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緊急事態宣言で「在宅勤務推奨」実際に家で働いてみてわかったこと

LIMO / 2020年4月17日 10時15分

緊急事態宣言で「在宅勤務推奨」実際に家で働いてみてわかったこと

緊急事態宣言で「在宅勤務推奨」実際に家で働いてみてわかったこと

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、推奨されることとなった在宅勤務。政府は通勤者の7割削減を目指していますが、一方で、急に「数日中に社員が家で仕事をできるようにしてください。」と言われて、対応できる企業はどのぐらいあるものなのでしょうか。

また、実際にテレワークを開始した方から聞いた「家で働くこと」についてのメリット・デメリットも、一緒にみていきましょう。

テレワークの昨年度の導入状況は?

まず、昨年度、公開された総務省の「平成30年通信利用動向調査の結果(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/190531_1.pdf)」(2018年10~12月に調査。2019年5月発表)から、テレワークの実施状況について見てましょう。なお、この調査は、世帯(個人)調査と企業調査から成り、通信サービスの利用状況、情報通信関連機器の保有状況等について、調査したものです。

ちなみに、「テレワーク(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/telework/18028_01.html)」とは、総務省のHPによれば、「ICT(情報通信技術)を利用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」と定義されており、「在宅勤務」は雇用型のひとつの形態であるとされています。

企業におけるテレワークの導入状況(常用雇用規模100名以上の企業)

・導入している:19.1%
・導入予定がある:5.2%
・それ以外:10.8%

個人のテレワークの実施状況(20歳以上の世帯主がいる世帯および6歳以上の構成員)

・実施した:8.5%
・実施してみたい:7.2%
・どちらかといえば実施してみたい:10.8%
・それ以外:75.5%

そもそもの政府のテレワーク推進の動きは、『働き方改革』と『東京オリンピックの備えての公共交通機関の混雑緩和策』を目的としたものでした。しかし、このところの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的感染拡大により、『テレワークの導入をしている』『導入予定がある』という企業の比率は増えているものと予想されます。

また、個人のテレワークの実施状況も、調査当時よりは『実施した』『実施してみたい』『どちらかといえば実施してみたい』と考える人は増えていることが予想されます。

テレワークの準備にてんやわんや

今回の緊急事態宣言を受けて、社員をテレワークにシフトさせるために働いている人たちのお話を聞いてみました。

・「急にテレワーク導入が決まったので、社内システム部門は残業続きです。」と語るのは金融機関に勤務するAさん。他の部門の人にテレワークをさせるために、一人一人のPCに専用のアプリケーションをインストールし、実際に家に持ち帰ってもらって接続できるかを試してもらい、接続できなければ調整…ということを繰り返しているからです。「社内と違い、家庭のネット環境はそれぞれに違います。だからうまく接続できない原因もそれぞれ。1回でOKという人は少なくて、それだけにやってもやっても終わらないという感じです。」

・業務システムを開発する企業に勤務するBさんは話します。「社外から自社のシステムに接続し、自宅等で作業ができるというのは、以前から可能にしていました。ただ、社員に在宅勤務をさせようという意図ではなく、出張などの理由でリーダ―クラスや中間管理職の人が、出先でも社内システムに繋いで仕事をしなくてはいけないときに、モバイルワークを可能とするために準備したものだったんです。

だから、そういったセットアップがされていたのは、会社にあるモバイルワーク用に準備した数台のノートPCだけ。しかも、メンテナンスではお客様のデータを触ることもあるということで、そのPCの持ち出しには、様々な社内手続きを経る必要があります。

さすがに会社も、手続きを簡略化し、オフィス用のノートPCを在宅勤務用にシフトさせるなどの対策をとりはじめましたが、ほとんどの社員は社内ではデスクトップPCを使っています。ノートPCは台数も少なく、まだまだ全員にはいきわたらず、在宅勤務にシフトできない人は時差出勤や時短勤務でしのいでいるといった状況ですね。」

いざはじまってみると…

続いて、実際にテレワークを開始した人たちのお話も聞いてみましょう。

・「幼稚園児と小学生の子どもがいるので優先的にテレワークに切り替えさせていただきました。会社には本当に感謝しています。」と話すのは2人子どもの母でもあるCさん。「でも、仕事をしているときに、子どもが横でテレビを見だしたり、話しかけてきたりで、思ったより集中できないんです。

子どもたちに言い聞かせて、ようやく気分が乗ってきて仕事が進みだしたと思ったら、今度はご飯の支度をする時間…。家事をしていたら、また集中が途切れてしまって…の繰り返しで、正直はかどりません。一斉休校でなければ、通勤もないし、家のことも少しはできるし、自宅で仕事も結構いいなって思うのですが…。」

・Dさんは、とある企業の中堅サラリーマン。「社内システムへの接続ができた後は、比較的スムーズにテレワークへの移行はできたと思います。一軒家で、仕事用の個室を確保できましたし、妻も子どもも協力的なので助かりました。

ただ、会社にいる時ほど効率よくとはいきませんね。机も椅子も、『ちょっとインターネットができればいいや』ぐらいの感覚でそろえたものなので、長時間座っていると腰や背中が痛くなります。ネット回線も、仕事を意識して選んだものではないので、オフィスにいるときよりは、ファイルのアップロードやダウンロードなども遅く感じます。

通勤しなくても仕事はできるものだなと思う反面、仕事をするにはそれなりの環境をそろえることは必要だなとは感じました。ただ、今回は短期間の話。自宅で仕事をするためにそこまでの設備投資を自己負担でするかというと…。悩みますね。」

まとめ

イメージ的には、パソコンとネット環境さえあればすぐにできそうなテレワーク。でも、切り替えるにも、それなりの時間と労力がかかり、いざはじめてみても、自宅の環境が整っていないということで、いつも通りの仕事のパフォーマンスが出せないという人もいるようです。

これを機に、テレワークという働き方が一気に浸透していくと思われます。今は慣れないテレワークでも前向きに取り組んでいく姿勢が大事なのかもしれません。

【参考】
総務省「テレワークの推進(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/telework/18028_01.html)」
総務省「通信利用動向調査の結果(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/190531_1.pdf)」平成30年

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