コロナ禍で授業参観も運動会も中止。保護者参加型の学校行事は激変する?
LIMO / 2020年4月26日 10時45分
![コロナ禍で授業参観も運動会も中止。保護者参加型の学校行事は激変する?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushin1/toushin1_17019_0-small.jpg)
コロナ禍で授業参観も運動会も中止。保護者参加型の学校行事は激変する?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による緊急事態宣言の全国拡大で、学校再開の延期や再休校が広がっています。そのため、例年4月や5月に行われる授業参観、運動会にも中止や延期の動きが出てきました。
仮に学校が再開されても、親が参加する学校行事の多くは中止になったり秋以降に延期になると考えられます。学校行事は多くの人が集まるため、いわゆる「3密」を避けるのが難しい場合が多いからです。今年度に関しては、様々な行事が中止となるのもやむを得ない状況でしょう。
保護者参加型の学校行事は「密」になりがち
学校行事で親が参加するものは限られてはいますが、いずれも大勢の人が集まり新型コロナウイルスの感染拡大条件に当てはまる状況を作ってしまいます。
授業参観では教室の後ろに所狭しと親が並び、低学年の場合は祖父母が顔を出すこともあります。1人の生徒に対し、2人から3人の家族が授業参観に来ると、60人以上の大人が同じ空間にいることになります。もちろん、入れ替わり立ち代わり他の兄弟姉妹のクラスへ移動するものの、授業参観が3密状態を招くのは間違いないでしょう。
学年別やクラスごとに分散して実施したとしても、密集状態を完全に作らないのは極めて困難です。そのため、学校が再開になっても授業参観の実施は見送られるのでは、と予想していました。そんな筆者の元に、小学校から中止行事のお知らせを伝えるメールが届いたのです。
夏休み前の授業参観や運動会は中止
筆者の子供たちが通っている小学校では、夏休み前に予定されていた授業参観や運動会が中止となりました。いずれも、大勢の人が学校に押し寄せるイベントです。特に運動会は朝早くから校庭での場所取りが繰り広げられ、祖父母を筆頭に親戚一同が集まることも珍しくありません。
運動会の短縮化は進んではいるものの、昼食を挟む学校もあります。屋外であっても、お母さん同士が立ち話をしたり、条件の良い場所にはシートやテントが立て込むなど、距離感が近く感染防止とは程遠い状況になるでしょう。
運動会は練習にも相当の時間が費やされる上、団体行動が多い特徴があります。演目によっては児童同士が接近したり、大声を出すこともあります。実施するにはこうした感染リスクを背負わなければならないため、学校側としても中止の決断はやむを得なかったことでしょう。
子供の反応はというと、意外とあっさりしており、「こんな状況でやるのは無理だと思っていた」と、親が思う以上に現実を冷静に受け止めていました。
学校側は秋以降の行事にも慎重になる?
運動会や授業参観には準備期間が伴います。運動会は1カ月前から練習が始まることが多く、連休明けから学校再開となっても、授業を潰してまで行うメリットがあるとは言えません。授業参観も学年ごとに何の科目を行うのか会議を重ねたり、参観後の保護者会の資料作成などに時間を費やします。
コロナ禍が続けば、自ずと授業が最優先されるため、感染の危険性かつ準備期間を必要とする行事は中止になるでしょう。それを踏まえると、秋以降の行事も実施するのかどうか慎重に検討されるはずです。
昔ながらの遠足は少なくなってきているものの、その代わり校外学習は盛んに行われています。バスに乗って目的地に向かい、行った先で一定時間室内に留まることもあるなど、コロナが収束していないと実施に踏み切るのにはリスクが伴います。
また、秋に保護者が参加する行事としては、学習発表会も今年度の実施は難しくなると考えられます。1カ月以上前から練習が始まる大イベントですが、これも大勢の保護者が体育館に集まることを考えれば、コロナ禍が完全に落ち着いていなければ早々に学校も中止の判断を下すと考えるのが自然でしょう。
コロナ禍は学校行事の見直しのきっかけになるのか
これまで、授業参観や運動会といった保護者が参加する学校行事は、昭和の時代から根本的な見直しはほとんどされてこなかったと思います。強いて言えば、インフルエンザで学級閉鎖となったクラスは年度末の授業参観を後日行うといった程度ではないでしょうか。
保護者参加型の行事は、子供の学校生活や成長を見られる貴重な機会なのは間違いありません。しかし、今回の新型コロナウイルスによる影響はこうした当たり前のことが見直されるきっかけになる可能性もあります。
コロナを完全に防御するには人との接触回数を極力控えることが第一歩ですが、無症状の人からも感染する場合があるため根絶にはかなりの時間がかかると考えられます。
そのため、来年度以降も、学校行事で感染の危険性を高めないためには、授業参観の分散化や運動会の短縮化、または高学年と低学年に分けて実施し、一度に大勢の人が集まらないよう工夫するなどの措置をとる学校が続出しても不思議ではありません。
学校行事は何事も準備期間が長く、直前になって中止を決めるのは勇気が必要です。感染者が断続的に出る自治体では、保護者が集まる行事を数年間行わない決定を下すことになるかもしれません。元々、3密の状況を生み出しやすい学校生活において、特に大勢の人が集まる行事の見直しは必至になるのではないでしょうか。
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