結婚・出産で自信を失っていく日本の女性〜働くママたちのリアル

LIMO / 2020年3月31日 20時0分

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結婚・出産で自信を失っていく日本の女性〜働くママたちのリアル

30代の筆者の周囲では、学歴や所得が高くても「就職できるのだろうか」「子育てでブランクがある自分に仕事ができるだろうか」「やっぱりキャリアを諦めるべきか」など、働くことに自信をもてない女性の声を耳にします。

ビジネス特化型SNSであるリンクトイン(LinkedIn) の、世界22か国を対象とした「仕事で実現したい機会に対する意識調査(Opportunity Index 2020)」によると、日本の女性は「成功する自信」で男性より7.5%低く、国内における仕事機会のチャンスも男性と比較して6.5%低いことが分かっています。

また、他国では学歴や所得の高さに比例して自信が高まる一方、日本では自信がない傾向にあります。なぜ日本では、学歴や所得の高さと自信が比例しないのでしょうか。働くママの言葉をご紹介しながら考えてみましょう。

社会に出て男女差を実感。全て完璧にはできない

日本の女性が初めから自信がないかというと、そうでもないでしょう。筆者の周りにも、学生時代は「留学したい」「仕事を頑張りたい」と意欲的な女性が多くいました。

「男女差を強く感じるようになったのは、社会に出てから」というのは37歳の2児の母であるKさん。彼女は私立トップレベルの大学を卒業し、在学中には留学もしていて語学も堪能です。

金融機関に入社後、「同じ仕事をしていても、男女では任されるものが違う」と実感。「それ以上に男女差を感じたのは、結婚・出産ですね」といいます。

「子どもを保育園に入れるとき、『仕事もいいけど…ねぇ。女は家の中を守るものよ。息子も子どももかわいそうよ』と専業主婦だった義母に言われました。お盆やお正月は、嫁の仕事も盛りだくさん…。こんなに男と女の人生が違うとは思いませんでした。男女平等だった学生時代が懐かしいです」

Kさんは復職しても悩みが尽きないといいます。

「女性って『仕事人』だけじゃなくて、『母親』としてもどうか、考えるんですよ。『良い母親』って、子どもに愛情をかけ、手をかけという価値観がありますが、仕事をしていると難しい」

「今は時短勤務です。子どもが熱を出せば私が休むしかないので、職場にも子どもにも罪悪感を感じます。『どっちも中途半端』と肩を落とした回数は両手では数えきれません。同じように仕事をしても、父親は休まないですし、休日に子どもと遊べばもう『良い父親』ですから…『良い母親』のハードルが高過ぎます」

未だ残る「母親像」に、日々葛藤するKさん。仕事も育児も頑張っていますが、周囲の言葉に迷うことは少なくないようです。

昇進、進学、転職…男性よりも限られる選択肢

32歳のJさんは、1児のママです。仕事好きなJさんですが、育休明けは残業をせず、定時で帰宅。Jさんには専門性を高めるため、大学院に通いたいという夢があります。

「女性が転職や留学、大学院進学などできるのは、子どもを産む前までですね。いったん子どもを持てば、ある程度育つまで、10年以上は待つことになります。30歳で出産した私は、40歳半ば。どんどん年をとるし、体力も記憶力も衰えるので、不安や焦りはつきません」

「ママ友は海外勤務の話が出ていましたが、断ったと言っていました。好きなだけ残業ができ、気軽に研修や出張に行ける夫がうらやましいです。こんな話をすると、『産む前から分かってたでしょう』『旦那さんだって稼いでいるんだから』と言われますが…仕事か育児か、選択を迫られるのは女性ばかりですね」といいます。

女性は育児をするとキャリア形成に時間がかかったり、正社員からパートへキャリアダウンする人も。育児におけるキャリアの変化も、自信を左右しているようです。

結婚・出産による退職で、再就職が困難に

結婚や出産で退職する人は、今も少なくありません。一度退職すれば、パートであっても再就職が難しいケースがあります。「子どもがいて、病気のときは看病するしかない」という条件では、受け入れてくれる企業が絞られるからです。

マザーズハローワークの方の話では、「子どもがいる女性への理解は増えていますよ。ただ、急な休みがとれるパートとなると職種は限定されます」とのこと。多くは製造業や販売業など、大人数が働いている職種になるそうです。

34歳で2児の母のAさんは、出産を機に大手企業を退職。子どもが幼稚園に入ったのを機に、パートをはじめました。「いくつか面接を受けましたが、実家も遠いので子どもが熱を出せば私が休むしかありません。そうなると、初めから断られてしまうこともあって。今は雇ってもらえるだけありがたいと思っています。

産前は自分のキャリアを考えて仕事をしたり、転職を考えたりしました。意欲的でしたね。母親になったら逆なんです。雇ってもらうだけで、仕事をさせてもらうだけでありがたいに変わりました。

ブランクもあり、パートを始めるのも不安でした。前より年を取り、体力も落ちた自分に仕事ができるのか、自信がなかったんです。パートとはいえ、育児との両立も大変ですから」。

出産を機に退職し、ブランクがある。この2つで自信をなくし、「自分なんか雇ってもらえるのだろうか」「本当にやりたい仕事は我慢」という声は多く聞きます。

女性が自信を取り戻すために

女性のキャリアを大きく変える、出産・育児。この部分に対する理解や協力がない限り、日本女性が自信を持つのは難しいのでしょう。専業主婦時代の価値観も、大きく影響を与えています。

今後社会にテレワークが浸透すれば、今まで働きたいけれど働けなかった20~40代の母親である女性たちが、仕事に参加できるようになる日もくるでしょう。彼女たちのブランクを減らし、キャリアを継続させることが、日本が力を伸ばす一つの手にもなるのではないでしょうか。

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