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自転車保険入っていますか?義務化進むも、4割が「加入意思なし」

LIMO / 2020年5月14日 19時15分

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自転車保険入っていますか?義務化進むも、4割が「加入意思なし」

「重大事故」の加害者、3割が中高生という現実

日々の通勤・通学や買い物にも便利な自転車は、誰もが利用しやすい便利な交通手段ですが、道路を通行する以上、常に事故と隣り合わせです。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、いわゆる「3密」を避ける行動が求められています。公共交通機関を利用するかわりに、自転車での移動が増えたという人も多いのではないかと思います。

今回は、加入義務化に乗り出す自治体が増えつつある「自転車保険」についてのお話です。

死亡・重傷事故加害者「約3割が中高生」

自転車は道路交通法上、「軽車両」に分類されます。

運転するための免許証ありませんが、法律違反をして事故を起こしてしまうと刑事上・民事上の責任を問われます。実際に自転車側が加害者となる死亡事故も多発しており、大きな問題となっています。

ここで、警察庁交通局による「自転車関連事故に係る分析(https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/anzenundou/jitennsyajikobunnseki.pdf)(※1)」の、ショッキングな数字をご覧ください。

「自転車対歩行者」事故のうち歩行者死亡・重傷事故における自転車運転者の年齢層別件数(2014(平成26)年から2018(平成30)年合計)は以下のとおりでした。

9歳以下… 27件(2%)

10~19歳…555件(36%)

   ※うち中学生 132件(9%)、高校生 301件(20%)

20~29歳…281件(18%)

30~39歳…186件(12%)

40~64歳…312件(21%)

65歳以上…167件(11%)

    合計…1528件

死亡・重傷事故の加害者全体の29%を中高生が占めている、ということが分かります。

自転車を運転する以上、子どもであっても「加害者」となる可能性が十分あるわけです。このような背景から、「被害者の保護」と損害賠償による「加害者の経済的負担を軽減」することを目的として、自転車保険の加入を義務付ける自治体が増えてきています。

自転車の「“ヒヤリハット”体験」は7割以上!

2020年4月1日より、東京都内でも、自転車に乗る場合に「自転車保険(自転車損害賠償保険等)への加入」が義務化されました。

これに先立ち、LINE Financial㈱と損害保険ジャパン日本興亜㈱が、都内在住の15歳〜49歳の男女を対象として実施した「自転車保険に関する意識調査(https://linefinancialcorp.com/ja/pr/news/2020/50)(※2)」の結果をみてみましょう。

自転車を週1日以上利用する人は69.9%

自転車に乗っていて「事故に遭いそうになった経験がある」人は72.2%

そのうち90.2%が賠償など大きな事故に繋がる可能性のある事故と判明

「事故に遭いそうになった経験がある」と回答した人によると、車両や自転車、通行人と接触しそうになったケースや、看板や建築物に接触しそうになったケースなど、大きな事故や加害事故につながる危険性があったことが判明しています。

一方、東京都で自転車保険への加入義務化が実施される件について、48.7%が「知らない」と回答。

義務化を知っている人の中でも、「個人賠償責任保険」の内容など、自転車保険を理解できている人は61.8%。また、現段階での自転車保険の加入状況についても43.4%にとどまりました。

さらに、義務化に伴う保険加入の意向を聞いたところ、「加入する」が58.8%、「加入しない」が41.2%という結果に。義務化されても約4割の人が「自転車保険に加入する意思がない」という結果だったのです。  

自転車保険に必要な保障とは?

では、義務化される「自転車保険」には、どのような保障が必要なのでしょうか。

一番重要なのが、事故の相手方(被害者)への保障です。

自転車による事故では、子どもが加害者となる場合もあり、物損や傷害を含めて補償が数千万円を超えるケースもあります。その巨額な補償に対応できるのが「個人賠償責任保険」ということになります。

相手側への保障「個人賠償責任保険」について

手厚く備えておきたい「個人賠償責任保険」については、自動車保険や火災保険など、各種保険の特約として付帯されているケースがあります。

また、個人賠償責任保険の対象となる被保険者は、「生計を共にする同居の親族」や「生計を共にする別居の未婚(これまでに婚姻歴のないこと)の子」も含まれます。例えば進学のため仕送りを受けながら離れて暮らす子どもも対象となります(※「生計を共にする同居の親族」に限定せず、「同居の親族」であれば補償の対象になる保険商品もあります。)

そのため、家族一人ひとりがそれぞれ加入する必要はなく、1つの契約で家族全員が保障されます。契約中の保険の保障内容を確認してみましょう。

個人賠償責任保険の保障額としては、対人・対物両方への賠償を想定して1億円以上の保障があると安心です。「示談交渉サービス付き」の保険であれば、賠償手続きをスムーズに進めることができそうです。

自転車事故以外にも

また、この個人賠償責任保険は自転車事故に限らず、日常生活で起きるさまざまなトラブルに対応可能です。

「お店の商品を壊してしまった」

「飼い犬が散歩中に他人を噛んでしまった」

「子どもが鬼ごっこをしていて友達にぶつかり、ケガをさせてしまった」

というように、個人またはその家族が、日常生活で誤って他人にケガをさせてしまった、他人の物を壊してしまい、損害賠償金や弁護士費用などを負担した、というような場合にも利用できます。

ただし、仕事中の事故など補償の対象外となるケースもありますので、免責となる状況などを事前に確認しておきましょう。

本人のケガは、傷害保険など契約中の保険で対応可能なケースも

自転車の事故では、運転する本人も大きなけがを負う可能性があります。傷害保険や医療保険があれば入院・手術等に対応可能です。また、自動車保険の「人身傷害」項目で自転車による事故も対応可能な場合があります。

人身傷害には、車の事故のみが対象となる契約と、「車外事故の特約」(保険会社により名称は異なります)がセットされている場合があります。

車外事故の特約とは、他人の車や自転車に乗っているときの事故、歩行中の他車との接触などの事故に対して保険が支払われるものです。ただし、自動車保険の保険料を抑えるために、この保障や特約部分を外して契約しているケースもあります。

自動車保険は毎年更新がありますので、自転車搭乗中や歩行中の事故に備えて人身傷害や個人賠償責任の特約部分を見直してみてもいいかもしれません。

なお、個人賠償責任保険については複数契約があっても補償額が2倍3倍になることはありません。余計な保険料を払うことがないよう、補償の重複について確認しておきたいですね。

自転車保険の保険料は、契約内容次第で、月あたり数百円程度に抑えることが可能です。保障内容・金額についてしっかり確認をして、不足のないように加入を検討したいですね。

また、すでに加入している自動車保険や火災保険などに個人賠償責任が付帯されている場合もあります。保険の乗り換えを検討する際は、個人賠償責任保険の付け忘れに注意するようにしましょう。

まとめにかえて

みなさん、いかがでしたか。重大事故の加害者の約3割が中高生という数字にショックを受けた人も多いと思います。自転車は、子どもからお年寄りまでが気軽に使える乗り物。健康にも環境にも優しく、毎日の生活に欠かせないという人もいるでしょう。

そこで心にとめておきたいのが「“車両”を運転している」という意識ではないでしょうか。ほんのちょっとした弾みで凶器にもなり得る点は、クルマも自転車も同じ。

自転車保険に加入することで、家族みんなが安全運転への意識を高めていけるとよいですね。

参考URL
※1「自転車関連事故に係る分析(https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/anzenundou/jitennsyajikobunnseki.pdf)」警察庁交通局
※2「自転車保険に関する意識調査(https://linefinancialcorp.com/ja/pr/news/2020/50)」LINE Financial株式会社
「個人賠償責任特約とは何ですか?(http://faq.sjnk.jp/sumai/faq_detail.html?id=80230)」損保ジャパン日本興亜
「個人賠償責任保険(https://www.sonpo.or.jp/wakaru/seminar/kaisetsu/009.html)」そんぽのホント 一般社団法人日本損害保険協会

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