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米国失業保険申請件数の衝撃、新コロナ不況による大失業時代突入

LIMO / 2020年4月20日 11時0分

米国失業保険申請件数の衝撃、新コロナ不況による大失業時代突入

米国失業保険申請件数の衝撃、新コロナ不況による大失業時代突入

日本の雇用はどうなるのか

新型コロナウイルス(新コロナ)感染症により、ヒトの動きだけではなく、経済も止まっています。4月16日に米国で発表された失業保険の申請件数は4月11日までの1週間で524万5000件となっています。

米国の失業保険の新規申請件数の規模とは

過去4週間の累計申請件数は約2200万人となり、米国の労働人を考慮すると約8人に一人が仕事を失ったことになります。一言でいえば、大事件です。ちなみに、後述しますが、2200万人というのは、日本の製造業と小売業などの就業者数すべてを足した人数です。

日本は米国のように人員削減が容易ではありません。したがって、短期的に米国のような失業者数にはなるとは思えません。しかし、新コロナが長引けば、雇用市場には少なからず影響が出てくるはずです。

今回は、米国の状況も参考にしながら、日本の産業別の雇用を振り返り、最後に私たちはどのような準備をしておけばよいかを見ていきます。

日本の産業別就業者数とは

2020年3月31日に発表された2020年2月分の総務省統計局「労働力調査(基本集計)」(https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf)を見てみましょう。

2020年2月時点の産業別就業者数は以下の通りです。

農業、林業:175万人
建設業:503万人
製造業:1053万人
情報通信業:230万人
運輸業、郵便業:348万人
卸売業、小売業:1095万人
金融業、保険業:154万人
不動産業、物品賃貸業:133万人
学術研究、専門・技術サービス業:226万人
宿泊業、飲食サービス業:405万人
生活関連サービス業、娯楽業:237万人
教育、学習支援業:330万人
医療、福祉:860万人
サービス業(他に分類されないもの):455万人

こうしてみてみると、日本の産業別就業者数を見ると、国内においては、「製造業」と「卸売業・小売業」の就業者数が1000万人を超え、この2つの産業が主要産業ということが言えます。また、これらについて多いのが、現在、新コロナ感染拡大により、現場でご苦労いただいている「医療、福祉」となります。

今回の新コロナにより、影響を受けていない産業などはほとんどないに近いですが、やはり就業者数の規模を考えると、自動車などを中心とした「製造業」がストップしてしまうことが懸念点といえます。

生産ラインは自動化も進んでおり、「三密」の状況には必ずしもないとはいえませんが、それでも人が全くかかわらない工場というのもまたないのは事実です。今後は、どのタイミングでメーカーの国内工場が再稼働するのかは注目ポイントです。

「小売業」は食料品店やドラグストアなどの一部のカテゴリーは必要不可欠な存在として営業を続けていますが、嗜好品を取り扱う小売店は休業をしています。こうした状況が続くと、就業人口の多い産業ですから、失業者数が増えかねません。

また、注目すべきは「宿泊業、飲食サービス業」です。就業者数は決して少なくないですし、現在の状況を考えると、すぐに営業開始をしても顧客が来てくれるかどうかは不透明です。

日本の雇用市場の現状とは

もっとも、2月時点で日本の雇用市場が大崩壊しているかといえばそうではありません。

以下に、産業別就業者数の対前年度同月比(%)を見ていきたいと思います。
尚、マイナスは▲で示します。

農業、林業:▲1.7%
建設業:+1.4%
製造業:▲1.4%
情報通信業:▲2.1%
運輸業、郵便業:▲0.3%
卸売業、小売業:+4.2%
金融業、保険業:▲4.3%
不動産業、物品賃貸業:+6.4%
学術研究、専門・技術サービス業:▲0.4%
宿泊業、飲食サービス業:▲1.5%
生活関連サービス業、娯楽業:+0.4%
教育、学習支援業:▲0.6%
医療、福祉:+3.0%
サービス業(他に分類されないもの):+0.4%

こうしてみてくると、産業別の凸凹はあるにせよ、まだ、失業率が一気に上がっているという状況ではありません。

雇用者の規模は異なるとはいえ、米国の4週間で約2200万人の雇用が喪失されたというのは驚くべきことですし、恐ろしいことです。2200万人をイメージしようとすると、日本の製造業と卸売業、小売業を足した規模です。

大失業時代に向けて何が準備できるのか

ここからは、今後もしかしたら直面するかもしれない大失業時代に備えて、なにを準備しておくべきかについて考えてみましょう。

【その1】オンライン作業スキルの獲得

まずは、引き続き新コロナ時代が続くという前提で、失業しても仕事を探すというスタンスで、オンライン作業ができるスキルを身につけておきたいです。それは、Zoomやスラックが使えるというテクニカルな話だけではありません。

私もテレワーカーを8年近く続けていますが、オンライン上でグループ内コミュニケーションを円滑にとることは、リアルよりはるかに難易度が高いです。相手の顔が見えず、感情の起伏がよくわかりません。スラック上などで、テキストで書き込みをしたのちに、しばらくして、相手が激高して手が付けられないような状況にもなっていることがあります。基本的には対面で話せばそこまでの話ではなかったということになるのですが、これがオンラインワークの現実です。

【その2】生活固定費を下げ預貯金を確保

すでに多くの方が在宅勤務などを経験されると思いますが、その生活が続くという前提で、どこのキャッシュアウトを削ることができるのかというのを検討して、即実行しておくべきです。

【その3】収入補償の保険などの検討

民間の保険会社が収入保障の保険を提供しています。保険とは、聞こえは良くないですが、保険会社と保険契約者との間で、被保険者が何か不幸な出来事に出会ったときに、保険会社が保険契約者に対してお金を支払う契約です。自分の収入が途切れる可能性が高いと判断するのであれば、検討してみる価値はあります。

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