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【検証】日本株インデックス投信の長期つみたて投資は残念な結果に

LIMO / 2020年5月1日 18時0分

【検証】日本株インデックス投信の長期つみたて投資は残念な結果に

【検証】日本株インデックス投信の長期つみたて投資は残念な結果に

2020年4月末時点データでアップデート

株式市場では最近ではコロナショックともよばれる株式市場の大幅調整もあったが、4月もようやく終了。今回は日本株式インデックスの長期における投資リターンを検証すべく、日本証券所グループの開示データ(https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/monthly/00-archives-10.html)等をもとに、4月末のTOPIXの終値および3月末のTOPIX配当込み終値を用いてそのリターンを見ていく。

データ検証の前提について

TOPIXに毎月一定の金額を月末の価格(指数)で投資をすることにする。

投資期間は1年から20年間までを検証。

その間に投資したことによる超過リターンと年平均リターンを見ていく。

購入には手数料はなく、またインデックスファンドやETFに発生する信託報酬もゼロとする。

TOPIXの配当利回りベースについては別途記載。

結果

以下、投資期間、(つみたて投資をしてきた)ポートフォリオの超過収益、また年平均リターンを順に記載する。

20年 25% 1.1%
19年 26% 1.2%
18年 26% 1.3%
17年 24% 1.3%
16年 22% 1.3%
15年 22% 1.3%
14年 23% 1.5%
13年 26% 1.8%
12年 28% 2.1%
11年 26% 2.1%
10年 23% 2.1%
9年 18% 1.8%
8年 9% 1.1%
7年 -0.1% -0.02%
6年 -4% -0.7%
5年 -6% -1.3%
4年 -7% -1.9%
3年 -11% -3.8%
2年 -9% -4.7%
1年 -7% -6.6%

TOPIX株価指数のリターン結果から見えること

日本株を代表するTOPIXに毎月つみたて投資をしても、7年間以下であれば、超過収益はマイナス。7年を長いととるか短いととるかは人それぞれだが、決して短い期間ではないであろう。

7年間というと2013年からであるので、アベノミクス以降に日本株インデックスファンド(ここではTOPIX)のつみたて投資を始めた投資家は今回の前提に立てば決してハッピーな結果とはいえない。

日本株に20年もの期間、毎月つみたて投資をしていても年平均リターンは1.1%。もちろん預金金利水準よりは高いが。リスクが異なるので一概な比較はできない。

配当込みTOPIXベースで毎月つみたて投資をしたらどうなったか

ここでも先にみたように毎月つみたて投資をしたらどうなったかを見ていこう。開示データの関係上、ここでは以下の前提を置きたい。

配当込みTOPIX終値で毎月月末に投資をする。

投資期間は1年から10年間を検証する。

その間に投資したことによる超過リターンと年平均リターンを見ていく。

購入には手数料はなく、またインデックスファンドやETFに発生する信託報酬もゼロとする。

以下、投資期間、(つみたて投資をしてきた)ポートフォリオの超過収益、また年平均リターンを順に記載する。

また、ここでの基準は2020年3月末時点の株価指数(配当込みTOPIX)を使用している。

10年 35% 3.1%
9年 28% 2.8%
8年 17% 2.0%
7年 5% 0.7%
6年 -0.4% -0.1%
5年 -4% -0.9%
4年 -6% -1.6%
3年 -11% -3.9%
2年 -11% -5.7%
1年 -10% -9.7%

配当込みTOPIX株価指数のリターンから見えること

配当込みTOPIXのつみたて投資でみると、まず見えてくるのが、7年以上つみたて投資していないとそもそも時価が投資金額を上回っていないという悲しい事実である。

ただし、10年間つみたて投資をしていると、年平均リターンで3%台となり、まあ、悪くはないという水準となってくる。しかし、3%の複利を実現するのに10年を必要としている。

しかし、日本株式といえども株式のリスクを取っていることを考えると物足りなさを感じるのは私だけではないであろう。

TOPIXの配当利回りをどう考えるのか

TOPIXの株価指数をみても長期投資ではそれほどうまみがないことは見えてた通りだ。TOPIXの株価には配当影響が含まれていないので配当込みTOPIXを見てきたが、3%の年平均リターンを実現するのに10年を必要としている。

株を保有していれば、場合によっては(たとえば、最終利益を計上している企業については)配当がある。その利回りについて見ておきたい。

例えば、東証1部の銘柄の配当利回りは直近でみると前期基準ベースで2%程度である。加重平均でみると2%半ばを超えてくる水準である。これらが配当として投資家には還元がされる。

配当利回りで2%とといっても、先ほど見てきたように株価指数自体がさえないわけであるから、この配当利回りは決して軽く見ることはできない。

ただ、長期つみたて投資を実践する投資家は株式投資における配当を重視しているというよりは、本質的には株価指数としての上昇であろう。したがって、インデックスを配当利回りだけで評価するのも厳しい。

まとめにかえて

ここでは信託報酬をゼロとして算出したので、個人投資家が投資をする際の投資信託やETFの信託報酬分を考えれば、ここでみた数値よりもさらにリターンは下回る。

10年以上20年以下でみたときの株価指数としてのTOPIXの年平均リターンで1.1%から2.1%のレンジをどう評価するかである。配当込みTOPIXでみても3%台の年平均リターンを実現するのに10年を必要としている。

米国で知られる老後の資産運用及び資産の取り崩す割合の基準となる「4%ルール」があるが、ここまで見てきたリターンを考えると、老後に向けて日本株だけで運用しようとすると難しい印象だ。

「4%ルール」の前提となる資産上昇期待はS&P500が前提となっている。運用費用の低いインデックスファンドでも選択するインデックスを間違えれば、満足なリターンは期待できないといえる。

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