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マスクが底をつく不安…政府の増産発言で安心してしまった私のマスク購入体験記

LIMO / 2020年4月12日 10時45分

マスクが底をつく不安…政府の増産発言で安心してしまった私のマスク購入体験記

マスクが底をつく不安…政府の増産発言で安心してしまった私のマスク購入体験記

マスク増産発言でも品薄感は解消されず

マスクの品不足が一向に解消されません。1月下旬、あっという間に店頭から姿を消したマスクですが、2月12日の政府定例会見における菅官房長官のマスク増産発言(メーカーの増産で週に1億枚の供給体制が完備など)により、多くの人が一安心したのではないでしょうか。

しかし、待てど暮らせどドラッグストアの店頭に並ぶ気配はなく、時たま入荷されると熾烈な争奪戦になっているありさまです。

あの菅官房長官の増産発言からもうすぐ2カ月が過ぎようとしています。医療機関や関係者へ優先的に配布されるのは理解できますが、なぜこんなにも不足しているのでしょう。本当に品薄感は解消されるのでしょうか?

手持ちのマスクが底をつき、マスク購入に参戦を決意

実は、筆者も菅官房長官のマスク増産発言で安心した一人です。私事で恐縮ですが、都内在住の筆者も手持ちのマスクがいよいよ底をついてきて、3月中旬以降は本来毎日交換すべきマスクを2~3日利用する始末でした。もう悠長に構えていられないということで、マスク購入に注力することにしたのです。

しかし、購入すると言っても、家の周辺に数多くあるドラッグストアの店頭には全くありません。店員に聞いても、判で押したように「入荷時期は未定」とのこと。途方に暮れていると、付き合いのある同じマンションの住人から、某中堅ドラッグストアでは、ほぼ毎朝入荷があるらしいとの有益な情報を入手しました。

早速、翌日からこのドラッグストアでのマスク入手に向けた長い戦いが始まったのです。

初日、いきなり認識が甘過ぎたことを痛感

このドラッグストアの開店時間は午前10時。在宅勤務の筆者は、気合を入れて9時20分に店へ向かいました。すると、予想に反して店の前には誰もおらず、筆者が一番乗り。“まぁ、30分くらいの待ち時間は想定内”とスマホをいじりながら待っていたところ、開店10分前頃になって大勢ゾロゾロ集まり始めたのです。

“今頃並ぶなんて、マスクが欲しいという熱意が足りないな”とある種の優越感に浸っていた筆者でしたが、ゾロゾロ集まった人が皆、何か数字の書いてある黄色いカードを持っているのに気付きました。

“あのカードは何だろう?”と思いながら、主婦らしき中年女性に尋ねてみました。すると、「整理券ですよ。あなた、持っていないんですか!?」と勝ち誇ったように言われ、奈落の底に突き落とされた筆者は、自分の考えがとんでもなく甘かったことを痛感させられたのです。

イチローの背番号と同じ「51」のカードを握りしめていたその中年女性によると、開店1時間前に整理券を配布するとのこと。ただし、入荷がない時は当然ながら配布しない。つまり、筆者が一番乗りだと思って並んだ時刻には、既に整理券の配布が終わっていたということになります。恥ずかしながら、マスク購入の厳しさを改めて知ることになりました。

最後に、その中年女性は、精神的ショックで打ちひしがれている筆者に追い打ちをかけるように、「私は朝8時から並んだのに51番ですからね。51番じゃいいマスクは買えないかもしれない」と言い放ったのです。

結局、この日はマスクを入手することはできませんでしたが、整理券の配布状況を知るなど、今後どうすればいいかについて収穫もあったのでした。

2日目、あと数人で無情な終了コールを告げられる

翌日、寝過ごしてやや出遅れたものの、午前8時過ぎに未だシャッターが下りている店に着きました。しかし、この時点で既に長い行列ができており、筆者の順番はザッと数えて70番前後です。

少し不安になりましたが、後から次々と人が並んだので“何とかなるだろう”という安心感が強くなったのを覚えています。そして、開店1時間強前の8時50分過ぎになると、店のスタッフが整理券を配り始めました。

ところが、何ということでしょう!

筆者の4人前の人が整理券を受け取ると、店員さんが「今日の入荷数はここまでです。大変申し訳ありません」という無情の終了コールを告げるではありませんか。体力的にも精神的にもクタクタになって帰宅をせざるを得ませんでした。

3日目、マスクの入荷なし、4日目は悪天候で棄権

その翌日、今度は7時45分に着いた筆者は目算で40番前後の好位置をキープ。“今日は大丈夫だ”という期待感が強くなってきました。

しかしながら、この日は「マスクの入荷なし」ということで整理券の配布自体が行われず、これで3連敗となりました。前日よりも大きな精神的ショックを受けているのが、自分でもハッキリと分かりました。

次の日は朝から雨が降っていましたが、3連敗で戦意喪失の筆者は英気を養うという自分勝手な名目で棄権しました。結局、4日経ってもマスクは購入できていません。

5日目、ついにマスクを入手! なぜか学童用とのセット販売…

そして、翌日、初めてドラッグストアへ行った日から数えて5日目、午前7時30分から並んだ筆者はついに「24」という“当選確実”の整理券を受け取ることができました。店の周りをウロウロして時間を潰した後、10時の開店でようやくマスクを入手することができたのです!

ただ、確かにマスク1袋(7枚入り)は入手できたのですが、なぜか学童用マスク(7枚入り)とのセット販売でした。店側が言うには、強制的なものではないようですが、ぜひとも一緒に購入してほしいとのこと。筆者の場合、学童用マスクの必要性は全くありませんが、“付随費用”として仕方ないと判断。

それでも、マスクを入手できた喜びはひとしおでした。と同時に、ここまで苦労しないとマスクすら買えないのか?という怒りが込み上げてきたことも事実です。

約3週間、毎朝並んでひとまず安心できる数を確保

こんな感じで合計3週間、毎朝並んだ末に得たマスクが冒頭の写真です。中には学童用や乳幼児用のものもありますが、「小さめサイズ」を我慢して利用すれば、何とかこの先2カ月弱は追加購入せずに乗り切ることができそうです(1枚を2日間使用という前提)。

今はいったんある程度の数を入手でき、心からホッとしたというのが偽らざる気持ちです。そして、ドラッグストアやコンビニでごく普通に買えた日々の尊さを痛感しています。筆者と同じような気持ちの方々も少なくないのではないでしょうか。

終戦前後の食糧配給と重ね合わせたお婆さんの言葉

今回、マスクを購入するために必死の思いで毎朝並んだわけですが、印象に残ったことがあります。

それは、ある日、筆者の後に並んだ「もうすぐ90歳ですよ」というお婆さんが、「戦争中や終戦直後の食糧配給を思い出します。あの時も、生きていくために必死で並びました。食料とマスクの違いはありますけど、本質は同じような気がします」としみじみと語っていたことです。

非常に重みのある言葉です。その後、政府は各世帯に布マスク2枚(洗浄で何回も使用可能)を郵送することを決定しましたが、2枚では十分と言えないのではないでしょうか。

我々一人一人が外出自粛をしたり、マスク着用や社会的距離などの配慮で他人への感染拡大防止に努めることが重要なことは言うまでもありませんが、政府だけでなく、メーカー側にも可能な限りの増産体制を敷いてもらい、この“マスク危機”を一刻でも早く解消してほしいと強く願うばかりです。

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