日本人はコーヒー好き? 昭和レトロな喫茶店もどっこい生きている
LIMO / 2020年4月3日 20時15分
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日本人はコーヒー好き? 昭和レトロな喫茶店もどっこい生きている
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、在宅勤務や外出自粛というこれまでにない環境に置かれている人が多いと思われます。そんな中、夜の繁華街に繰り出すのは論外としても、近所の喫茶店での息抜きもなかなかしにくくなっているかもしれません。
「学生街の喫茶店」は過去のものに?
少し先ですが、4月13日(月)は「喫茶店の日」です。この「喫茶店の日」は、今から132年前の明治21年(1888年)4月13日に、東京・上野に日本初の喫茶店「可否茶館」が開業したことに由来します。
この132年間という長い期間、人々の生活様式や消費行動が激変する中で、喫茶店の位置付けも大きく変わってきたように思われます。
まず、1970年代に大ヒットした「学生街の喫茶店」など、歌謡曲の曲名や歌詞で頻繁に登場した「喫茶店」という言葉そのものが、ほとんど“死語”になった印象があります。
“コーヒー屋さん”という一般抽象的な言葉を使う時代すら過ぎ、“スタバ”とか“ドトール”といったチェーン店名を使うのが普通になっているような気もします。
一昔前、喫茶店のコーヒー料金(1杯)は重要な経済指標と言われました。というのは、駅前にある喫茶店のコーヒー代が、その地域の不動産価格の水準を表していたと考えられたためです。
実際、不動産バブルだった1980年代後半は、コーヒー代の値上げも激しかったことを覚えている人も多いのではないでしょうか。
しかし現在では、この20年間で急成長してきたチェーン店は全ての地域において同一価格でコーヒーを提供しています(一部例外あり)。今では当たり前かもしれませんが、昔では考えられなかったことなのです。
日本国内の喫茶店の数は35年間で激減
ところで、日本国内における喫茶店の数はどうなっているのでしょうか?
全日本コーヒー協会の統計資料によると、喫茶店の「事業所数」は、1981年の15万4,630をピークに減り続けており、直近の2016年は6万7,198となり、前回(2014年は6万9,983)に続いて7万割れとなっています。
残念ながら2016年以降はデータの更新がありませんが、それから3年が経った現在(2019年末)では、もう一段減っている可能性が高いと見られます。
また、喫茶店の従業員数は、同じく1981年の57万6千人をピークに、2016年は約32万9千人へ減少しました。なお、前回(2014年)から2年間で約▲1万人の減少です。
ただ、中期的にみれば、事業所数より減少ペースが緩やかであることから、喫茶店の大型化(マス・マーチャンダイジング化)を推測することができます。こちらも2016年以降のデータ更新がありませんが、傾向は大きく変わっていないでしょう。
セルフ式チェーン店は拡大傾向が続く
一方、前述したコーヒーチェーン店は今も拡大が続いています。
1997年末に僅か18店舗だったスタバは現在1,543店舗、ドトールは1988年の約200店舗が現在は約1,311店舗(注:ドトール以外のブランド含む、海外含まず)へと増加しています。タリーズ、Café de Crie、上島珈琲なども成長が続いている模様です。
ということは、単純に考えると、漸減が続く喫茶店の多くは、昔ながらのいわゆる“純喫茶”タイプということが容易に推測できます。確かに、個人経営のそういう喫茶店を見る機会は少なくなりました。
静かな音楽が流れる中で、備え付けの新聞や雑誌を読んで自分自身の時間を満喫できる、昔ながらの純喫茶店に未来はないのでしょうか。
国内のコーヒー市場は依然として成長市場
一方、やや意外かもしれませんが、日本国内のコーヒー消費量は拡大し続けており、2013~2016年は4年連続で過去最高を更新しました。
2017年はやや減少したものの、2018年実績(約47万トン)は再び増加に転じており、過去最高だった2016年実績(約47万2千トン)に迫る消費量でした。2019年は再び減少となりましたが、それでも高水準(約45万2千トン)を維持しています。
ちなみに、2018年の消費量47万トン(生豆換算)は、緑茶の5倍強、紅茶の約29倍に上っています。特に、近年では緑茶の衰退が著しくなっています。
昔ながらの喫茶店の復権も
もちろん、家や職場でコーヒーを飲む需要が高まったこともありますし、コンビニコーヒーもあなどれません。また、豆の品種や産地、生産者にまでこだわりを持つ「サードウェーブ」と言われるコーヒー店も増えています。それを含めて、人口減少が始まったにもかかわらず、今も日本のコーヒー市場は成長市場なのです。
近年は日本各地にある昔ながらの古風な喫茶店の人気が復活傾向で、コメダ珈琲店や星乃珈琲店など”昭和レトロ風”なコーヒーチェーン店も出てきています。昔を懐かしむ世代の人も、昔を知らずに魅力を感じる若い人も、喫茶店でコーヒーを飲みながらゆったり流れる時間を楽しんでほしいものです。
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