1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

東京封鎖デマのチェーンメールを送ってきた母。「帰ってこい」を連発する親の不安にどう対応する?

LIMO / 2020年4月19日 10時0分

東京封鎖デマのチェーンメールを送ってきた母。「帰ってこい」を連発する親の不安にどう対応する?

東京封鎖デマのチェーンメールを送ってきた母。「帰ってこい」を連発する親の不安にどう対応する?

国をあげて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止に努める日々が続いています。

多くの人が不要不急の外出を控えている中、ネット上では感染が拡大する都心を離れ、地元に帰る「コロナ疎開」というワードも広がりました。感染者の少ない地方への帰省や旅行による日本全国への感染拡大も問題視され、ついに4月16日には緊急事態宣言の全国拡大が決定されました。

毎日テレビから流れる新型コロナ報道によって不安が増し、実家に住む親からさまざまな連絡が来ている人も多いでしょう。筆者は帰省を促されただけではなく、デマ情報が書かれたチェーンメールが実家の母から送られてきました。

感染拡大防止のため実家帰省を避けて家で耐え忍ぶ必要のある今、実家の親に対してどんなコミュニケーションが必要なのかを考えました。

3月下旬の「東京がもうすぐ封鎖される」というチェーンメール

60代の母から「知り合いからこんなメールが来たから転送します。早くこっちに帰ってきたほうがいいんじゃない?」というメールがきたのは3月下旬のことでした。

中身を読むと、「テレビ関係者から聞いた話によると、4月2日に東京がロックダウン、封鎖されることがもうすぐ政府から発表されます。このメールをあなたの大事な人にまわしてください」といったことが書いてありました。そう、デマのチェーンメールです。

母はスマホを持ち始めて3年ほど。それまではガラケーを使っていましたが、こうしたチェーンメールを送ってきたのは今回が初めてのことでした。スマホを持ったことに加え、今は子育てがひと段落したことで気軽に連絡を取る知り合いが増えたことも要因の一つだと思いました。

母がこのチェーンメールの内容を信じ、「子どもに知らせなきゃ!」と送ってきたのは子を思うがゆえの善意であることを筆者はもちろん理解していました。

しかし、「これはデマだと思うよ。もう誰にも回さないほうがいい」とメールで伝えても、「デマかもしれないけれども、とりあえずこっちに戻ってきたら」と帰省を促すばかり。

電話やメールだけでなくテレビ電話で会話する

その時期、筆者の実家があるのはまだ感染者が出ていない数県のうちのひとつでした。母は連日の報道で「東京は危ない」、「東京が封鎖されたら買い占めが起こり、生活もできなくなるかもしれない」といった危機感が植え付けられてしまったのでしょう。

メールで必死に「帰省も危ないから、自分の家にとどまっているから大丈夫」と説明してみましたが、余計に心配させたり誤解が生じたりしていたので、筆者はすぐにテレビ電話をつなげて母と顔を合わせて会話することに。これが母が冷静になるうえでとても効果的でした。

今では3日に1度ほどのペースでテレビ電話をするようになった筆者。連日「今日の東京の感染者は〇〇人」といった報道が流れる中、テレビ電話でしっかりと顔を見てこちらの状況を伝えることは、遠く離れる親にとって非常に大切なことであることを実感しています。

「絶対に必要」ではない荷物の送付を断る

マスクをはじめとして食料品や医薬品の買い占めもたびたび起こっているために、親が「必要なものがあったら送るから」とこちらを気遣ってくれている人も多いでしょう。

筆者の母もデマのチェーンメールを送ってきた直後に都心における食料品の買い占めを心配して、お米や醤油、野菜などをパンパンに詰めた段ボールを連日筆者のもとに送ってきたことがありました。テレビで報道された買い占めの状況を見て、筆者を相当に心配したようです。

しかし後日、筆者含めた子どもたちのもとに送るために母が地元のスーパーで買い占めのような食料品の買い方をしていることが判明。母の行動は地元スーパーで品薄の原因にもなるだけでなく、このコロナによって配達量が急増している宅配業者の負担も少なからず増やしていたのです。

これも子どもを思う気持ちから出た行動ですが、筆者の近所のスーパーでは特に毎日の生活に困るほどの品薄にはなっていません。そのため、母には「今、絶対的に必要なものは足りているから、こちらに送るための買い溜めはしなくて大丈夫だから」とこれまたテレビ電話で伝えました。

コロナが収束した後の帰省を伝える

テレビ電話で定期的に近況を伝え、安心してもらえるように努めていても、やはり顔を合わせることに勝る安心材料はありません。そのため近況を伝えるだけでなく、コロナ収束後の帰省の意思も忘れずに伝えるようにしています。

もちろん今はいつコロナが収束するかという目途はわからないため、詳しい日程は決められません。しかし、離れた場所に住む親が「今すぐこっちに帰ってきて」と不安に駆られている場合には、「今は辛抱の時期。コロナが落ち着いたらきっと帰るから」と言葉にすることはとても大事なことだとひしひしと感じています。

実際に筆者の母は、スマホの画面を通してですが、徐々に冷静さや落ち着きを取り戻しているように見えるからです。

今回のコロナによって、筆者は自分たちの親世代が未知のウイルスの存在そのもの以上に、デマやメディアの情報にうまく対処できない現状を見て取りました。

筆者の友人にも話を聞いてみると、「感染拡大防止のためにも地元に帰ってくるな」という連絡を受け取った人はゼロ。筆者と同じように「ロックダウンの前に早く帰省しなさい」という連絡を受け取った人が多く見られました。

デマや不安を煽る情報に踊らされ、子どもを心配する気持ちに拍車がかかって冷静な行動が取られなくなっている親は少なくないのでしょう。こんなときだからこそ、いつも以上に親とのコミュニケーションを密に取ることが大事になってくるのではないでしょうか。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください