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会社を辞めて痛感、組織は理不尽だがメリットも大きい

LIMO / 2020年4月5日 20時20分

会社を辞めて痛感、組織は理不尽だがメリットも大きい

会社を辞めて痛感、組織は理不尽だがメリットも大きい

組織で働くと理不尽なことも多いけれども、それでも組織で働くメリットは大きいと筆者(塚崎公義)は考えています。

多くの新入社員が期待と不安の中で新しい社会に加わったことと思います。会社等の組織には、理不尽なことも多いでしょうが、ある程度の理不尽は我慢して、ぜひ頑張ってほしいと思います。組織って素晴らしいものですから。

組織に入ると理不尽なことも多い

社会人は、給料をもらって仕事をするわけですから、楽しいことより辛いことがあるのは当然のことです。それでも合理的な仕事をやらされて疲れるのであれば良いのですが、実際には理不尽なことも多いのが実情です。

上司や顧客が無理難題を押し付けてくるかもしれません。同僚の失敗を顧客に謝罪して罵倒されることもあるでしょう。社内の派閥争いに巻き込まれたり、セクショナリズムに悩まされることがあるかもしれません。

そんな時には、やけ酒を飲んでストレスを解消したくなるかもしれませんね。飲み過ぎはいけませんが、ストレス解消はサラリーマンとして非常に大事なことですから、自分なりの解消法をしっかり身につけておくことは大切です。

給料の半分はやけ酒を飲むため?

筆者が銀行の新入行員だった頃、先輩に言われたことがあります。「お前の給料の半分はやけ酒を飲むためのものだから、大いに飲めば良い」というのです。

「組織は理不尽だと思うだろう。その通りだ。しかし、組織には理不尽を上回る大きなメリットがあるから、世の中には組織というものがあるのだ」

「お前が客に集金に行くと、客は預金してくれるだろう。しかしそれは、お前にではなく、お前が属している組織に対する信用があるからだ。お前が個人として銀行を開いて預金を集めても、誰も預けてくれないだろう。上手くいったとしても、給料の半分も稼げないと考えた方が良いだろう」

「そうだとすれば、お前の給料の半分は組織の理不尽に耐えていることの我慢料だ、と考えれば良い」というわけです。

すごく納得したことを覚えています。しかし、筆者が本当に先輩の言葉を身を以て実感したのは、銀行を辞めてからのことでした。

筆者が銀行を辞めて痛感したことがある

筆者は銀行時代、景気の予想屋としての仕事を長く担当していました。景気の予想について原稿を書いたり講演をしたりしていたわけです。駆け出しの予想屋であるにもかかわらず、多くの原稿や講演の依頼をいただいていました。

しかし、筆者が銀行を辞めた途端、原稿の依頼も講演の依頼も激減しました。長い間景気の予想屋をやっていたので、予想の内容も文章も話し方も、駆け出しだった頃より遥かに上手くなっていたはずなのに、駆け出しだった頃よりずっと依頼が少なくなってしまったのです。

よく考えれば、人々は筆者の予想を聞きたいのではなく、銀行の調査部門の見通しを聞きたいと考えて筆者に原稿や講演を頼んでいたのですね。組織の中で予想を担当しているのが筆者だったとしても、組織の看板を掲げていることが大事だったわけです。

組織には分業のメリットがあり、ノウハウもたまる

組織のメリットは信用力だけではありません。組織には、分業のメリットがあります。筆者が自分で銀行を作るとなると、預金集めも貸出も経理処理も全部自分でやる必要があります。

毎日預金集めだけやっていれば上達するのでしょうが、いろいろなことを一人でやっていると、なかなか上達しないかもしれません。あるいは、経理処理は得意だけれども他人と会って話をするのは苦手だ、という人がいるかもしれませんが、そうした人が大いに活躍できるのが組織の経理部門なわけですね。

また、組織には膨大なノウハウが溜まっています。ノウハウは「失敗は成功の源」を体現したものですから、自分でノウハウを獲得しようと思うと数多くの失敗をしなければなりませんが、組織に入れば先輩方の失敗に学ぶことができるので、大変楽なのです。

以上、格好の良いことを色々書きましたが、本当に組織がありがたいのは、収入を保障してくれることでしょうね。自営業者の収入は景気の波に翻弄されますが、サラリーマンは会社が倒産でもしない限り、景気が悪くても生活に困らない程度の収入は得られますから。

自分のことを高く評価しすぎないことが重要

以下は余談ですが、サラリーマンになると「自分は頑張っているのに上司が評価してくれない」といった不満を感じることもあるでしょう。そうした不満を持っているサラリーマンは多いですから。

しかし、そのことを反対から見ると、自分のことを高く評価しすぎているサラリーマンが多い、ということになります。「自分は頑張っていないのに、なぜか上司が評価してくれてありがたい」と思っているサラリーマンは非常に少ないでしょうから(笑)。

みなさんも、自分を客観的に評価できているか、ゆっくり考えてみてください。もしかすると、組織が理不尽なのではなく、自己評価が理不尽なのかもしれませんから。

それでも我慢できないことがあるかも

以上、組織の素晴らしさを説き、「ある程度の理不尽は我慢して、ぜひ頑張ってほしい」ということを記してきましたが、物には限度がありますから、「ある程度」ではない理不尽とは戦いましょう。あるいは逃げましょう。

その際、気をつけてほしいのは、転職先を決めるまでは辞意を表さない、ということです。上司とけんかした勢いで辞表を叩きつけたりすると、次の就職先が万が一見つからなかった時に大変困りますから、そこは我慢です。

「転職先さえ見つかれば、こんな組織を辞めることができるのだ」ということを心の支えとして転職活動に励めば、きっと上手く行きますから。

本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。

<<筆者のこれまでの記事はこちらから(http://www.toushin-1.jp/search/author/%E5%A1%9A%E5%B4%8E%20%E5%85%AC%E7%BE%A9)>>

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