マンガも読もう!…子どもたちにマンガが教えてくれる大切なこと
LIMO / 2020年3月23日 10時45分
マンガも読もう!…子どもたちにマンガが教えてくれる大切なこと
「マンガは子どもに悪影響あるから、見せたくない!」と考えている保護者は多いもの。しかし、果たして本当にそうなのでしょうか…?
筆者は大の読書好き。マンガももちろん含みます。そしてもうすぐ9歳になる筆者の娘も本が大好き。当然マンガもよく読みます。娘が読んでいる小学生向けのマンガ雑誌やコミックをたまに筆者も読んでみるのですが、なかなかどうして、大人が読んでも面白いものがたくさん。
「マンガは子どもによくない!」なんて、決して一概には言えないのでは…と考える筆者です。
マンガのおかげで高得点!
学生時代の筆者は、お世辞にも勉強がよくできるとは言えませんでした。筆者の友人も勉強が得意!と公言できるタイプはおらず(と言うと語弊がありますが…)、試験前には四苦八苦している子ばかり。
特に世界史や日本史の授業は、先生の声が子守唄のように聞こえ…授業中に舟をこぎ、注意を受けたことも2度や3度ではありません。当然テストの点数は見るも無残なものでした。
しかし、そんな筆者がある日、世界史のテストでものすごくいい点数を取ったのです。
テストの内容はフランス革命。答案用紙を返す際、先生は苦笑しながら筆者にこう告げました。
「お前、『ベルサイユのばら』読んでるだろ」
小学生の時、父親に「これは名作だから読んでおいたほうがいい」とプレゼントされた『ベルサイユのばら』のコミックス。フランス革命前後のベルサイユを主な舞台に描かれたこの作品に夢中になった筆者は、何度となく繰り返し読んでいたのです。
小学生の時に出会ったマンガがよもや高校のテストで役に立つとは…筆者もびっくりした思い出です。
泣き虫から脱却!
続いて、筆者の娘のエピソードをご紹介しましょう。娘はとにかく泣き虫。どこかをほんの少しぶつけただけでも、まるで大ケガをしたかのように大げさに泣くのです。「さすがに泣き過ぎだろう…」と思っても、娘いわく「本当にものすごく痛いのだから仕方がない」とのこと。
そんな娘が小学1年生の時、外出中に何かにつまづき派手に転倒。ひざをしたたか擦りむき、大きな擦り傷をつくってしまいました。
今回ばかりは大人が見ても痛そうな傷。娘が大泣きしても無理はない…と思い「大丈夫?」と声をかけると、気丈にも「大丈夫」との返事。
娘の顔を見ると、目にいっぱい涙をためながらも唇を固く結び、必死に泣くまいとこらえているのです。
「痛いでしょう? 我慢しなくていいよ」と伝えると
「これから私の傷を治そうと血小板が頑張ってくれるから、私も頑張る」と言うのです。
当時娘が愛読していたのが『はたらく細胞』というマンガ。人間の体内の細胞を擬人化したキャラクターたちの日常を描いたヒット作です。このマンガを読んでから娘は細胞に興味を持ち始め、「NK細胞って〜」とか「マクロファージは〜」など、私たちが知らないような細胞の名前やその役割をすらすら話してくれるようになりました。
そして今回も、小さな女の子に擬人化された血小板が頑張って傷を修復してくれる様子を頭にイメージし、自分も痛みと頑張って戦わなきゃ…と思ったのだとか。
また、このマンガのおかげで、去年の暑い夏の時期に、娘は帽子をかぶったり、こまめに水分補給をしたりと熱中症対策を自ら進んで行ったのです。
娘いわく「熱中症になったら体の中の白血球や赤血球が苦しむから」。親が口うるさく言うよりも、一冊のマンガのほうが効果的だったのですから…いやはや何とも言えません。
人生とは何か?を考えるきっかけに
小説を読むメリットのひとつとして挙げられるのが、「別の人生を追体験することで自分の経験以上のものが得られる」ということ。しかし、これは何も小説に限ったことではなく、マンガであってもじゅうぶんにその体験は享受できるのです。
マンガを通してさまざまな生き方を知り、時に共感し、時に否定することは、子どもの心に豊かな感性を育んでくれると思います。さらに、登場人物のふとした仕草や表情で感情の動きを読み取り、心の機微がわかる人間になれるのではないか…と思うのです。
まとめ
マンガが子どもに悪影響を与える…という側面にばかりフォーカスするのは、あまりにも短絡的で寂しくないでしょうか。幼少期に見たり聞いたりしたものは、この先ずっと「宝物」として心の中に根付き、その後の人生に大きく影響します。
もしかしたら、あなたのお子さんが今読んでいる一冊のマンガが、その後の人生の指針となるかもしれません。
お子さんの人生観を変えた一冊が、日本が世界に誇る「COOL JAPAN」カルチャーのひとつ、「MANGA(マンガ)」だなんて、すごく素敵なことだと思いませんか?
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