「資産運用」と「資産形成」の違いって?貯蓄と運用は「バランス重視」
LIMO / 2020年4月10日 19時15分
![「資産運用」と「資産形成」の違いって?貯蓄と運用は「バランス重視」](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_16774_0-small.jpg)
「資産運用」と「資産形成」の違いって?貯蓄と運用は「バランス重視」
~先行き不透明な今だからこそ、将来への種まきを~
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威をふるい、私たちの日常生活は深刻な影響を受けています。
消費スタイルの変化や収入減などをうけ、お金に関する意識も大きな変化を迫られているという人は多いはず。
とはいえ、子どもの教育、マイホーム、老後の生活など、人生では多くの出費が待ち構えています。
先が見えない今の時代こそ、少しでも資産を増やして備えておきたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は、資産形成のキホンについて学びながら、自分に合った「お金を育てる方法」や、リスクへの心構えについてみていきたいと思います。
「資産形成」と「資産運用」の違いって?
ところで、みなさんは「資産形成」と「資産運用」の違いをご存じですか?
言葉は似ていますが、資産形成と資産運用には違った意味が含まれています。
「資産形成」は「資産を育てていくこと全般」を意味しており、「貯蓄」と「運用」の2種類の方法が存在します。
つまり、資産運用は資産形成の手段の1つなのですね。
しかし、少額の貯金を運用したとしても、効率的にお金を増やすことはできません。
例えば、50万円を年利20%で運用したとしても、1年間で得られる利益は10万円。
そこからさらに約20%の税金が引かれると、最終的な利益は約8万円にまで減ってしまいます。
1カ月あたりにすると、7,000円にも満たない金額です。
もちろん、それ以下の利益しか得られないどころか、元本割れをする可能性もゼロではありません。
証券口座を開設し、株や投資信託のしくみを理解できて、いざ投資!
入念に企業研究をして、毎日経済ニュースや株価チャートとにらめっこしたとしても、得られる利益ごくわずか・・・
さらに、現在、世界の経済・産業がCOVID-1の深刻な影響を受けており、今後の金融市場がどのように変動していくかを予測することは簡単ではありません。
そう考えると「ちょっと割に合わないかな」と感じる人も多いのではないでしょうか。
まだそこまで多くの資産がない場合、まずは貯蓄に優先して取り組んだ方が賢明なのかもしれませんね。
資産運用でお金を育てるには
ある程度貯蓄が増えたら、資産運用も視野に入れていきましょう。
ただし、「短期間で一気に儲ける」「少ないリスクで、大きいリターンを期待する」といった考え方は現実的ではないかもしれません。
満足のいく資産形成は「長期戦の覚悟で」臨みましょう。
とくに老後に備えて資産を増やしたい人は
「小額からスタートできる」
「数十年間も継続して運用できる」
「自分に合ったタイミングで買い付け・解約ができる」
「手数料などの運用コストを低く抑えられる」
「非課税制度がある」
などの条件を重視することが大切です。
積立型の投資信託という手段も
その条件に当てはまる手段は、「預貯金」「投資信託」「株式(個別株式)」の3つ。
他にも多くの金融商品が存在しますが、先ほどの条件すべてに当てはまるものは非常に限られているのです。
とはいえ、預貯金は利息が非常に低いのが現状です。
また、株式は値動きの幅が大きく、小口投資をすることができません。となると、投資信託という手段が候補として挙げられます。
その点、積立型の投資信託は少額からスタートできるという特徴があります。
たとえば、ネット系証券会社のなかには、月々100円から始められるサービスもあります。
積立型の投資信託のメリットは「相場が安いときには多く、相場が高い時には少なく」買える点でしょう。長期的には平均購入単価が平準化される効果が期待できます。
国の税制優遇制度である「つみたてNISA(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/index.html)」「iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)(https://www.ideco-koushiki.jp/guide/)」などを活用して、コツコツ積み立てていくのもよいかもしれませんね。
投資信託に潜んでいるリスクや、非課税制度の落とし穴などについても調べたうえで、資産形成の選択肢に入れておくことをおすすめします。
まとめにかえて
資産運用には、運用コストや元本割れのリスクが伴います。焦ってお金を増やそうとすると、空回りに終わってしまうかもしれません。
また、元手が少ない状態で運用した結果、「あんなに苦労したのに利益はこれだけか…」とモチベーションが低下してしまう可能性もありますよね。
そこで、「運用するのは貯蓄の一部だけにする」「いくら貯まったら運用に回す」など、ご自身の状況に合わせたルールを決めておく、というのも大切ではないかと思います。
「資産形成=資産運用」と捉えるのではなく、「貯蓄」にも取り組みながらお金を育てていきましょう。
貯蓄によってある程度資産を形成できている状態であれば、リスクヘッジをとりながら効率的な資産運用が期待できるかもしれませんね。
「お金育て」をがんばるみなさんのご参考になればと思います。
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
【参考URL】
「iDeCoってなに?(https://www.ideco-koushiki.jp/guide/)」 iDeCo公式サイト
「つみたてNISA(https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/index.html)」 金融庁
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