夫の転職後に待ち構えていた「転職貧困」裏に隠されていた邪な想い
LIMO / 2020年3月12日 19時45分
![夫の転職後に待ち構えていた「転職貧困」裏に隠されていた邪な想い](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_16370_0-small.jpg)
夫の転職後に待ち構えていた「転職貧困」裏に隠されていた邪な想い
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により各地で休校や休園という措置が取られている今。子どもをみるため仕事を休まなければならない親御さんも多いはず。そんな時に頭をよぎるのが、金銭面の不安。今回話を伺った百合さんも、そのひとり。ご主人の転職により、家計が苦しくなってしまったため、現在の状況を歯がゆく感じています。
夫の月給が30万から16万に激減
スキルアップや収入の増加など、転職にはどちらかというとポジティブなイメージがあるもの。しかし、当人にとって価値のある転職が必ずしも家族の幸せに繋がるとは限りません。
東京都に住む佐藤百合さん(35)は3歳年下の夫を持つ、2児のママ。現在は工場で契約社員として働いています。「学童に頼る日もありますが、やっぱり人が密集する場所は怖いので仕事を休んで子どもをみる日もあります。私は日給なので、正社員の主人に有給を使ってもらえたらと思うのですが、育児は完全に私任せ。夫の転職で家計が苦しくなったので、私も稼ぎたいのに…」
夫の賢治さんはもともと、内気な性格。大学卒業後に入社した食品加工工場で長年働いていました。当時の月収は夜勤こなすと、30万を超えることもあったそう。百合さんもパート勤務をしていたため、特に家計が厳しいと感じることはありませんでした。「生活費は主人の給料でなんとかなっていて、私の給料は子どもや自分の娯楽、貯金に回していました。」
しかし、周囲とのコミュニケーションが上手くとれず、賢治さんはいつしか社内で孤立。その結果、心を病んでしまい、転職を考えるように。転職時、百合さんへの相談はありましたが、すでに賢治さんの中では意志が固まっており「報告」のような形だったそう。「給料が20万くらいになると打ち明けられて正直不安はありましたが、苦しみが減るのなら仕方ないなって。私の勤務日数や勤務時間を増やしたり家計を切り詰めたりしようって思いました。」
転職後に夫が豹変…
ところが、転職後に待ち受けていたのは厳しすぎる現実。20万でも心もとないと思っていた月給でしたが、実際の手取りはなんと16万。どれだけ切りつめても貯金が難くなりました。そして、ある日、百合さんは賢治さんから「悪いんだけど、これからは百合のお金から少しだけ食費を出してくれない?」と相談されます。「家賃や光熱費は変わらず出してくれるとのことだったので少しくらいならいいかなと思ったんですが、甘かった。」
食費を出すようになって1ヶ月もすると賢治さんは、あからさまにお金を出すことを渋るようになっていきました。スーパーへ買い物へ行く時は財布を持たなくなり、「少しだけ」のはずだった食費はいつしか全額、百合さんが負担している状況に。「財布を持ってこないくせに、『アレ食べたい』と言ってカートに入れるし、子どものために買った食材も勝手に食べる。その無神経な態度にイライラしました」
その後も賢治さんの身勝手なケチっぷりは、更にエスカレート。子どもが学校で必要なものや日用品なども一切購入しなくなり、「俺はお金がないから」と言って、百合さんのお金に頼るようになっていきました。
たまには自分のものも購入したいし、貯金もしたい。そう思い、百合さんは賢治さんに食費の捻出が辛いと訴えたこともありますが、聞き入れてはもらえなかったそう。「『折半はいやだ』と拒絶され、話し合いにもなりませんでした。お金を出さない理由が貯金のためなら納得できるんですが、あの人は自分の娯楽にお金を回しているんです。」
実は賢治さん、転職してから頻繁に飲み会へ行くようになり、これまで興味を示さなかった趣味にも手を出し始めたのだとか。「もともと子育てに協力的でない人ですが、転職してからは余計に子どもの面倒を見なくなりました。休日も飲み会を入れたり、部屋にこもってこっそり買ったであろう新作ゲームに明け暮れたり…。この前はLINEでいきなり有料スタンプを使ってきて驚きました。そのお金をもっと違うことに使えないのかと。」
賢治さんのライフスタイルを聞いていると、百合さんに生活費を出させるようになった裏には給料が減ったという事実だけでなく、自分の娯楽費を増やしたいという邪な想いが隠れているように思えてしまいます。現代は夫側が生活費を全額負担するのが当たり前ではなくなってきていますが、生活費を出そうという想いが微塵も感じられないと、精神的に苦しくなってしまうもの。そして何より、お金を捻出するのが苦しいという訴えをたった1言でなかったことにされたという事実は百合さんの心の傷となったはずです。
金銭的不安と子どもへの想いで悩む日々
そうした状況を見かねた百合さんはパートをしていた工場で契約社員にしてもらい、夜勤もこなすように。「家で夫の顔を見ているより、職場にいたほうがマシだし家計の足しになるので、残業もこなします。働きに行けば、不安が和らぐような気もしますし。」
しかし、夜勤の時に子どもが「行かないで」と泣いて縋ってくる時は心苦しくなるよう。「できるなら、そばで一緒に眠ってあげたいけど、そうしていたら食べていけないし、私の心も不安で押しつぶされてしまうから…。」
そんな百合さんの心境も知らず、現在も賢治さんは自分のためにお金を使い続けているよう。独身のようなお金の使い方をしている賢治さんの目に今の百合さんの状況や子どもの姿は一体どう見えているのでしょうか―。
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