休校で子どもと家にこもりきり…「べき」「ねば」思考が強いと起きやすい負の連鎖
LIMO / 2020年3月17日 19時45分
休校で子どもと家にこもりきり…「べき」「ねば」思考が強いと起きやすい負の連鎖
子どもが起きてから寝るまでずっと子どもに振り回され、1度や2度では言うことを聞いてくれなくて、ついつい怒鳴ってしまう。そして、夜に子どもが寝静まった頃に自分を責めてしまう。このような負の連鎖は、子育てをしたことがある人ならば、一度や二度経験したことがあるでしょう。
特に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による一斉休校の影響で、子どもと家で過ごす時間が増えたことで、今また、この連鎖に入り込んでしまっている人も多いのではないでしょうか?今回は、この負の連鎖を断ち切るには、どうしたらよいかといった点について、考えてみましょう。
子どもは「支配」はしないで「しつけ」を行うことを意識する
子どもを叱ってしまうシーンを思い出してみてください、どのような場面だったでしょうか。信号が赤なのに周りを見ずに横断歩道を走って渡ろうとする子どもを叱ることや、おもちゃを壊してしまうようなことを止めないさいと注意することは、「叱る」とは違います。これは立派な「しつけ」です。子どもに万一の事が起きないように、また、今後のためを思って母親として子どもにメッセージを伝えているだけです。
一方、食事をこぼさずに食べるように言ったり、自分の言った通りに行動しない子どもを責めたり「うるさい!」「あんたはダメな子ね!」などと言ってしまっては、これは「支配」になってしまっています。お母さんにもやらなければならないことがたくさんあり、余裕がないうえ、子どもが2人や3人もいると、ついイライラして怒鳴ってしまうこともあるでしょう。ただ、お母さんもひとりの人間、感情的になってしまうこともあるものです。
もし「しつけ」ではなく「支配」をしてしまったと感じれば、落ち着いてから「お母さん、きつく言い過ぎてしまったね、ごめんね」と子どもに謝ればいいのです。自分を許していけるようになると、子どもも次第に「ま、いっか」という思いで見られることが増えるでしょう。
良い母親を目指しすぎないことも大切!
赤ちゃんの時期に多い悩みが「ミルクではなく母乳で育てなければ!」という思い込みです。ミルクで元気に育っている子どもは数多くいます。毎食、栄養バランスが取れた食事をつくらなくてはいけないとか、子どもは遊んだものを自分で片付けて常に部屋をきれいに保たなくてはいけないとか、こういうことは誰が決めたことでしょう。
良い母親を目指し過ぎていると、このようなことができない自分に腹が立ち、その怒りを子どもにぶつけてしまいがちです。そしてその後、自分を責めるという負の連鎖が起こりやすくなります。
子どもと一緒にお昼寝をしてしまって、起きたらもう夜だった場合、あなたならどうしますか?ここで「良い母親でならねば思考」が強いお母さんは、大パニックになります。ごはんができていない、子どもにも夫にもごはんを食べさせることができない、と自分を責めてしまいがちです。
しかし「ありのままでいい思考」のお母さんは、「こんな日もあるよね」と思い、買いだめしておいたカップラーメンやレトルトカレーでしのいだり、夫に頼んでお惣菜やお弁当を買ってきてもらったりするでしょう。家族みんな、外食気分で楽しむという方法もあるのです。
子ども自身もお母さん自身も苦しまない子育て
子どもを叱って、その罪悪感でお母さんも苦しむという負の連鎖。これは、子ども自身を否定しない、お母さん自身も否定しないということが解決のカギとなります。なかでも子どもの自己肯定感を大切にする子育ては昨今とても注目されています。
「お前はダメな子だ」と言われた子どもが、自分に自身をもち社会を生きていけるはずがありません。子どもの存在を唯一無二の母親が認めてあげないで、誰が認めてあげるのでしょう。赤ちゃんの頃から親に存在を認めてもらったと感じながら育った子どもは、行動力があり積極的な自己肯定感の高い子どもに育ちやすいといわれています。
子どもが言うことをきかなくても「何がしたいの?お母さんはこれがしたいの」と、子どもに寄り添いながらお母さん自身の気持ちもフタをしない。そのように子どももお母さんも不定しない子育てが、負の連鎖が起きにくい子育てといえるでしょう。
お母さんだって人間、お母さんだってできないこともある
「子どもはこうするべきである」「母親はこうするべきである」このような「べき」「ねば」思考が強いと、負の連鎖は起きやすいです。子どもがすべて言う通りに聞いてくれることなんてないですから。反対にいえば、これを前提に考えておけば、子どもが言うことを聞かなくてもイライラせずに済み、お母さん自身も「これをしなければ」から解放されてラクになります。子どももお母さんも笑っていられる、少し肩のちからを抜いた子育てを目指しましょう。
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