金融機関が教えない本当に「使える」「使えない」金融商品の見分け方
LIMO / 2020年4月18日 19時10分
金融機関が教えない本当に「使える」「使えない」金融商品の見分け方
老後資金に向けの「資金形成」や手元資金の「資産運用」を始めようと思ったときにどの金融商品を活用してよいかわからないという方も多いのではないでしょうか。一口に金融商品といっても、保険、投資信託、株式、為替、仮想通貨と様々です。
銀行や証券会社買う意味のある金融商品とは?
様々な金融商品がありますが、この中で資産形成、資産運用初心者は始めやすいのが「投資信託」です。
最近では銀行でも保険をすすめてくることもありますが、保険の特徴は保障性であり、運用性でいえば投資信託ということになります。
保険であれば、なにも銀行や証券で買う必要はありません。実際に保険の販売で伸びているチャネルは保険ショップのような代理店であったりします。
また、投資信託でいえば、最近ではiDeCoやつみたてNISAというように、少額で非課税枠を活用できる国の制度も充実しています。まだこれらの制度を使って資産形成や資産運用を始めていない方も気になっている人も多いかと思います。iDeCoやNISAを始めるにあたっても、インターネット証券の方が品ぞろえも多いケースがほとんどで、また便利です。
こう考えると、銀行などの金融機関の店頭で金融商品を選ぶ意味はどこになるのかなと思ってしまいたくなります。
人が対応してくれる良さは過小評価できない
ただ、いざ保険や投資信託を始めようと思っても、商品の数が多すぎてどの銘柄にすればいいのか迷うところです。
銀行や証券会社などの金融機関に出向き、銀行員や営業スタッフに相談できるということは初心者にとってはどことなく安心感があります。そして、おすすめされたものをそのまま選ぶという方もいらっしゃるでしょう。
しかし、金融機関でおすすめされた金融商品がいいものかどうかは自分自身で判断しなければなりません。
そこで今回は金融機関では教えてくれない本当に使える、もしくは使えない金融商品の見分け方をご紹介します。
金融機関がすすめる金融商品の特徴とは
金融機関では、特徴のある金融商品を進めてくる傾向があります。続いて見てきましょう。
【その1】話題の商品をおすすめ
1つ目の特徴は、お客様も多少は知っているかもしれない、話題の商品です。
金融機関では、「この金融商品を前面に押し出して販売していこう」という狙いがあるケースが多いです。もっとも金融機関でなくとも、販売戦略はどの企業もあることですし、これ自体は珍しいことではありません。
メディアで取り上げられている金融商品であればなんとなく安心感があるというのは顧客側に立てば分からないでもないという気はします。
たとえば、運用報酬の安い(購入手数料が無料で信託報酬が安い)インデックスファンドもメディアで頻繁に取り上げられるのでとりあえずインデックスファンドと思っている方が多いのはそうしたケースの一つともいえるのではないでしょうか。
さて、金融機関では、その人のライフスタイルや貯蓄からその人にあった金融商品を判断し、当然おすすめすることが求められます。
しかし、そうしたスタンスで商品をすすめるのではなく、「とりあえず投資信託を始めるならこの金融商品がおすすめです」「話題の商品ですよ」とすすめてくるケースはあります。
ただし、話題であるということと本当に良い商品であるかどうかというのは別問題ではあるというのは頭に入れていきたいです。
【その2】手数料が高い
2つ目の特徴は、手数料の高い金融商品であることです。手数料というのは、銀行の利益につながるため手数料の高い金融商品を売れば売るほど、金融機関から販売員への評価が高くなります。金融機関の営業スタッフは社内で評価を得るために、手数料の高い金融商品を売るケースが多いのです。
たとえば、投資信託の手数料には大きく分けて2種類存在しており、購入時のみ発生する「購入手数料」と運用期間中に発生する「信託報酬」があります。「信託報酬」はさらに、販売会社、運用会社、信託銀行の取り分などに分けられます。
また、保険にも手数料は存在します。投資信託よりは見えにくいですが、銀行で保険をすすめてくるのはそのためです。どの手数料を重視しているかは、金融機関によって異なります。
また、購入手数料は安い(もしくはゼロ)が、信託報酬が高いというケースもあります。金融商品を選ぶ際は手数料にも注意が必要です。
【その3】複雑な金融商品が多い
3つ目の特徴は、複雑な金融商品であることです。
たとえば、貯蓄性保険では、運用内容においてどのようなものにどのように投資されているのかが見えにくかったり、投資信託では、配当金が出るタイミングが違ったりするなど、その金融商品ごとに仕組みが違っています。
金融商品を購入するときには、こういった金融商品の仕組みを理解したうえで、どのようなリスクがあるのかを判断する必要があるのです。
金融機関では複雑な仕組みの金融商品を売ることで、簡単には他の金融商品と比較できないようにしています。
これから金融商品を選ぶ場合、できるだけシンプルでわかりやすい仕組みの金融商品を選ぶのがおすすめです。
使える金融商品か、使えない金融商品かの見分け方
金融機関が進めてくる金融商品の特徴がわかったところで、実際に使える金融商品かどうかの見分け方が気になるところです。ここでは、本当に使える投資信託の見分け方を解説します。
【その1】純資産総額
純資産総額とは、その金融商品に集まった金額のことをさします。現在その商品がどのくらいの規模で運用されているのか、というのがわかります。
純資産総額が大きい金融商品は、それだけ時間をかけて大きくなってきた金融商品だといえます。もちろん株式市場などの好調さを背景に大きくなっていることもありますが、その観点からは純資産がどのように増えてきたのかにもご注目ください。
また、純資産総額が小さいから使えない金融商品というわけではなく、将来性が見込める金融商品であれば十分に購入する価値があります。純資産総額は、あくまで金融商品を選ぶときの指標とするのがおすすめです。
【その2】過去の運用実績・パフォーマンス
金融商品を決めるときに過去の運用実績を参考にできます。運用実績を見るにあたって重要になるのが「ベンチマーク」と「パフォーマンス」です。
ベンチマークとは、その金融商品が目指している指標を表しているものです。日本株でいえばTOPIX、米国株でいえばS&P500、グローバル株式でいえばMSCIコクサイやMSCI ACWIなどです。
また、パフォーマンスは、その金融商品の運用成果や運用実績、また過去の価格の動きを指しています。
ベンチマークはポートフォリオ運営の指標となるため、ベンチマークに対してパフォーマンスが上回っているのかどうかが重要です。上回っていれば、それだけ過去の実績が優れている金融商品になります。
アクティブファンドでベンチマークを下回っている場合には、そのファンドのポートフォリオマネージャーの存在意義が問われることになります。
また、インデックスファンドはベンチマークに沿うような動きを目指すものの、信託報酬の費用の分だけ必ずベンチマークには負けることになります。
【その3】信託報酬
信託報酬とは、金融商品を保有しているときにかかる費用のことです。
長期的に運用するときに気を付けたいのが信託報酬です。金融商品を長い期間保有するため、できるだけ保有時にかかる手数料は低くしたいところです。
ただし、信託報酬ばかりに目を向けると他の手数料が高くなるケースもあります。全ての手数料のバランスを見て決めるようにしましょう。
最後は自分で判断して決めよう
金融商品を購入するときは、その金融商品の仕組みや特徴をしっかりと理解しておくことが重要です。
何も理解せずにおすすめされたものを購入してしまうと、金融商品の大きなリスクに気付くことなく運用することになってしまいます。
今回解説した「金融商品の見分け方」を参考に、自分にとって本当に使える金融商品を選択していきましょう。
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