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「いつも一緒」から決別。ママ友と距離をとれたコロナ禍の副産物

LIMO / 2020年5月8日 10時15分

「いつも一緒」から決別。ママ友と距離をとれたコロナ禍の副産物

「いつも一緒」から決別。ママ友と距離をとれたコロナ禍の副産物

長引く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、すっかりお友達と疎遠になってしまったのは子供だけではありません。今までだったら子供を送り出した後、長時間立ち話をしていたママ友に気が付けばすでに2か月会っていないなんて人も。さみしいね…なんて口では言ったりしますが、実は今煩わしい人間関係を断捨離できるチャンスと感じている人もいるようです。

3月の「登園自粛」で別れた判断

緊急事態宣言が発表される以前、小中学校と違い幼稚園は一斉休園するところばかりではなかったようです。「自粛による欠席は出席カウントに入れない」という園も多く、「自治体の指示に従いながら最終的に出欠は親の判断」という措置が取られたそう。当時年長児だった息子さんを持つKさんは下のお子さんに喘息の症状があるので、登園に対し不安を感じていました。

「普段のランチ会やお友達との外出などのグループラインでは、私は決して自分から出欠の判断をするタイプではありませんでした。全体の出席状況を見つつ、みんなが行くなら参加、半々くらいで欠席してもばれない感じなら不参加。あまりにも出席者が少ないと集まり大好きのボスママが機嫌を損ねてしまうので、そういうときはなんとなくバランスを取って多少面倒に感じても参加といった中堅の立ち位置だと自分では思っていました。

今回、登園するかどうかについても当然のようにグループラインで話題に。ボスママの投稿は『あんまり子供を家に閉じ込めておくのもかわいそうじゃない?』というみんなで出席したいという意思が透けて見えるものでした。しばらくラインを見ていると『確かにうちの子も行きたいって』という意見が多数でました。みんな不安を抱えながらも、見えないウイルスより『自分の子供だけ行かせないでポツンとさせること』のほうが怖いのかなと思いました」

そんなグループの大半が出席予定で返信をする流れの中、Kさんは家族がハイリスクであることを理由に欠席することを投稿。クラスで自分ひとりであっても登園はしない意思をはっきりと書き込んだそうです。

「いつもぶら下がりの意見ばかりだった自分が初めてみんなと違うことをするのは、かなり勇気がいりました。それで気づいたのが、私は学生時代から『一人になりたくない』『みんなと違ったことをするのが怖い』と思ってきた延長上にいまだにいたということ。普通の時だったらいわゆる『金魚のフン』でいるのも浮かずに生きていく処世術だと思っていたんです。でも、子供の健康や命のことを考えたら、それってとっても小さいことだったんですよね。実際、欠席を伝えると『心配だね、無理しないでね』などの気遣ってくれる返信や『人が少ない方が感染リスクを下げられるかもしれないから我が家も自粛』といった返信がきました。浮くことばかり気にしていた私にとって『親として各自の判断をする』ことは、大げさな言い方をすると『新たな一歩』を踏み出した瞬間でした」

周囲の顔色で判断してきたKさん。自分の意志で決定することはかなりドキドキしたといいます。しかし周りからは懸念していたようなネガティブなことを言われることもなく『子供を守る親としての判断ができたとすっきりした気持ち』になったそうです。

集まりたがり屋を阻止する緊急事態宣言

家族の健康などを理由に距離を置いた家庭もありますが、特にこれといった理由がない家庭は各自の感覚で判断することが多かった3月。「熱が出ていなければ少人数で家遊びは可能」「公園もマスクをすればみんなで遊べる」など、子供を理由にまだまだ集まりたいママがいたといいます。集合住宅に住むHさんの周囲もそんな人に振り回されていたようです。

「今回、自粛という言葉は本当に難しいと感じました。私なんかは幼稚園を休んだのに一緒にファミレスでランチしたら自粛の意味がないのでは?とモヤモヤ。リーダーがそんな風に動くので私と似た考えの家庭からは『集まりを禁止する緊急事態宣言かロックダウンを早くしてほしい!』と叫びのような声も聞こえていました。」

その後、緊急事態宣言が発表されると、今までより厳しい基準で子供たちを守る流れに。驚いたのは、集まり大好きママを取り囲んでいた中心人物たちが早々に不参加を表明。リーダーママがどうにかして集まろうと算段するも、はっきりとNOの答えを出していたそうです。

「みんな本当はもうそろそろ集まるのはダメな時期なことに気が付いていたんです。でもなかなか言い出すことができなかった。『大げさな人』とかあとあと子供に言われるのも嫌だったのかもしれません。リーダーママだけではなくその腹心ともいえる人たちに気を使っていたところもあるので、その方たちが常識人だったことがわかりホッとしました。以来、グループラインは全く盛り上がっていないので、これを機に付き合いたい人と個人的につながり、グループ自体から抜けるのもアリかなと思っています」

心のソーシャルディスタンス

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染を防ぐため、2m以上の距離を保つ「ソーシャルディスタンス」が訴えられています。今回、これほどの規模で自粛が行われたことは、物理的な距離だけではなく心の距離についても見直すいい時期に来ているのではないでしょうか。

ママたちは自分だけでなく、子供のためにママ友と密接な関係を築いています。それが楽しい関係であるなら問題ないのですが、苦痛に感じたり無理しているようなら、ママの心にとって良い状態とは言えないのではないでしょうか。普段のその「3密」は本当に必要か。今回、改めて考える時期に来ていると感じています。

まとめ

今までのような地続きで生活していたら断ち切ることのできなかったママ友との関係。この2か月という期間とイレギュラーな事態により、各自の大切にしているものや基準がはっきりわかるきっかけとなりました。

ママ友の顔色より「子供の命を守ること以上に大切なものはない」からこそ気づいた基準。自分に不要な関係を断ち切るきっかけができたのはコロナ禍における収穫といえそうです。

「2カ月以上離れていて心地いい」と感じるのであれば、それは無理して戻る関係といえるのか。また、一人一人が自分の判断で状況を乗り越えていく中、他人と合わせることはそこまで大切か。考える時間がたくさんある今だからこそ、見直してみてもいいのかもしれません。

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