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「急にテレワークが始まって困った!」 立場の違う5人の不満

LIMO / 2020年3月19日 20時15分

「急にテレワークが始まって困った!」 立場の違う5人の不満

「急にテレワークが始まって困った!」 立場の違う5人の不満

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大で、各企業がテレワークの推進に力を入れています。テレワークは自宅やレンタルオフィスなど好きな場所で仕事ができるのが便利な反面、さまざまな場面で業務に支障が出るケースもあるようです。

GMOインターネットグループが実施した「在宅勤務に関するアンケート」では、業務に支障があった点として「通信環境が未整備・弱い」や「コミュニケーションが難しい」といった回答が多くなっています。たしかに入念に準備をしないと在宅勤務に切り替えた途端に業務に支障が出る場合もあるでしょう。

そこで今回は、実際にテレワークを始めた人たちが何に困ったのかを聞いてみました。

参考:「在宅勤務に関するアンケートを実施~回答数2,800件の従業員(パートナー)の声から在宅勤務の課題を抽出~(https://www.gmo.jp/news/article/6699/)」(GMOインターネットグループ)

社内ネットワーク環境に接続できない

あるメーカーに勤めるAさんは、「準備不足すぎて自宅での作業が苦痛」と、在宅勤務2日で会社への出勤に戻りました。

「今回はテスト期間みたいなもので、自宅での勤務環境を整える意味もあってチーム内で順番に在宅勤務を経験している。ただ、自分のときには準備が整わずに全くうまくいかなかった」とのこと。

具体的には、「社内ネットワークに接続できなくて会社では閲覧できる資料がまったく見られない。社内データを見る必要がある仕事は全くできず、見積りの一つも作れない。データが含まれない簡単な営業資料を作ることしかできなくて仕事がすぐに尽きた」と苦笑い。

これは、会社が急遽テレワーク推進を進めたために起きた弊害なのだとAさん。「ある日突然、『来週からチームの一部のメンバーをテレワークに』と言われて戸惑った。社内インフラとの調整も不十分で、強制的に最初のテストチームに振り分けられた部内メンバーは大混乱だった」と言います。

「それでもいままで通りに納期はやってくるから、ろくに仕事ができない時間が苦痛すぎた。これ以上自宅でテレワークしようと無駄に頑張っても取引先に迷惑をかけるだけだし、もうやめようと思って出社した」と話します。

準備が十分整ってから臨まないと、ただ自宅にいるだけで仕事が進まないという状況に陥りそうです。

コワーキングスペースが満杯に

一方、会社勤めではない人にとっても困った話があるようです。

フリーランスで働くBさんは、「テレワークをいろんな企業が導入した影響で、普段日中は席に余裕のあるコワーキングスペースが満杯に。いつも通り席が確保できなくなって、仕事が思うように進まない」とぼやきます。

「テレワークを自宅ではなくコワーキングスペースでしている人って、感染予防の観点ではあまり意味がないと思う。知らない人たちと換気が悪い狭いところに1日中一緒にいるのはリスクなのでは?」と疑問に思うのだとか。

業務委託や派遣社員は信用されていない?

また、会社からの指示でコワーキングスペースを利用するよう言われたという人もいます。

IT企業で業務委託として働いているCさんは、「正社員は在宅。だけど、業務委託や派遣社員は会社が指定したコワーキングスペースに詰め込まれる。業務委託や派遣が在宅でサボらず働くことを信じられないらしい」と不満げです。

Cさんは、「普段から一緒に働いている業務委託や派遣社員を同じコワーキングスペースに押し込めておけば、お互いに仕事をしているか監視できるという理由なのだと思う」と続けます。こうした格差があると、やる気も削がれるというものですね。

子どもを見ながらの在宅勤務で思うようにはかどらない

「テレワークが始まったことは評価したいし、働き方改革を加速するいいきっかけだと思うけれど、自分は思ったより大変だった」と話すのはIT企業勤務のDさん。

Dさんは2人の子どもを育てながら、普段は時短勤務で働いています。テレワークになり体力的にも精神的にもラクになるのではと考えていたそうですが、実際は期待通りにはいかなかったと言います。

「今回一斉休校になるにあたって、子どもがいる人から優先的にテレワーク体制に移行させてもらっているので、会社のみんなには本当に感謝している。けれど、子ども同士がケンカして泣きついてきたり、話しかけてきたりして集中できない。子どもにイライラすることで自己嫌悪感を抱いてしまうし、仕事も進まなくて同僚に申し訳ないし、精神的につらい」と嘆きます。

「お昼ご飯も、一人だったらうどんや焼きそばでいいやと思っていたけれど、子どもがいるとそうもいかない。毎日晩御飯の献立を考えるのだけで大変なのに、お昼の献立も考えなきゃいけなくなって苦痛」と語ります。

テレワークかどうかに関わらず、一斉休校の影響で仕事が思うようにはかどらないというケースは少なくなさそうです。

社内システム部門は残業続き

最後は、金融機関で働くEさんです。Eさんはシステム部門で働いており、今回テレワークの導入にあたって多忙を極めているのだそう。

「ほかの部門の人はテレワーク。自分たちは彼らをテレワークさせるためにインフラ整備で深夜まで残業。毎日毎日、本当に仕事が終わらない」のだそう。

「何百人といる社員のPC一つひとつにテレワークのためのアプリケーションをダウンロードし、セットアップ。自宅でその人にテレワークができそうかどうかを試してもらい、ダメだったらやり直し。1回で成功する人は少なくて、何度も何度も呼び出される。それの繰り返しなので自分たちはテレワークが進まない」とため息をつきます。

テレワークを推進している企業のシステム部門は、自分たちの環境はさておき、とにかく周囲の社員の環境を整えなくてはならず大変な状況だと思います。こうして縁の下で力を尽くす人たちに感謝する気持ちを忘れないでおきたいものですね。

おわりに

新型コロナウイルスの影響でテレワークが進むと、今後日本人の働き方自体が大きく変わる可能性もあるでしょう。今は業務に支障をきたすこともあるかもしれませんが、テレワークが広がれば通勤時間が減ったり、子育てのための時間を柔軟に取れたりなどの利点もあります。

何事も最初は困難なもの、少しずつ改善を図りながら誰もが快適に働ける環境が構築できることを願います。

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