夫の身体を気遣ったはずが…逆にギクシャク。家族間で生まれる溝
LIMO / 2020年4月20日 10時15分
![夫の身体を気遣ったはずが…逆にギクシャク。家族間で生まれる溝](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_16988_0-small.jpg)
夫の身体を気遣ったはずが…逆にギクシャク。家族間で生まれる溝
日本国内でもますます増え続ける新型コロナウィルス感染症(COVID-19)。最前線で活動している人たちに加え、家族や大切な人を守るために多くの人々が自粛を続けながらさまざまな情報を集め対策を練りながら各自ができることを実行しています。
しかし、そんな情報を良かれと思って伝えたところ家族間がギクシャクしてしまった…そんなお話もあるようです。これもコロナショックといえるのでしょうか。
夫の身体を気遣ったはずが
60代の夫婦二人暮らしのYさん。ご主人は長年の喫煙歴と飲酒習慣、高血圧の症状があるため、コロナウィルスが流行し始めたころからYさんは夫の体調を気にしていたそうです。
「ニュースをみるたびに、肺炎症状の怖さを痛感していました。ここ数年、夫には禁煙を何度も勧めてきましたが夫は『煙草をやめたら生きる楽しみがない』というような人なんです。せめて本数を減らしてくれればと思っていたのですが、それもなかなかうまくいきませんでした。今回もコロナのニュースを見ながら『怖いなー』なんて言いながら煙草を吸っているので…本当にその怖さをわかっているのか?疑問に思っていました」
高血圧の症状もあるので、こんな時世だしお酒か煙草どちらか減らしたら?と提案したYさん。しかし、ご主人はムッとして「俺の人生だ!噂レベルのことでいちいち細かいこと口出ししてくるな!」と大きな声を出されてしまったそうです。
せめて3密を避けてほしい
自分の体調のことに対し真剣に向き合ってくれない夫に対し、危機感を募らせたYさん。「リスクのあるといわれるものを減らすことができないのなら、せめてウイルスに感染する機会を減らせないものか」そう考えたYさんは、夫の趣味であるジムや居酒屋での食事といった「3密」空間になりやすい場所への出入りを控える様、初期の頃から夫に伝えていたといいます。
しかしご主人は「馴染みの店の売り上げが落ちているときに裏切るような情の薄いことはしたくない」「ジムにいかなくなったら急激に筋肉が衰えて、俺は歩けなくなるかもしれない」などの理由をつけては生活スタイルを変えようとしなかったそうです。
「確かに、夫が行く場所は私も顔なじみで先方の売り上げや生活の心配をする気持ちもわかりました。でも、健康な若者だってときには重症化することもあるようなものに対して、60才を越えたハイリスクといわれる夫が無防備で向かっていくのは危険すぎます。『落ち着いたら顔を出せばいいじゃない』と説得しても『俺がいかないで店がつぶれたらお前はどんな気持ちだ!』と反論されてしまいました。
夫が大将を心配する以上に、私だって夫が心配です。身体のダメージは予測がつかない分、夫にとっては行きつけの店の経済的ダメージの方がよっぽどリアルに感じられていたようです」
娘や孫を使っての最後の訴え
ニュースを見ているとますます事態が深刻になり、夫の行動を見守ることが我慢の限界に達したYさん。今まで一人で悩んでいましたが、遠方に住む娘さんに電話で事情を説明し、夫の説得を一緒にしてもらうことにしたそうです。
「夫は普段から私のいうことは馬鹿にして全く聞かない人でした。とはいえ、今回のような非常事態。ニュースを一緒に見ているのだから自分で危険を感じ取ってもらいたい、そんな願いもありました。しかし、残念ながら夫にはそういったことはできない。とはいえ、このまま感染して命を落とすことにでもなったら私も娘もきっと後悔する。そのことを私の口ではなく娘の口から言ってもらえるようお願いしました」
趣旨を理解した娘さんはYさんのいない時間を見計らってお孫さんと一緒にテレビ電話をかけてくれたそうです。「収束したら孫を連れてたくさん遊びにいきたい。そのためにも自分の身体の状況を考え、今だけ我慢して欲しい」普段親に意見などしない娘さんの必死の訴えに「酒と煙草は減らせないけれど、なるべく家にいる」と約束してくれたYさんのご主人。娘さんから約束をしてもらった報告を受けたYさんはホッと胸をなでおろしたそうです。
しかし、電話のあとYさんがご主人の元へいくと「お前があいつらを使って言わせたんだろう。姑息な手を使うんだな」と苦々しい表情で吐き捨てられてしまいました。ご主人は前より出かけることが減ったといいますが、しばらくの間、Yさんへの恨み言が増え家庭内は以前よりも冷え切った状態になったといいます。
まとめ
政府やメディアが訴える「自粛」という言葉にはさまざまな受け止め方があることを痛感したYさん。感覚が違う家族を守ることの困難さを感じたそうです。ギクシャクした家庭内の空気は重く、ストレスを抱えることに。自分のいうことなど気にもとめてくれない夫に対し「他国のように警察が出歩く夫を止めてくれたらいいのにと何度思ったことか…」と語ってくれました。
不要不急の外出を続けることは自分の身を危険にさらすことに加え、他の人を巻き込んでしまうリスクもあります。そんなことを一人でも多くの人が理解し「STAY HOME」を実行してくれることを願ってやみません。
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