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「長時間残業がエライ」時代は終わり。若手社員とベテラン社員のホンネとは?

LIMO / 2020年5月10日 17時0分

「長時間残業がエライ」時代は終わり。若手社員とベテラン社員のホンネとは?

「長時間残業がエライ」時代は終わり。若手社員とベテラン社員のホンネとは?

「『残業が少ない』ことが、プロフェッショナルとして必要な条件」。大正製薬株式会社がこの4月に発表した「若手・ベテラン社員の仕事意識比較」によると、最近の若手社員はそう考えていることが見て取れます。

具体的には、「プロフェッショナルとして必要な条件・在り方は何か」という質問で、若手社員(働き始めてから5年以内)とベテラン社員(同20年以上)で最も差が開いたのは「残業が少ない」(若手 35%・ベテラン 22%)という項目でした。

少し前までは「残業が多い人」が評価されがちだった日本の社会。今回は、若手社員とベテラン社員の仕事に対する意識の差を見ていきます。

仕事がデキない人ほど遅くまで残っている

この春、社会人2年目を迎えたIT企業勤務のAさんは「残業ばかりする先輩は尊敬できない」と話します。

「同じ部署の先輩たちを見ていても、仕事がデキる人ほど早く帰っていく。デキない人はだらだら仕事をしていたり、資料に間違いがあってやり直しをしていたり、何度も手順を確認したりして時間がかかっている。成果は残業が少ない人ほど出している印象」とのことでした。

最近の20~30代には「効率的に仕事をする」とか「定時までに仕事を終わらせて自分の時間を楽しむ」というマインドが定着しつつあるようです。「尊敬できるのは、きちんと成果を出しつつも仕事をサクっと終わらせて帰宅し、自分の趣味に打ち込む人」というAさんの言葉は、そうした考え方を反映していると言えるでしょう。

「残業が多い先輩には、『定時』というものに対する意識が希薄な気がする。それに、残業する自分はすごくがんばっていると思っている様子」と言うAさん。

『残業多いですが、大丈夫ですか? 何か手伝いましょうか?』と聞くと『大丈夫!』と言う。心配なのはあなたのことじゃなくて、他の人が稼いでいるお金が効率の悪いあなたの残業代になっているから会社的に大丈夫じゃないんだよと言いたい」と辛辣なコメントも。最近の若者は残業が多い先輩をシビアに見ているようです。

「論理的に指示しない上司は無能」という価値観

続いて人材会社で働く3年目社員のBさん。「きちんと指示ができない上司は無能だと思う」と言います。Bさん曰く、部署内のマネジメントができていない管理職は、どんなに自分の仕事ができたとしても尊敬に値しないのだそう。

「うちの部署の場合、自発的に動く部下に対して『いい』『悪い』と言うだけの上司。それはマネジメントじゃないし、誰にでもできること。本来なら『今回収益がふるわなかったのはここに原因がある。こんな課題を抱えているから、それに対して何ができるか考えてくれ』というふうに、原因と課題をふまえて部下に何を考え、何をしてほしいのかを伝えるのが管理職の仕事だと思う」と話します。

管理職の場合、部下からも評価されているということをつい忘れがちかもしれません。しかし、最近の若手は管理職の働きについても厳しい考え方を持っている様子。

Bさんの言うことが正解というわけではないのでしょうが、管理職も自分なりのマネジメント像を確立し、きちんと部下に伝えていかないと尊敬できない上司に認定されてしまうかもしれません。

仕事に積極的な若手が減った?

続いて話を聞いたのは、金融機関で管理職として働くCさんです。「最近の若手はやる気がないのかわからないけど、イマイチ積極性がないと感じる」と言います。

「昔は『残業してでも仕事を早く覚えたいです!』というタイプが多かったけれど、今の若者は定時ですぐに帰る。もちろん社会の流れがそうだというのはわかるが、仕事への熱意みたいなものが感じられない」と話すCさん。最初に紹介したAさんとは逆の発想です。

「残業が多いヤツがエライというわけではもちろんないけれど、別の形でもいいから熱意を見せてくれるとうれしい」と言います。

そのCさんが驚いたことがあったそうです。「今年2年目になる部下の1人が、昔の若手みたいに残業して仕事を覚えるタイプ。部署の中でも圧倒的に残業が多い。それはそれで熱心だなと思っていた」と振り返ります。

「しかし、ほかの部下から『給料泥棒ですよ、彼。なんでCさんは注意しないんですか? まだ入社したばかりでできることが限られているのに、あんなに残業するなんて生活残業ですか?』とかなりの批判にさらされてしまった。その意識の差にびっくりしたし、ああいう残業は注意すべき対象になったのかと衝撃を受けた」と語ってくれました。

管理職の立場で見ると、いまだに残業が多い人ほど熱心に見えるのでしょうか。部下から指摘を受けて時代の変化に気付いたというのも社内でのギャップを象徴しているようです。

部下の適正を見極められないのはダメ上司?

また別の金融機関で管理職として働くDさんは、部下に言われた一言で頭を抱えていると言います。

「気の強い女性の部下に、『部長は部下一人ひとりの得手不得手がわからないんですか? 業務分担を明確にしてくれないとこちらがやりづらいです』と怒られてしまった。彼女は仕事がよくデキるけど、ほかの社員に足を引っ張られたり、もう少しというところで成果を横取りされたりして不快な思いをしてきたのだと言う」と明かします。

「そういうところは何回か見てきたので、彼女の気持ちは察するけれど、得意・不得意で部下の業務を割り振るというのがどうにも納得いかず…。ニガテなことにも取り組ませるべきだと思っていたし、得意なことばかりやらせていても成長につながらないと思う」とため息をつきます。

それに対して部下は、得意なことを任せたほうが本人のモチベーションが上がり、会社的にも効率的なリソース活用ができる。成長の機会を奪うわけではなく、得意なことでみんなが成果を出したほうが会社のためでは?という考えなのだと言います。

「半分納得できるけど、半分納得できないような複雑な気持ち」と浮かない面持ちのDさん。このあたりも、ベテラン社員と若手社員の考え方のギャップなのでしょうか。

おわりに

若手社員は仕事に対して意外とシビアな目を向けていることがわかりました。また、上司にも言いたいことをハッキリ言うようになっているようです。一方、ベテラン社員は自身が若手の頃にはそういう経験をしていないのでびっくりしてしまう、という話もありました。

こうした意識の差が大きくなるのを放置しておくと、トラブルの元にもなりそうです。ギャップに気づいたら早めの対処が必要かもしれません。

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