年収3000万円超の「稼げる人」は、なぜ相手の話を否定しないのか

新型コロナウイルス感染症（COVID-19）対策において、時差出勤や在宅勤務など今まで以上に多様な働き方が求められている中、あらためて自分の働き方や収入について考える機会が増えたという方もいるのではないでしょうか。

国税庁の「平成30年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の年間平均給与は441万円でした。社会保険料や税金などを引いた手取り年収は、だいたい345万円くらいになるでしょうか。月々28万7500円ほどの手取りと考えると、十分とは言い難いかもしれません。

しかし世の中には、平均的な年収に近い金額をひと月で稼いでしまうような人も存在します。そうした「稼げる人」である知人（IT系個人事業主と起業家）と話していたときに、2人の考え方や行動にはいくつかの共通点があることに気が付きました。

その共通点を真似していけば、もしかしたら「稼げる人」に一歩近づけるかもしれません。どのような共通点があるのか紹介していきましょう。

稼げる人の共通点①：決断が早い

まず2人には、とにかく決めるスピードが早いという共通点があります。「失敗したらどうしよう」などと、くよくよと悩むことはありません。稼ぐために必要だと思うものは、すぐに取り入れます。

「お金がない」という理由で決断できない人もいますが、2人ともそれほど稼いでいなかったときから、バイトを増やすなり、借りるなりして、何とかお金を用意していたそうです。

また、何かをやめる、手放すときの決断も早く、「これだけ長い時間続けてきたのに」「高いお金を払ったのに」と惜しむこともありません。

なぜそんなにすぐに決められるのかを聞いてみたところ、「目標が明確だから」と。1カ月後、1年後、数年後にどうなっていたいのかがはっきりしているので、そのために必要か不要かを判断すればよいだけ。「忙しいので悩んでいる時間がもったいない」とも言っていました。

ここまでの決断力をすぐに身に付けるのは難しいかもしれませんが、「いつまでにどうなっていたいのか」という目標を立てることはできるのではないでしょうか。目標が決まれば、達成のために何が必要なのかが見えてくるかもしれません。

稼げる人の共通点②：行動が早い

稼げる人は決断した後の行動も早いものです。必要なものはすぐに購入しますし、予定を聞けば「〇日と〇日の何時からなら空いている」とすぐに決まります。

身近な話でいうと、「歓送迎会や会食などが続いて最近太ってしまった」と言っていた方が、2カ月後にお会いしたときにはもう5kg減のダイエットを終了させていました。

また、この方は最近子どもが産まれたのですが、１人で赤ちゃんを連れて出かけることもありますし、ミルクをあげたりおむつを替えたりお風呂に入れたりと育児もこなしています。やるべきことは、「忙しい」「やったことがないから不安」などと理由を付けずにすぐに取りかかるのです。

やらなきゃいけないとわかっていても、ついつい後回しにしていることはないでしょうか？ まずはそれを片づけることから始めてみましょう。

稼げる人の共通点③：環境を整えるための投資を惜しまない

稼げる人は、仕事を円滑に進めるための環境づくりに投資しています。1人は誰も雇わず自分だけで仕事をしているので、モチベーションを維持するために定期的に仕事をする場所を変えています。

もう1人は人を雇っていますが、「気持ち良く働いてもらうことで、より仕事がうまくいく」と考えていて、成果を上げる人の給与を平均よりもかなり高く設定したり、誕生日にはプレゼントを渡したりと、いろいろな面で気を使っているそうです。

会社員だと仕事をする場所を自分で決めることはなかなか難しいですが、自分のデスク周辺をきれいに保つ、絵を飾るなど、モチベーションや業務効率を上げる方法を見つけることはできますね。周囲の人と気持ち良く過ごせるように工夫しながら、自分の仕事をうまく進めるにはどんな環境が必要か考えてみましょう。

稼げる人の共通点④：人の話を否定しない

人と話をするときに、「そうじゃない！」「違う違う」と否定から入る人がいますが、稼げる人は頭ごなしに相手の話を否定することはありません。

必ずしも自分の考えが正しいとは限らなかったり、自分とは違う新たな視点を得られる可能性もあることを知っているので、「自分とは違うな」と思ったとしても、きちんと話を聞くようにしているそうです。

仕事相手の中には、「この人はきちんと話を聞いてくれる」と信頼できるまでは、重要な話をしない人もいます。実際に、しっかり対話して信頼関係ができてから大きな仕事を依頼してくれるようになった、クライアントを紹介してくれた、というようなこともあったそうです。

初めから否定してしまうと「話を聞いてくれない」と相手が心を閉ざしてしまい、せっかくのチャンスを逃してしまいかねません。普段から相手に不快な思いをさせていないか、話し方と聞き方には十分に気を付けていきたいものですね。

おわりに

「稼げる人」は常に目標が明確で、決断や行動のスピードが速いという共通点がありました。また、どこにチャンスがあるかがわからないので、いつも周囲の人や環境に気を配っています。

もし身近に「稼げる人」がいたら、どういう行動をしているか、なぜその行動をとるのか観察して、少しずつ真似してみましょう。初めはただ真似していたことが、自分自身の習慣に変わったときには、あなたにも大きな変化が訪れているかもしれません。

【参考】「平成30年分民間給与実態統計調査結果について（https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2019/minkan/index.htm）」（国税庁）