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【コロナ休業】10万円給付金から休校対応の助成金などの「受け取り方」まとめ

LIMO / 2020年4月22日 19時15分

【コロナ休業】10万円給付金から休校対応の助成金などの「受け取り方」まとめ

【コロナ休業】10万円給付金から休校対応の助成金などの「受け取り方」まとめ

~仕事と暮らしを守るために~

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は収束の兆しを見せぬまま、私たちの日常生活に大きな制限を加えています。そして4月7日、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が発令され、対象地域は全国へ拡大されました。

お子さんが通う学校の一斉休校や、職場からの自宅待機命令などを受け「仕事に行けない」「収入が減った」という世帯も多いでしょう。

そこで今回は、COVID-19の影響で休業を余儀なくされた場合の公的な支援制度のポイントを、就業形態にも着目しながらみていきたいと思います。

10万円給付金の受け取り方

4月20日、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」が閣議決定され、特別定額給付金(仮称)事業が実施されることになりました。いわゆる「1人10万円一律給付」ですね。受け取れる人、受け取り方をまとめました。

給付対象者および受給権者

基準日(2020年4月27日)において、住民基本台帳に記録されている者
受給権者は、その者の属する世帯の世帯主

給付額

給付対象者1人につき10万円

給付金の申請と給付方法

給付金の申請は(1)郵送(2)オンラインを基本とし、給付は原則として申請者の本人名義の銀行口座への振込み。

(1)郵送申請方式

市区町村から受給権者宛てに郵送された申請書に振込先口座を記入し、振込先口座の確認書類と本人確認書類の写しとともに市区町村に郵送

(2)オンライン申請方式(マイナンバーカード所持者が利用可能)

マイナポータル(https://myna.go.jp/SCK0101_01_001/SCK0101_01_001_InitDiscsys.form)から振込先口座を入力した上で、振込先口座の確認書類をアップロードし、電子申請(電子署名により本人確認を実施。本人確認書類は不要)

受付、給付開始日

・市区町村において決定
・(1)郵送(2)オンラインそれぞれに受付開始日を設定可能
・申請期限が、郵送の申請受付開始日から3カ月以内

給付金を受け取れるのは「世帯主」という点に注意が必要です。住民票を移していない別居など、何か事情があって世帯主から給付金を受け取れない場合は、「一定の要件を満たし、その旨を申し出た場合には、当該市区町村において給付対象とする」ようです。

またオンライン申請ができるのは「マイナンバーカード」を持っている人のみ。マイナンバー通知書は持っていても、マイナンバーカードは申請手続きが必要なので、持っていない人が多いかもしれません。そういった方は郵送で申請するのが良いでしょう。

小さなお子さんがいる人に・・・

まず、3月18日に申請がスタートした「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07_00002.html)」について。
「いくらもらえるの?」「正社員だけが対象?」と気になる方も多いと思います。

「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金」は、一斉休校の影響を受ける子どもがいる労働者に労働基準法上の年次有給休暇以外の特別休暇※(法定外の休暇)を取得させた場合に、事業者に対して支払われるお金です。正規・非正規労働者ともに対象となります。
(※年次有給休暇ではありません。)

助成金の支給上限は8,330円ですが、事業者は労働者に対して、年次有給休暇を取得した場合に支給する賃金の全額を支払う必要があります。

有給休暇を取得したことでもらえる賃金が8,330円を超えている場合、差額は事業者負担になるため、事業者によってはこの制度を利用することを望まないケースがあるのです。

事業者が助成金の申請をしない場合、労働者にはこのお金は支払われません。

ですから、中小・零細企業の中には、派遣社員やパート・アルバイトを解雇や雇い止めにして、苦境を乗り切ろうとする人も少なくない、というのが現状のようです。

コロナ休業、「有給休暇から消化」でOK?

さて、パートタイムなど非正規労働者でも、一定の条件を満たせば年次有給休暇(有給休暇)が取得できることをご存じの人は多いと思います。
さらに、2019年4月からは「年5日の年次有給休暇の確実な取得(https://www.mhlw.go.jp/content/000463186.pdf)」も義務付けられています。

有給休暇は本来、労働者が自由に取得できるものであり、企業が任意に定める特別休暇(https://work-holiday.mhlw.go.jp/kyuukaseido/)(病気休暇や慶弔休暇など)とは別枠です。

ところが、COVID-19拡大の影響によって休業する場合、特別休暇よりも有給休暇を優先的に消化するよう、労働者に対して要請する事業者も出てきたというのが実状のようです。

時給制などで働く非正規労働者は、仕事を休めばその分だけ収入が減ってしまいます。病気やケガなど万が一の事態に備えるために有給休暇を残しておきたいと思うのは自然なことでしょう。

「有給休暇が残っていない」「有給休暇を使いたくない」などという場合、無給の欠勤扱いになってしまうケースも。

休暇を取得するうえで正規労働者との格差があっても、退社を迫られたり、契約が打ち切られてしまったりする事態を恐れて、会社には何も言えない・・・という人も多いようです。

長年問題視されてきた、正規労働者と非正規労働者の待遇差が、今回のCOVID-19への感染抑止対応であらためて浮き彫りになったという一例でしょう。

一方でこの4月、正規・非正規の非合理な待遇差を認めない「パートタイム・有期雇用労働法(https://www.mhlw.go.jp/content/000473038.pdf)」、いわゆる「同一労働同一賃金」が施行されたばかり。
今後は、正規・非正規間の待遇面での差が解消に進むことも考えられるでしょう。

「雇用調整助成金」の活用による「休業手当」支給

では、ここで、「休業手当」と、4月1日から特例措置として拡充された「雇用調整助成金」について触れておきましょう。どちらも正規・非正規雇用を問わず対象となります。

休業手当って?

休業手当とは、労働基準法第26条に定められた規定で、「使用者の責に帰すべき事由」によって休業した場合に平均賃金の60%以上を労働者に支払うというもの。

「使用者の責に帰すべき事由」とは、具体的には「使用者の故意又は過失、経営不振、設備や機械の不備、従業員不足などによる休業」(※1)をさします。

本来であれば今回のCOVID-19対策のように、都道府県や国からの就業規制にしたがって休業した場合は事業者に責任がないため、休業手当を支払う義務はないわけです。

そこで2020年4月に拡充されたのが、国の「雇用調整助成金」の制度です。

雇用調整助成金って?

「雇用調整助成金(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html)」は、業績の悪化などで休業命令を出さざるを得なくなった場合、雇用主が労働者に支払う休業手当額の一定割合を、政府が助成する支援策です。

本来の対象は「経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主」でしたが、今回、特例措置としてCOVID-19の影響を受ける全業種の事業主が対象となり、助成率が引き上げられるなど、申請条件が緩和されました。

休業や自宅待機を命じたとしても、通常の賃金の6割を支給し続けることは、企業にとって大きな負担です。この助成金の活用によって、多くの雇用が維持されることが期待されます。

ここまでは、雇用労働者のケースについてみてきました。最後に企業に雇われていない、フリーランス・個人事業主の場合について触れていきたいと思います。

さらに深刻な「フリーランス・個人事業主」

「そもそも休暇や手当がない」

会社員や公務員といった厚生年金保険の被保険者であれば、自分自身がCOVID-19に感染して休業する場合、傷病手当金が支給されます。また、通勤途中や業務で感染したことが認められた場合は労災保険の給付対象になります。

しかし、フリーランス・個人事業主にはこうした保障はありませんし、有給休暇も休業手当もありません。冒頭で紹介した「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金」は、業務委託契約等が明確に証明される場合はフリーランスにも支給されますが、1日あたりの金額は4,100円と雇用労働者のほぼ半分。

正式な契約書を取り交わさずに仕事を請け負う慣習がある業界もあります。
その場合、まったく補償が得られないことも考えられますので、事業経営や家計への打撃は計り知れません。

政府は実質的に無利子となる無担保の貸付制度をスタートさせましたが、これはあくまでも借金。負債を抱えることにためらいを感じる人も多いことでしょう。

国からの呼びかけ「適切な配慮を」

3月10日、経済産業省・厚生労働省・公正取引委員会は連名で、COVID-19の影響を受けたフリーランスや個人事業主に対する配慮を、発注元事業者に対して呼びかける具体的な要請を発表しました。(※2)

これはCOVID-19の影響で想定されるやりとりについて、弱い立場にある個人事業主・フリーランスの側に立った適切な対応を求めるもので、

報酬額や支払期日などの契約内容に変更が生じた場合は、書面で明確に

個人事業主・フリーランスが事業を続けていけるよう、取引関係の継続や優先的な発注を

体調不良や、学校の休校などを理由とした納期延長の求めがあった場合、柔軟な対応を

という内容となっています。

個人事業主・フリーランスは、企業などに雇われている「被用者」とは異なり、厚生年金や労働基準法の適用対象外です。

休業を余儀なくされた場合にとても不安定な立場である点が、今回のCOVID-19の感染拡大を通じて如実にあらわれた一例ではないかと思います。

さいごに

COVID-19の感染拡大によって、これまでの労働環境が一変したと実感している人はとても多いと思います。

「休業中の補償をどうするか」「生活をどう守っていくか」
この問題を目の前にして、正規・非正規間の待遇の差や、雇用労働者と自営業者を守る制度の違いに改めて着目した人も多かったのではないでしょうか。

COVID-19が収束を迎え、日常生活や経済活動が“平常運転“を取り戻すまで、どうやって身を守っていくか、支援を求めていけばいいのか。そんな意識を持つきっかけになればと思います。

【参考URL】
「特定定額給付金(仮称)(https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/gyoumukanri_sonota/covid-19/kyufukin.html)」総務省
「小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金を創設します(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07_00002.html)」厚生労働省
「特別な休暇制度とは(https://work-holiday.mhlw.go.jp/kyuukaseido/)」働き方・休み方改善ポータルサイト 厚生労働省
「休校による休業補償の受付開始 制度複雑で混乱も(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56948440Y0A310C2EE8000/)」日本経済新聞 2020年3月18日付
「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説(https://www.mhlw.go.jp/content/000463186.pdf)」 厚生労働省
「日本郵政“国の助成利用は有給休暇ない場合のみ”従業員に示す(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200312/k10012328081000.html)」NHK
「パートタイム・有期雇用労働法が施行されます(https://www.mhlw.go.jp/content/000473038.pdf)」厚生労働省
「賃金の支払い(第24条) 休業手当(第26条) 労働時間(第32条)(https://jsite.mhlw.go.jp/ehime-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/roudoukijun_keiyaku/hourei_seido/20404/2040406.html)」厚生労働省愛媛労働局
※1「使用者の責に帰すべき事由」について「休めと言われた」 労働問題対処ノウハウ集(https://www.pref.kanagawa.jp/documents/5081/kh30.pdf) かながわ労働センター
「雇用調整助成金(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html)」厚生労働省
「新型コロナウイルス感染症に係る傷病手当金の支給について(https://www.mhlw.go.jp/content/000604969.pdf)」厚生労働省保険局保険課
「労働者が新型コロナウイルス感染症を発症した場合、労災保険給付の対象となりますか(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html#Q7-1)」新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)厚生労働省
「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ(https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/pamphlet.pdf)」経済産業省
※2 「新型コロナウイルス感染症により影響を受けている個人事業主・フリーランスとの取引について、発注事業者に要請します(https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200310007/20200310007.html)」経済産業省

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