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リーマンショック以降最大級の株価暴落、資産形成層への精神的打撃は大きい!?

LIMO / 2020年3月14日 8時15分

リーマンショック以降最大級の株価暴落、資産形成層への精神的打撃は大きい!?

リーマンショック以降最大級の株価暴落、資産形成層への精神的打撃は大きい!?

今回はリーマンショック以降では最大級の株価暴落である

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大で世界経済が大打撃を受けるという懸念から、金融市場が大混乱に陥っています。特に、株式相場の大幅下落によって多額の損失を被った人が続出していると見られます。今回の急落を受けて、個人投資家はどう対応したらいいのかを考えてみます。

今回の株価急落は、「大暴落」という水準ではありませんが、十分に「暴落」と言えます。今回の株価暴落の始まりがいつなのか議論はあるでしょうが、たとえば日経平均株価で株式相場を振り返ってみると、わずか1カ月少し前の2月6日に付けたザラバ高値は23,995円でした。

その約5週間後の3月13日のザラバ安値は16,690円ですから、約▲7,300円下落。下落率にすると▲30%超と、滅多に見られない暴落であることは間違いありません。

ちなみに、2008~2009年に起きたリーマンショック時は1週間で▲24%下落しましたし、さらに昔の“ブラックマンデー”(1987年10月)は1日で▲15%の下落を記録しました。

株価指数でこれだけ下落したのですから、個別銘柄では同期間に半値近くまで下落したケースも少なくありません。また、今回は株式だけでなく、為替や原油など商品価格も大きく変動したのが特徴です。したがって、外貨預金や原油価格の派生金融商品等でも大きな損失を被った人が多いと推察されます。

日経平均株価の過去2年の推移

(/mwimgs/6/b/-/img_6b63e54a6fb8f8a15d1c1be7f02117cf90152.jpg)

拡大する(/mwimgs/6/b/-/img_6b63e54a6fb8f8a15d1c1be7f02117cf90152.jpg)

“2,000万円不足問題”で資産形成を始めた若年世代に打撃

今回の株価暴落で筆者が最も心配しているのは、まだ収入がさほど多くない若年層が多額の損失を被っているということです。特に、いわゆる“老後2,000万円不足問題”がクローズアップされた昨年夏以降、将来に向けた資産形成を始めたばかりという若年世代の精神的ダメージを深く憂慮せざるを得ない状況です。

細かい経緯や内容は省略しますが、老後2,000万円不足が問題となった時、“将来に向けて今から資産形成に励まないと大変なことになる”という強い危機感が醸成されたと考えられます。実際、全国各地で開催された資産形成セミナーや投資塾の類に出席する人は一気に激増したようです。

ここで誤解のないように言うと、筆者も各個人が資産形成に関心を持つことは大賛成ですし、絶対に必要だと思います。

ただ、一切の前提条件を吟味することなく“2,000万円不足”が独り歩きした結果、多くの若年層がある種の恐怖感を覚えたことは確かでしょう。そうした根拠のない危機感を感じて早急に資産形成に取り組み始めた直後、昨年秋から年末にかけて株式相場が大幅上昇となりました。

ザックリ言うと、8月末の20,500円が12月中旬に24,000円へと上昇し、始めたばかりの資産形成が順調だった人も多かったと推察されます。

しかしながら、どのような金融商品を購入したかにもよりますが、2,000万円不足問題がきっかけで資産形成を始めた人の中には、この半年間に投資した大切な資金が、今回の株価暴落により一気に半分以下に激減した人も少なくないはずです。

手持ちの余裕資金で始めた人は別として、いわゆる“働き方改革”で残業代が減り、結果的に収入減少を強いられている若年層は大きな精神的ショックを受けていると推察せざるを得ません。

定額の積立投資は今回の株価暴落と関係なく継続すべき

資産形成を始めるに際して、金融資産の価格変動リスクは承知していたと思われますが、暴落まで想定していた人がどれだけいたか疑問です。しかし、実際に暴落は起きてしまいました。資産形成を始めた人は今後どうすればいいのでしょうか?

まず、月々一定額(たとえば1万円とか3万円とか)で何らかの積立投資を行っている人は、今回の急落で動じる必要は一切ありません。基本的には、そのまま継続するべきと考えます。

こう書くと、“これだけ暴落したのに、続けていいのだろうか?”と思う人もいるでしょう。そこで思い出して欲しいのは、積立投資のメリットです。

今回のような暴落はそう頻繁に起きないとは思いますが、全ての金融商品(株式や外貨など)は必ず価格の変動を伴います。定額の積立投資は、それを何十年という長期間続けることで、取得価格が相当程度均一化されて資産が形成されますが、これこそ最大のメリットと言えましょう。

相場が上昇したから月々の投資金額を増やしたり、下落したから減らしたりするものではありません。ましてや、今回のような暴落に怯えて、積立投資自体を止めてしまうのは大いにもったいないことと考えます。

金融商品の内容は見直してリスクを引き下げるのが妥当

ただし、毎月購入する(投資する)金融商品の内訳は、今一度見直す必要があります。銀行預金以外の金融商品には、多かれ少なかれリスクが伴いますが、そのリスクは可能な限り引き下げるべきです。

具体的には、ハイイールド債や新興国通貨のウエイトは下げる、あるいはなくすことを推奨します。また、ETF(上場投資信託)を含めた個別株式に投資している人は、1銘柄への集中投資(購入)ではなく、可能ならば、タイプの異なる2~3銘柄に投資するのが望ましいと考えます。

トレードを行っている人は、ハイリスク手法を根本から見直そう

一方、月々の積立投資ではなく、相場の状況を見ながらトレード(株式の売買等)をして資産形成に励んでいる人も少なくないと思います。これは個々の取引状況次第ですが、今回の暴落で大きな痛手を被った人が多数と推察します。

前述した通り、今般の暴落はリーマンショック以降では最大級でしたから、信用取引のようなハイリスク手法を行っている人では、追証の払込みができずに自己破産の申請を余儀なくされた人も決して珍しくないはずです。もし、幸いにも自己破産等に追い込まれていないのならば、手遅れにならないうちに、根本から見直すことを強く勧めます。

筆者は、株式相場の急落は今後も必ず起きると考えます。今回ほどのマグニチュードではないかもしれないし、逆に、リーマンショック時のような激烈インパクトになる可能性もあります。間違っても“今回のような株価暴落はもう起きない”などと安易に考えないでください。

「今が絶好の買いチャンス!」には十分に注意を

さて、今回のような株価暴落時に必ず見聞きするのが「今が絶好の買いチャンスだ」という類の見解です。筆者も今回の株価暴落は、少なからず過剰反応であると考えており、早かれ遅かれ、どこかの時点で一定程度の反発が期待できると予想します。

しかし、反発するタイミングなど誰にも分かりません。実際、リーマンショック時の本格回復が始まったのは、発生から半年後(2009年3月半ば)でした。一方、長期化すると懸念された2018年末の急落相場は、年明け早々(2019年1月)に回復へ転じています。

今回の株価暴落を振り返ると、24,000円だった日経平均株価が22,000円へ下落した時、PBRが1倍の約20,700円へ下落した時、20,000円の大台を割り込んだ時、そして19,000円を割り込んだ時、必ずと言っていいほど“今は絶好の買い場”という見解が出てきました。

それどころか、24,000円の時ですら“まだ株価30,000円への過程に過ぎない”という主張があったくらいです。こうした見解を述べる人は、仮にそれが外れても基本的に責任を取りません。いつも知らん顔です。

一方で、暴落時は通常時よりも投資しやすくなることは確かです。ただ、暴落直後に投資する際は、まずは小金額・小ロットから始めるのが無難でしょう。

資産形成も投資の一つです。最後は全て自己責任であることを忘れずに取り組んでほしいと願います。

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