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有名人の高齢出産が目立つけれど、35歳以上の出産にリスクはないの?

LIMO / 2020年3月22日 11時0分

有名人の高齢出産が目立つけれど、35歳以上の出産にリスクはないの?

有名人の高齢出産が目立つけれど、35歳以上の出産にリスクはないの?

今年1月、42歳の滝川クリステルさんが第1子を出産。昨年には知花くららさんが37歳で、浜崎あゆみさんが41歳で出産――。

世は”高齢出産ブーム”だけれど…

こうした女性有名人による高齢出産のニュースが相次ぎ、ブログやインスタグラムで発信される幸せそうな笑顔に影響を受けてか、今や35歳を過ぎて出産することも異例ではないという考えを持つ人もいると言います。

実際、筆者の友人の中には「キャメロン・ディアスは47歳で産んでるし、私だってまだいけるよ」と特に焦っている様子もない30代後半・婚活中の女性もいます。

しかし、メディアやSNSは出産の喜ばしい側面だけを見せがちで、高齢出産の危険性はなかなか伝わりません。

医師の間には、最近の”高齢出産ブーム”とも言える状況に「正しい知識を得てほしい」と懸念する声もあるようです。それは、高齢出産のリスクを理解せず、楽観的に考えている女性が目に付くからだと言います。

今回は実際に高齢出産の女性がどれくらい増えているのか、またどんなリスクがあるのかを見ていきましょう。

高齢出産はどれくらい増えている?

2016年に発表された研究結果、「高齢妊娠に伴う諸問題」によると米国では40年前と比べて35歳以上の初産婦は9倍になっています。

一方、厚労省人口動態調査の「年齢別出生数の割合」によると、日本では1975年に35歳以上の割合が3.8%であったものが2016年には28.5%にまで上昇。高齢出産の割合は全体の3割近くを占めるようになりました。

この背景の一つとして、女性が高学歴を取得して社会進出するようになってきたことがあると言われます。また、不妊治療の研究が進み、技術が発達したことも挙げられます。

35歳を過ぎの出産のリスクは?

では、高齢出産にはどのようなリスクがあるのでしょうか?

まず、高齢妊娠だと妊娠初期の流産や妊娠中毒症の確率が上昇。また、年とともに子宮や卵巣の機能も老化していき、ダウン症候群など染色体の異常が起こりやすくなると言われます。

全米ダウン症協会の研究によると、母親が45歳の場合、ダウン症の子が産まれる確率は約30人に1人。25歳だと約1,200人に1人であることに比べると、著しく高くなっています。

また、母親が30歳の場合に約900人に1人である確率が35歳になると約350人に1人にまで上昇。医師たちが35歳を過ぎての出産ブームに警鐘を鳴らすのも頷けます。

まとめにかえて

厚生労働省の資料から、実際に高齢出産が増えていることがわかりました。待ち望んだ子どもを授かるのは祝福すべきことですが、母親の年齢が上がると妊娠初期の流産や、ダウン症を引き起こすリスクが増すという一面もあります。

「あの人が高齢出産をしたから、まだ私も大丈夫」と世間の情報だけを盲目的に信じず、しっかりとライフプランニングを行って人生の選択をしてくださいね。

【参考資料】
「高齢妊娠に伴う諸問題(https://www.jstage.jst.go.jp/article/kyorinmed/47/1/47_77/_article/-char/ja/)」(古川誠志、杏林医学会雑誌/47巻(2016)1号)
「母体の年齢別出生数の割合(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000488877.pdf)」(厚生労働省人口動態調査、2016年)
「Does Down Syndrome Run in Families?(https://www.ndss.org/about-down-syndrome/down-syndrome/)」(National Down Syndrome Society、全米ダウン症協会)

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