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受験が「課金ゲーム」化してしまう親も…みんなの塾代はどれくらい?

LIMO / 2020年3月16日 19時15分

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受験が「課金ゲーム」化してしまう親も…みんなの塾代はどれくらい?

“サクラ咲ク”にもお金がかかる

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として、日本全国ほとんどの学校が休校措置をとることとなりました。
その一方で、多くの学校の選抜試験は、受験生への注意喚起や感染拡大の予防策などを取ったうえでほぼ予定通り実施されています。

つまり、受験は「待ったなし」。4月からの予備校や塾選びも先手先手で準備したいですよね。
そこで、今回はアンケートの集計結果などをもとに、大学受験のための塾や予備校といった「校外学習」にかかる費用についてみていきましょう。

高校生の学校外での学習費用、平均値はどのぐらい?

まずは、文部科学省が行ったアンケート調査『平成30年度子供の学習費調査の結果について(https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf)』の結果を見てみましょう。

私立高等学校(全日制)1年間の費用

学習費総額 :96万9,911円
【内訳】
学校教育費:71万9,051円
学校外活動費:25万860円(補助学習費(※)19.4万円

公立高等学校(全日制)1年間の費用

学習費総額:45万7,380円
【内訳】
学校教育費:28万487円
学校外活動費:17万6,893円(補助学習費14.8万円

学習塾や予備校にかかった費用は、上記の「学校外活動費」の中の「補助学習費」に分類されます。

ひと月あたりの平均は『公立』は約1.2万円、『私立』は約1.6万円という計算になりますね。

(※)「補助学習費」とは『平成30年度子供の学習費調査の結果について(https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf)』文部科学省(p.14より)
予習・復習・補習などの学校教育に関係する学習をするために支出した経費(各家庭での学習机や参考書等の購入費,家庭教師,通信添削等の通信教育,学習塾へ通うために支出した経費等

予備校の学費ってどれくらい?

前述の文部科学省の調査結果だけを見ると、「それほど高くはないのでは」と思った人もいらっしゃるでしょう。

しかし、実際のところ、塾や予備校ってそんなに安いものなのでしょうか?

ご参考までに、知名度高めの予備校について、インターネットで公開されている授業料等の情報をピックアップしてみました。

<高校3年生が受講する場合>

A予備校

・学期+講習会パック
(夏期講習、冬期講習ほか年間の授業がすべてセットになったパックプラン)…1講座につき約12万円
・フリーのプラン(年間に行われる講座の中から60コマ分を選択できるプラン)…約60万円(年間定額制)

B予備校

・科目別クラス授業、個別指導について全29回分。(テキスト代込み、諸経費別)
週1コマ受講…約12万円
週5コマ受講…約48万円
週10コマ受講…約65万円(週7コマ以上は20%割引)

予備校の場合、学校の長期休みにはレギュラー授業は休みとなり、「夏期講習」「冬期講習」などの特別授業が行われることがほとんど。例に挙げたA予備校は、この料金を含んでの金額となっていますが、多くの予備校の場合、特別授業は別料金となります。

また、学習の到達度を確認するために、定期的な模擬試験の受験が必須となる場合が多いです。基本的なものならば受講料に含まれていることもありますが、志望大学別やレベル別の模試のような、全員が受けるとは限らないものは、別料金となると思っておいたほうがよいでしょう。

こうしてみると、週1程度の受講であればほぼ平均値に近い金額となりますが、「毎日通う」「複数教科を受講する」などの場合、思いのほかお金がかかる…ということがわかります。
(代々木ゼミナール(https://www.yozemi.ac.jp/)や四谷学院(https://www.yotsuyagakuin.com/)の授業料を参考にさせていただきました)

お子さんにあったスタイルを

予備校や学習塾だけにスポットを当てて考えると、文部科学省の調査結果が現実とかけ離れた内容のようにも感じてしまう人もいらっしゃるかもしれません。

しかし、これはあくまでも『平均値』です。「予備校に多くお金をかけている家庭」がある一方で、「塾や予備校は最小限!」というケースもあるわけです。

例えば、お子さんの通う高校が進学校であった場合、普段の授業のレベルもそれなりに高いでので、自宅で計画的に勉強を進めることができさえすれば、わざわざ予備校や塾に通ってまで勉強をする必要性は低いかもしれません。

さらに、自己管理のできるお子さんであれば、通信講座やオンライン型の学習動画配信サービス、各予備校の映像講座など、自宅学習システムをベースにするという選択肢もあります。

通学型の予備校や塾に比べれば、かなり割安な費用で済ませることが可能です。オンデマンド学習が可能ですので、体調不良で欠席する心配もありませんし、反復学習にも有効であるといえます。

ただ、塾や予備校に通った場合のメリットもたくさんあります。

自習室が完備されている

環境の整った自習室が使える点は魅力的。「自宅以外のほうが、誘惑物が少なくて落ち着いて勉強ができる」というお子さんの場合は、伸ばしたい科目だけを厳選して受講し、講義以外の時間は自習室で勉強という方法で利用するという手もあります。

ライバルと切磋琢磨できる

同じ志を持つ仲間と、ライバル意識を持ちながら勉強ができる点は、自宅学習のみでは経験できないことでしょう。

きめ細かい入試情報を入手できる

予備校は入試のプロです。複雑で多様化する大学入試システムについても精通していますので、きめ細かい進路指導を受けることができるでしょう。

予備校や塾を含む「校外学習」は、お金をかければかけるだけ、よりよい勉強をするための環境を手に入れることができそうな気もしますが、お子さんの性格や学習スタイルに向いているかどうかは別問題です

同じように、安く済ませたいからと、自主学習のクセがついていないお子さんに、いきなり通信講座や映像講座などの自宅学習をしろといっても、効果は出にくいでしょう。
せっかくお金を払うのであれば「価格」だけで決めるのではなく、お子さんに合った方法を選びたいものです

まとめにかえて

いかがでしたか?「平均値」の低さにほっとしたものの、実際にかかる金額をシミュレーションすると「いや、やっぱり意外に高いかも」と感じた方も多いかもしれませんね。

「高い塾代を払えば、合格する可能性が上がる」と思い、子どもの受験が「課金ゲーム」化してしまう親もいるようです。高額な月謝が、知らぬ間に親の安心料になっている場合も。

対費用効果を考え、お子さんのタイプと親のフトコロ具合の折り合いをつけながら、よりよい方法を探していきたいですね。

【参考URL】
『平成30年度子供の学習費調査の結果について(https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf)』文部科学省
(※)「補助学習費」とは『平成30年度子供の学習費調査の結果について(https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf)(p14)』文部科学省

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