなら投資対象となる通貨に制限があって、株よりもずっと数が少ないし、値幅もそれほど大きくない。株は追証があって大変、FXはロスカットがあるから安心」と思っている人がいるようです。しかし、これは正しいとはいえません。

たとえば、FXで取引できる通貨ペアの組み合わせの数は、確かに株の銘柄の種類と比べれば少ないわけですが、だからといって値動きの要因が1つであるわけではありません。

ご存じのとおり、価格が動くのは需給の関係だけでなく、政治的なリスクがあったり戦争や災害があったりと、実に多くの要因で動くのです。それらをすべて把握することは難しいですよね。

また、FXにはロスカット(※1)という制度がありますが、ロスカットがあるからといって追加で証拠金を入れる必要がないかといえば、そうではありません。

相場が激しく動くときにはロスカットの価格で売買取引が成立せず、ずっと悪い価格で成立してしまうこともあります。その場合、証拠金では足りない損失額を追加で差し入れなければいけないのです。

その点、現物の株式であれば評価額が0円になることはあってもマイナスになることはありません。「追証(※2)」というのが必要になるのは「信用取引」だけであり、現物の株式だけを取引するなら0円になる可能性はありますが、追加でお金を入れる必要はないのです。

FXは簡単で損をしにくい、株は難しくて追証があって怖いというイメージは間違いですので、早めに意識を軌道修正しましょう。

※1 ロスカット
為替レートが下がり、ある一定レベルの損失に達したとき、さらなる損失を防ぐために強制的に行われる決済
※2 追証(おいしょう)
株の信用取引で、担保にした株が値下がったなどの場合に、証券会社に追加で差し入れる委託保証金。

ケースD「慣れないうちは営業マンに教えてもらいながら投資をしたほうがいい」

慣れないうちは誰かに教えてもらいたいと思う人も多いかもしれませんね。大口の個人投資家は証券会社に成功報酬やアドバイス料を払い、営業マンの助言を受けながら資産運用ができます。

しかし、初心者、かつ小口の投資家はそこまで「経費」をかけるわけにはいきませんよね。そんな場合には「四季報などで気になる企業の情報をチェックする」「証券会社のアナリストレポートを読む」「チャートの見方を覚える」などがオススメです。

やみくもに取引を始める前に十分なリサーチを行うことで、自分にあった投資スタイルを見つけやすくなるかもしれません。

ネット証券を比較して、賢いマネーライフを

ネット証券の手数料の無料化が進み、投資へのハードルが一段と下がった感がありますよね。

「この機会にぜひ投資を始めてみよう!」と思ったら、まずは証券会社選びから。自分に必要な情報が見やすく、取引プラットフォームが使いやすい証券会社がオススメです。

また、外国株やミニ株(単元未満株)の取り扱いがあるか、iDeCoやNISAの取扱ラインアップ、夜間取引ができるかどうか、などのサービス詳細を比較・検討してもよいですね。

さあ、自分の投資スタイルに合ったネット証券を味方につけて、賢いマネーライフを!

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

【参考URL】
※1「ロスカット(https://www.gaitame.com/beginner/loss.html)」外為ドットコム
※2「追証(https://www.smbcnikko.co.jp/products/stock/margin/knowledge/010.html)」SMBC日興証券

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